「あなたが世界を変える日」
12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ
セヴァン・カリス=スズキ 著 ナマケモノ倶楽部 編・訳 学陽書房 より引用
1992年国連・環境サミットがブラジルで開かれることを知ったセヴァンはこの会議に子供
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1992年6月11日 リオ・デ・ジャネイロで開かれた国連の地球環境サミットでのスピーチ (本書より引用)
こんにちは。セヴァン・スズキです。エコを代表してお話しします。
エコというのは、子ども環境運動(エンヴァイロンメンタル・チルドレンズ・オーガニゼーション)
今日の私の話には、ウラもオモテもありません。なぜって私が環境運動をしているのは、私自身
私がここに立って話をしているのは、未来に生きる子どもたちのためです。世界中の飢えに苦しむ
太陽のもとにでるのが、私はこわい。オゾン層に穴があいたから。呼吸をすることさえこわい。空気に
父よよくバンクーバーで釣りをしたものです。数年前に、体中ガンでおかされた魚に出会うまで。そして
それらは、もう永遠にもどってはこないんです。
私の世代には、夢があります。いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを
こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕
オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのかあなたは知らないでしょう。
死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。
絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。
ここでは、あなたたちは政府とか企業とか団体とかの代表者でしょう。あるいは、報道関係者か政治家
私はまだ子どもですが、ここにいる私たちみんなが同じ大きな家族の一員であることを知っています。そう
私は子どもですが、みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に向けて心をひとつにして行動しな
でも、自分の気持ちを世界中に伝えることを、私はおそれません。
私の国でのむだづかいはたいへんなものです。買っては捨て、また買っては捨てています。それでも物を
カナダの私たちは十分な食べものと水と住まいを持つめぐまれた生活をしています。時計、自転車、コン
2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。ひとりの子ども が私たちにこう言いました。
「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、食べものと、着るものと、薬と、住む場所と、
家もなにもないひとりの子どもが、わかちあうことを考えているというのに、すべてを持っている私たちがこんな
これらのめぐまれない子どもたちが、私と同じくらいの歳だということが、私の頭からはなれません。どこに生ま
もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えば、この地球はすばら
学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたたち大人は私たち子どもに、世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。
たとえば、争いをしないこと 話しあいで解決すること 他人を尊重すること ちらかしたら自分でかたずけること
ならばなぜ、あなたたちは、私たちにするなということをしているんですか。
なぜあなたたちが今こうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。そしていったいだれのために
それはあなたちの子ども、つまり私たちのためです。みなさんはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生き
親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子どもたちをなぐさめるものです。あるいは、「できるだけ
おききしますが、私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか。
父はいつも私に不言実行、つまり、なにをいうかではなく、なにをするかでその人の値うちが決まる、といいます。
あなたたちはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、いわせてください。
もしそのことばがほんとうなら、どうか、ほんとうだということを行動でしめしてください。
最後まで私の話をきいてくださってありがとうございました。
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本書 編訳者あとがき より抜粋引用
「私の話にはウラもオモテもありません」、居並ぶ世界のリーダーたちを前に12歳のセヴァンはこう話し
(中略)
セヴァンは特別な子です。でもそれは彼女があたりまえのことを、ウラオモテのないことばであたり
南アメリカのキチュア民族にこんなお話があります。山火事で森が燃えていました。虫や鳥や動物たち
2003年 初夏 ナマケモノ倶楽部代表 辻信一 中村隆市
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(本書より引用) |