「アメリカ・インディアンはうたう」

金関寿夫 文・訳詩 堀内誠一 絵 福音館書店







小学中級からの子ども向けに書かれた本で、読みやすいようにイラストが多く、漢字には

振り仮名がついている。インディアンって何?と問う子どもたちにとって、本書はその全体像

を理解し、親しんでもらうには最適の文献かも知れない。金関寿夫さんがいろいろな文献か

らまとめたものが本書である。

(K.K)


 








本書 より引用


インディアンは、人間だけでなく、大地、岩や木、小鳥やけもの、そしてふく風にさえ

霊があり、心があることをしんじています。だからかれらは自然の事物をだいじにし、

動物や草や木にも、いつもやさしい気持ちでせっします。たとえばナヴァホ族は、春

になって大地に草がはえてくると、はいていたモカシンを、わざわざぬいで、草の上

を歩くそうです。春はみんなのお母さんである大地のおなかの中に、あかちゃんの

できる季節。だから、そのおなかをいためないように、はだしであるくのです。イン

ディアンの古い物語には、よく人間と動物がいれかわる話があるけれど、そういう

考えは、人間だけがこの世でえらそうな顔をするのをいましめているようで、とても

すばらしいと思います。


 
 


金関寿夫(かなせき ひさお)

1918年、松江に生まれる。同志社大学文学部英文学科卒業。神戸大学、東京都立大学

教授を歴任。著書に「アメリカ・インディアンの口承詩 魔法としての言葉」(平凡社)、「現

代芸術のエポック・エロイク」(青土社 92年読売文学賞)などがあり、訳書にはドナルド・

キーン「百代の過客」(朝日新聞社)、ナンシー・ウッド「今日は死ぬのにもってこいの日」

(めるくまーる)など多数ある。子どもの本の仕事には「カニツンツン」(元永定正・絵)、

「人間だって空を飛べる アメリカ黒人民話集」、「おれは歌だ おれはここを歩く アメリ

カ・インディアンの詩」(いずれも福音館書店)など。1996年没。


堀内誠一(ほりうち・せいいち)

1932年、東京に生まれる。イラストレーター、グラフィック・デザイナーとして活躍。「たろう

のおでかけ」、「ちのはなし」(いずれも福音館書店)などの絵本や、「マザー・グースのうた」

(谷川俊太郎 草思社)、「ロボット・カミイ」(古田足日)、「お父さんのらっぱばなし」(瀬田

貞二 いずれも福音館書店)の挿絵など、子どもの本にたくさんの仕事がある。「たくさんの

ふしぎ」では、「どうくつをたんけんする」「音楽だいすき」がある。1987年没。








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