「アメリカ神話の解体 赤人革命論」

東岡耐 著 現代書館 より引用



再び問う、マルクス主義とは何か。それは革命思想ではなく、階級文明的

ブルジョア的諸原則に妥協する文明改良思想にすぎない。それは母なる

大地の支配・収奪を容認する自然征服思想である。それは有色人・異邦

人の奴隷化を正当する奴隷主思想である。それは非ヨーロッパ人の植民

化・帝国的収奪を正当するヨーロッパ帝国主義思想である。それは原始

共同体諸部族に文明化を強要する文明帝国主義思想である。それは無

際限的な「文明の進歩」を信仰する文明至上主義思想である。それは生

産力の限りなき発展を盲目的に美化する生産力至上主義である。それは

原始共同体諸部族の征服・強奪と植民地従属国人民の搾取・抑圧から

一定の利益をうけている植民帝国内の平民派、小奴隷主的プロレタリア

ートの改良思想にすぎない。これに対して、当のマルクス主義者は目を

三角にして反論するであろう。マルクス主義こそは誰が何といおうと完全

無欠の唯物思想であり、人類の解放思想であり、普遍的な革命思想で

ある、と。よかろう! アメリカ合衆国という史上最悪の盗賊帝国の歴史

を通じて、マルクス主義文明史観に対し具体的にチャランケ(談判)する

ことにより、マルクス崇拝者がつくりあげた輝ける偶像を徹底的に破壊

することにしよう。文明社会はいまや急坂をころげるごとく、奈落に向かっ

ている。階級文明的ないっさいのものの存立基盤が音をたてて瓦解しは

じめた。この人類の未曾有の危機を革命的に揚棄するものは階級文明

社会の、あるいは奴隷主植民社会の諸体系の中で矛盾の解決をはか

ろうとするマルクス主義の中にはありえない。それは腐り切った奴隷主

帝国を根本から粉砕しようとする植民地奴隷の革命戦争、そして汚辱に

まみれた階級文明総体の解体をめざす原始共同体諸部族の革命闘争

の中にのみ存在する。赤人被抑圧人民の生きる辺境最深部に退却し、

そこから合衆国帝国主義打倒の狼煙をあげたゲバラ、その闘いを跳躍

台として、世界社会主義共和国の大義のもとに、国際革命戦争を目的

意識的に遂行する新潮流があらわれた。

アメリカ盗賊合衆国に災厄あれ!

アメリカ盗賊合衆国を美化する一切の勢力に災厄あれ!

第二・第三のベトナム革命戦争に光栄あれ!

第二・第三のリトルビッグホーン戦に光栄あれ!

(本書・はしがきより引用)



