「続アメリカ・インディアンの教え」

あなたの幸せがここにある

加藤諦三著 ニッポン放送出版より








ラジオ放送を通して大きな反響があった「アメリカインディアンの教え」の続編。

「白人はインディアンから何を学ぶか」ジョージ・オートン・ジェームス著の考え方

を基にして加藤氏が自分の言葉で書いたものです。ただ現在のインディアンは

加藤氏が言うように心身ともに健康とは言える状況にはないと思います。元々の

文献「白人はインディアンから何を学ぶか」は100年前に書かれた本であり、現在

インディアンは心身ともに病を持った方が多いと聞きます。心の問題としては、自己

基盤の喪失によるアルコール中毒や子供への虐待、自殺の多さがあり、身体の

問題として肥満などが社会問題化しています。加藤氏が想定しているのは今から

100年前のインディアン像であることを先ず押さえる必要があるかと思います。

(K.K)







本書 はしがき より抜粋引用

いつも自分のことを嘆き悲しんでいる人に必要なのは「インディアンの教え」です。

インディアンの辞書に自己憐憫はありません。「神は、私に変えられないことを微笑

んで心静かに受け入れられる力を与えてくれた。そして変えられることは変える勇気

を与えてくれた。そして変えられることと変えられないことの違いを見分ける知恵を

与えてくれた」 これはアメリカにいた時に土産屋で買った色紙に書いてあったもの

です。「インディアンの教え」によるとインディアンは悲しい時、悲しみを大げさに言う

かわりに、常に働くことで悲しみを最小にするといいます。悲しみを誇示するのでは

なく、喜びを大きくすることで悲しみを小さくするのです。私達は、失恋して情熱的な

南米のリズムに自分を委ねるということをしません。「喜びを大きくすることで悲しみ

を小さくする」こともなかなかできません。だからこそ、このことをインディアンに学ぶ

ことは大変意義のあることだと思うのです。 (中略)


インディアンは自己憐憫しません。過去のことでいつまでも自己憐憫している人など

に出会ったことはただの一度もないと「インディアンの教え」の著者ジョージ・オートン・

ジェームスは言っています。そして自己憐憫していると気力がなくなるそうです。この

気力を失わせるような自己憐憫をインディアンはしないと言うのです。私達は愛される

ためには自分の惨めさや苦労を強調しなければならないと感じているのです。自分の

惨めさを強調しなければ誰も自分に注目してくれないという自己無価値観のせいです。

だからこそ、自分を憐れむチャンスを見逃しません。失恋などというのは自分を憐れむ

絶好のチャンスなのです。だからこそ失恋した今こそ思いっきり自己憐憫をしているの

です。前出の著者ジェームスはインディアンとの付き合いで、過去の変えられないこと

について不平を言ったり、嘆いたりしている例に一度たりとも出会ったことがないと言っ

ています。そんな例を思い出せないということです。「墓場までついてくるあらゆる悩みの

中で、もっとも執拗なのは、何と言っても愛の悩みでしょう」とアメリカの心理学者シーベ

リーは言っています。「インディアンの教え」によると、インディアンは泣いた後は、いつ

までも不平を言ったり、自己憐憫をしていないで、自分の義務を取り上げるそうです。

それに比べて白人はいつもいつも不平を言っていると著者ジェームスは言っています。

まさにインディアンの教えなのです。


私達日本人は何となく恨みがましく、未練がましいものです。この本ではそのような私達

がインディアンから何を学べるかを書いたものです。私が訳した南カリフォルニア大学の

教育学教授バスカリアの本の中に、著者と母親の話が出ています。母のベッドの側で彼

が涙を流していました。そして母の彼への最後の言葉は「おまえは何にしがみついてい

るの?」でした。しかも、大切なのはその言葉を彼の手を優しくとって言ったということです。

しかし私たちは優しい母がいなくても、「その手を離してごらん」という言葉は救いの言葉

です。「頼りないけどその手を離してごらん」、それしか生きる道はないのです。昔付き合っ

ていたヒッピーのようなアメリカ人がいました。そのアメリカ人が、林檎の木は林檎の実を

離すから次の季節にまた林檎の実がなると言っていました。そして林檎の木が林檎の実

を離さなかったら枯れてしまうと。バスカリアの本を訳して以来、その箇所の文は「おまえ

は何にしがみついているの? その手を離してごらん」とばかり記憶していました。しかし

この本を書くのにもう一度読み返してみると「何にしがみついているの?」という文だけで

した。いつの間にか私の心の中で、「離してごらん」という言葉が付け加わっていたのです。

心に孤立感があるとき、何かにしがみついていなければ頼りなくて生きていかれないように

感じます。しかし「その手を離してごらん」。今、あなたがしがみついているものは、あなたに

プラスの物は何も与えはしません。与えるとすればあなたの心理的成長の障害だけです。





目次


第一章 幸福な人は、変わるものは変えようとします。変わらなかったものは静かに受け入れます。

あなたは「離婚の申し出」を冷静に受け入れられますか

幸福から不幸へは簡単だが、不幸から幸福への道は険しい

対象喪失の過程(一)

