サン・ダミアノ教会





生涯の終わりの頃の物語

「古都アッシジと聖フランシスコ」より引用)


その表れの一つとして、フランシスコの生涯の終わりの頃の逸話があります。病が重いと

自覚すると、彼はクララのそばへ行きたいと言い出します。兄弟が彼女のサン・ダミアーノ

の小さな女子修道会に連れて行くのですが、二人は会おうとはしません。そしてフランシス

コは、修道会のかたわらにある葦の小屋に入るのです。そこに彼の心の平安があったの

です。手厚い看護は断ったのでしょう。独り横たわって、神の讃美を歌っていました。この

ありさまに、兄弟たちは困惑します。当時はすでに広くヨーロッパ世界の尊敬の的であっ

たフランシスコが、葦の小屋に寝て歌を歌っているのは、その声価を問われかねないか

らです。フランシスコ会に対する信頼も、主導者がこの状態ではゆらいでしまうと思った

のでしょう。歌を歌うのだけはやめてくれと、フランシスコに申し出たそうです。フランシス

コは不眠の夜を送らざるを得ませんでした。そこはひどい所で、夜になると先住者である

鼠が病人の上を走り回ったそうです。病篤い聖者がいた場所がこのような小屋であった

ことは、私どもの常識からしますと、悲劇的な感じを抱きそうになります。何か間違いが

あったのではないか、と考えそうになります。暗い、どん底の心境を想像したりしますが、

フランシスコの気持ちは強く、しかも光に満ちていました。その時、彼が歌い出したのが

<太陽の歌>です。・・・・小川国夫








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