私は1976年10月、「ライクル・エ・チカップ 合衆国神話の根底的破砕」というガリ版

刷りのパンフレットを公表した。それは400字詰めで千数百枚にのぼる。約三年半の

期間を費やした。筆者自身の青春の結晶とでもいうべきものであった。本書はこのパン

フレットに若干の加筆・削除・訂正を加えたものである。本稿の執筆は赤人原住民の、

アイヌシモリの、根源的な闘いなしにはありえなかった。母なる大地・女である大地

(マッ・ネ・モシリ)を侵略者・強奪者・破壊者から奪還しようとする原始共同体同胞・

人民の闘争の中に至上の正義が存在する、と確信したとき、それを抹殺しようと目論

む文明侵略者(文明共産主義者も含む)へのチャランケ(談判)が開始されなければ

ならなかった。本書が思想闘争の領域で、赤人原住民とアイヌシモリとの革命的連帯、

人類の共和国(ウレシパ・モシリ)建国の闘いになんらかの役割を果たすことがあれば

幸いであると考える。 本書「あとがき」より引用



本書 解説・・・・太田竜 より抜粋引用

本書は、赤人原住民の文化からの、ヨーロッパ白人の白人文明に対する、文明批評と

しては書かれてはいない。(そうした気楽な「文明批評」の一つの例は、コスターの「我

が大地、この大地」に見られる。) すなわちそうした白人文明への批評は、単なる批評

であって、この支配の構造を解体し打倒する革命の理論ではないのである。本書は、こ

れに対し、あくまでも、「赤人革命論」として、「赤人革命を土台とした世界革命」への展望

を明示している。したがって当然にも、マルクス・レーニン主義という既存の世界革命理論

に対する挑戦として提起されている。これは、マルクス・レーニン主義の偶像に対してふり

おろされた一撃である。我々は、今日以降、きわめて精力的に、倦むことなく、この反革命

の巨大な支柱になり果てたマルクス・レーニン主義とそのすべての亜流(トロツキー、ロー

ザ・ルクセンブルグ、毛沢東、カストロ、ゲバラ、その他)によって構成されている偶像も粉

みじんに打ちくだく理論的芸術作業に取りかからねばならない。それは人類の共和国・・・・

ウレシパモシリ(万物が互いに育ち合う世界)を建国してゆく闘いの、重要な仕事の一つな

のである。





目次

はしがき

序章 新大陸〈発見〉が「世界史のうちでもっとも偉大な一瞬」であったという神話

第一節 〈地理的大発見〉

新大陸の発見

赤人の起源

コロンブスの征服

第二節 本源的蓄積

スペイン人の征服

スペイン人の植民

イギリス帝国の興隆


第T章 合衆国が「占領されていない、自由な土地」であったという神話

第一節 イギリス人の植民

イギリス人の植民

清教徒の植民

窮民の移住

植民者の侵攻

赤人諸部族の蜂起

第二節 赤人部族社会

文明人の赤人観

赤人の生活様式

赤人の世界観

赤人部族社会

第三節 赤人階級社会

階級社会の出現

階級社会の崩壊


第U章 独立戦争が「偉大な、真に解放的な、真に革命的な戦争」であったという神話

第一節 独立戦争

独立以前の植民地

本国と植民地の対立

独立戦争の本質

第二節 合衆国の建国

独立宣言書

合衆国憲法

建国の父祖

合衆国の建国

第三節〈ブルジョア革命〉

フランス革命

中南新大陸の〈革命〉


第V章 合衆国が「もっとも自由な、文化的な、民主主義的な共和国」であったという神話

第一節 〈産業革命〉

ジェファソン民主主義

第二次独立戦争

産業革命

奴隷制度の拡大

第二節 西漸運動

モンロー宣言

ジャクソン民主主義

西漸運動

メキシコ戦争

第三節 文明の侵攻

公用地政策

文明の侵攻

ヨーロッパ文明社会


第W章 南北戦争が「世界史的な、進歩的な、革命的な戦争」であったという神話

第一節 南北戦争

南北の対立

南北戦争

南部〈再建〉

第二節 金ぴか時代

盗賊貴族

大西部への侵略

大地の収奪

自然観の対立

第三節 アメリカ精神

アメリカ精神の源泉

アメリカ精神

合衆国大統領

赤人革命論


第X章 合衆国が「非侵略国、平和愛好国」であったという神話

第一節 独占資本主義

独占体の成立

独占資本主義的帝国主義

米西戦争

棍棒外交

ウィルソンの理想主義

第二節 ロシア革命

マルクス主義とロシア革命

スターリン官僚の独裁

スターリン官僚の抑圧

第三節 両大戦間期

黄金時代

自然の破壊

中南新大陸の支配

第四節 第二次帝国主義世界戦争

ニューディール

第二次帝国主義世界戦争

戦争と科学技術


第Y章 国家独占資本主義の段階が「社会主義への直接の入口」であるという神話

第一節 国家独占資本主義

冷戦体制

国家独占資本主義

科学技術体制

資源の濫費

第二節 公害と自然

資本主義と公害

農業と公害

公害対策

第三節 新植民地体制

国内植民地

経済侵略

軍事侵略

第四節 ベトナム革命戦争

米帝とベトナム戦争

米帝の全面的危機


終章 人類史が「人間社会の果てしない発展の行程」であったという神話

第一節 文明の崩壊

農耕文明

資本主義文明

第二節 文明的社会主義の末路

フルシチョフ主義

毛沢東主義

第三節 世界革命

マルクス主義世界革命論

世界革命論

赤人世界革命論


引用文注解

あとがき

解説・・・・太田竜







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