「すてきな 三にんぐみ」
トミー・アングラーさく いまえ よしとも やく
偕成社
黒マントに黒い帽子をかぶった、泥棒の三人組。しかし、意地悪なおばさんの所へ
行く孤児の女の子を、唯一のえものとして連れ帰ってしまったときから始まる心暖
まる美しい物語と挿絵。 私自身、モーリス・ルブラン著の「アルセーヌ・ルパン」や 江戸川乱歩の「怪人二十面相」なそ中学生のときに良く読んだものだった。特に ルパンは盗人でありながら、弱い立場の人間や女性には優しく、私はそのような 義賊に惹かれていたのかも知れない。この絵本を読んだとき、何か昔のあの憧れ にも似た感情が蘇ってきたような気がした。悪者が、一人の少女を通して心を入れ 替え、虐げられている子どもたちを救っていく。物語はとても単純だが、素朴な絵が この物語を心に残る作品にしている。