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 物語は紀元元年、新たな救世主(イエス・キリスト)の 
       
      誕生を恐れたヘロデ大王が、ベツレヘムとその周辺の 
       
      二歳以下の男の子をすべて、一人残らず殺した時のこ 
       
      とが舞台となっています。危うくヨゼフに現れた天使の 
       
      警告によりエジプトに逃れたイエスとその家族。この時代 
       
      を背景にラーゲルレーヴがこの「へいしのなみだ」を創り 
       
      ました。この絵本の素晴らしいところは、文は勿論のこと 
       
      ですが、絵の力強い独特のタッチにあります。作者の息 
       
      づかいや想いが私にも伝わってくるような強烈な個性。 
       
      まるでルオーの絵を見ているかのようでした。あまり知ら 
       
      れていない絵本かも知れませんが、私にとっては宝物 
       
      です。 
(K.K) 
 
       
      「キリスト伝説集」ラーゲルレーヴ作 イシガ オサム訳 岩波書店 を参照されたし。 
 
 
 
       
 
        
       セルマ・ラーゲルレーヴ 
      Selma Lagerlof(1858年11月20日〜1940年3月16日) 
      アーナ・ロヴィサ・ラーゲルレーヴ。『ニルスのふしぎな旅』(1906年)の著者。1909年に、女性で 
       
      初めてのノーベル文学賞受賞者となった。キリスト教の寓話的作品、絵本を数多く書いている。 
       
 
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