「チェスの第2歩 初級オープニング図鑑」
アンパサンチェス研究会 編集
本書は、日本語で読める唯一のオープニング解説書(図鑑)であり、殆どの オープニングが紹介されている。本書のユニークさとして、各オープニングの 年代別棒グラフや変化手順の比率があり、普通の定跡書とは違う試みが読者 にとって新鮮に映るだろう。挿入図が多い本書は、初級者は勿論のこと、中級 者にとっても価値はあると思う。一通り目を通して自分に合ったオープニングを 探し出し、深い手順は専門書やチェスソフトなど利用するといいと思う。
尚、編・訳者の辻本二朗氏は日本チェス協会(JCA)所属の「大阪アンパサン チェスクラブ」と、JCA確認団体「レディース大阪チェスクラブ」を主催しており、ま た日本で初めてのチェス・カフェ(「チェスカフェアンパサン」)を経営しています。 チェスカフェ アンパサン(アンパサンチェス研究会)のホームページはこちらです。
本書 あとがき・凡例 より引用
○各オープニングの年度別棒グラフはFritz12の「データベース」を基に、変化手順の%は Fritz12の「オープニングブック」の数値から算出しています。後者のデータの正確な年代 は明らかではありませんが、前者よりやや古いデータではないかという印象があります。 ○年度別棒グラフはECOコード(A10やC25などのコード)によって抽出したゲーム数によっ て作成しています。そのため、例えば次ぎのような誤差がいくつか含まれます・・・C55には ジョッコピアノとツーナイツが含まれているが、本書ではC55はツーナイツとして扱っている・ ・・等。 ○原稿作成の都合上、オープニングブックの数字を本文中に小さく残しています。ご了解く ださい。(参考資料の意味もあります) ○変化手順の%が100を超えている場合があります。これは別の手順から移行して合流 てくる例があるためです(例えば1.d4 d5 2.c4と、1.c4 d5 2.d4は手順前後して白の2手目で 合流する)。 ○オープニングやバリエーションの名称は、学術用語のように正確に定義されているわけ ではありません。本書の中にはあまり一般的ではない(かもしれない)名称もあります。グリュ ンフェルトの4.Nf3やニムゾインディアンの4.e3型など。 ○本書は指し手の良し悪し、狙い、意図、理由などについては触れていません。序盤にどの ような手順があるのか、どのように指されているのかを見て、知っていただくための「図鑑」 です。 ○紙面のスペースの都合等で、採り上げるべき変化や、何手目まで記すべきかについて 統一した基準がとれていません。ご了解ください。 ○随時挿入されている「練習」の「次ぎの手」はオープニングブックの数値によっています。 現在、新しい変化手順の発見により、「正解」が変わっている可能性があります。 ○本書作成のきっかけは、次のようなグラフを作ったことです。参考のために挙げておき ます。 ○参考文献 John Watson "Mastering the Chess Openings Volume 1.2" San Collins "Understanding the Chess Openings"