悲しみが憎しみに変わるとき

失恋を受け入れられない

起きたことは起きたこと

諦められるかどうかは「許せない人」がいるかどうか次第

酸っぱいレモンを「甘い」と言い張って食べる

「魔法の杖」が出てくるのをいつまでも待っている

幸福な人だけが不幸になることができる

人生と徹底的に関わりなさい

対象喪失の過程(二)

最後の段階「創造的な段階」

親離れ、子離れができない

精神を病むと行動の選択の幅は狭くなる

復讐しないではいられない

一つの戸が閉まれば別の戸が開く

現在に生きないで過去に生きる

悲しみを知らない人生は未完の人生


第二章 幸福な人は、喜びを大きくして悲しみを忘れます。

喜びは悲しみになるし、悲しみは喜びにもなる

メランコリー親和型=うつ病になりやすい性格

不幸な妻は自分の夫の欠点に意識を集中する

逆境を楽しんだチャーチル

母親への思いやりが発明を生んだ

ノイローゼの夫を主人公に小説を書いた妻

病床の母を救った娘の思いやりの一冊

不平を言う前にひと呼吸おいてみる

起きたことから逃げても後悔しかない


第三章 幸福な人は、「愛する」という言葉を最初に学びます。

教育で大切なことは、何をしてあげるかではない

子供はどのようにして自信を持つのか

困難から逃げることは人生を辛くすること

子供の言うことに耳を傾けなさい

逃げる夫は自信を失う・逃げる妻は憂鬱になる

無心な人の前に真実はその姿を現す

インディアンは自然から神秘な力を感じる

「教育」という言葉は本来「引き出す」という意味

間違ったら冷静に受け止める

困難や不愉快なことに際して冷静であること

不平を言うばかりがインテリではない


第四章 幸福な人は、「ノー」と言える「ちょっとした勇気」を持っています。

人はなぜノーと思ってもイエスと言うのか

「ペコペコすること」と「嫌うこと」は関係がある

人はノーという言葉にそれほど傷つかない

自分の不満をうまく表現できない

「ちょっとした勇気」はあなたに存在感を与える


第五章 幸福な人は幸せをつかむ努力をします。不幸な人は幸せに見える努力をします。

インディアンの簡素な生き方に学ぶ

「見せかけの家」では子供は脅威になる

辛い日があっても音楽や笑い声が絶えない家

家は汚れていても子供の目は輝いている

簡素な生活をする人は自分に自信のある人

幸福を感じるには「楽しむ努力」が必要

神経症の人は死ぬまで働き続ける

燃え尽きてしまう人は何かから逃げてしまう人

ブラスジェスチュアとは何か

違う人生目標を持ちながら一緒に暮らす夫婦

持つ必要のないものを持ちすぎている

楽しむことをタブーにしてしまう

世間体という言葉は日本人の不幸を象徴している

家の中ばかりいないでもっと戸外で生きる


第六章 幸福な人は、自分に本当に必要なものは何かを知っています。

幸せを犠牲にしてまでお金を求める

財産を求めすぎると、結局財産を失う

死んだ者への悲しみがない異様な葬式

幸福な人は富を楽しむことができる

天のもっとも大切な宝は健康と平和


第七章 幸福な人は、幸運も必ず生かします。

悩まなくてすむよう、趣味をもちなさい

他人を祝福できる人は自分を祝福できる

悩みを「相談すること」と「訴えること」

悩みを訴える人は相手を攻撃している

自分の哀れさを強調することで怒りを表す

加害者なのに被害者のように思い込む人々

周りの人々のために、悩むのをやめなさい


第八章 幸福な人は、自分を信じて決断します。

後悔していても何も解決しない

もし、あの時劣等感がなかったら

自分にだけは特別な幸運が巡ってくるはず

幸運を生かせなかったのはその人の器量

人よりも幸運でなければ気がすまない

幸運を生かすには努力が必要

不運な人は目の前に幸運があっても気がつかない

神経症的な自尊心の持ち主は規則を嫌う

やればできるというのと実際にできるのは違う

やり直すことを決意する

会社を辞めたいと思っている人へ

「誇り高く無視する」という素晴らしい発想

困難な時こそ、自信をもって決断する







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