「イーグルに訊け」

インディアンに学ぶ人生哲学

付録CD マリリン・ヤングバードさんの祈り

(新しく出版された文庫版に付録CDが含まれているかは不明です)

天外伺朗 衛藤信之著 飛鳥新社 より引用











社会全体が、長い混迷のトンネルに入って久しくなります。いったい、いつこの

トンネルを抜けられるのでしょうか。そしてトンネルの先には、どんな景色が私

たちを待っているのでしょうか。その新しい景色(社会)へ移行するため、私たち

は何を指針にし、どう生きていったらいいのでしょうか。ヒントは、まったく意外

なところにあります。本書で取り上げたアメリカ・インディアンの人生哲学、ある

いは社会のあり方などがその好例でしょう。これは、トンネルのはるか先に、

かすかに見えてきた出口の明かりに相当します。アメリカ・インディアンという

と、ほとんどの人は西部劇に出てくる姿しか思い浮かべないでしょう。もちろん、

現状は近代文明にうまく適応できずに、悲惨な人生を送っている人たちが大多

数です。しかしながら、かすかに残っている昔の伝統をたどっていくと、私たちが

長いこと忘れていた人類の叡智の結晶が見えてきます。よく調べてみると、その

叡智はアメリカ建国の精神に多大な影響を与え、その後のフランス革命をはじ

めとする、世界的な民主化のルーツになっているのです(本文参照)。私たちが

ドップリつかっている近代文明は、経済・産業の発展を最優先するあまり、個人

のエゴが暴走しやすい社会になってしまいました。それがグツグツと煮詰まった

のがいまの社会の混迷だと考えられます(拙著『深美意識の時代へ』講談社 

『心の時代を読み解く』飛鳥新社など参照)。つまり、近代文明の中にいったん

は取り入れた彼らの叡智が、ちゃんと消化されておらず、生かされていないの

です。本書は、来るべき新しい社会に対する準備にのため、彼らの叡智をもう

一度掘り起こそうという意図のもとに企画されました。私は、2000年の8月に

インディアンの長老より「聖なるパイプ」を授与され、パイプホルダーになりました。

パイプホルダーというのは、インディアン社会における最も基本的な祈りの儀式

である、パイプセレモニーを司ることを許された人で、キリスト教でいう司祭に

相当します。以来、ソニーの役員を務めるかたわら、乞われるままに、あちこち

でパイプセレモニーの祈りの儀式を遂行する、という珍妙な生活を続けていま

す。長老たちの付き合いだけでなく、大勢の仲間たちとのパイプセレモニーを

通じて学んだことも、本書にできる限り反映させました。共著者の衛藤信之さ

んは、日本メンタルヘルス協会代表で、著名なカウンセラーであるだけでなく、

一般向けの易しい心理学セミナーで人気を博しておられます。そして、2001年

の春から8ヶ月間アリゾナに滞在し、ナバホ族との交流を深められました。その

ときのみずみずしい体験を、心理学的な面から掘り下げていただきました。

(中略) また本書では、たまたまのご縁でアメリカ・インディアンを取り上げま

したが、同様な思想・哲学は、アイヌをはじめとして、世界中のあらゆる先住民

文化の中に見いだせます(拙著『宇宙の根っこにつながる人びと』サンマーク

出版 参照)。つまり人類は、産業革命以来エゴが暴走しやすい競争社会を

出現させるとともに、それ以前の人類社会が共通に持っていた、人間として

まともに生きる知恵を見失ったともいえるでしょう。本書は、その中で「息せき

切って走るのをやめて、立ち止まってちょっと考えようよ」と提案しているので

す。しかしながら、単に「昔の戻ろう」と言っているのではないので誤解しない

でください。高名なトランス・パーソナル心理学のケン・ウィルバー博士は、壮大

な人類の意識の進化の歴史を詳細に分析していますが、それによると、「エゴの

暴走」も進化の大切なプロセスの一つだったことがよくわかります。人類は全体

として「個」を確立し、「個」を深め、やがて「超個」の時代へ向かっていく、という

のがウィルバーの学説です。さしあたり、次の「個を深める」段階というのは、

明解に見えており(『深美意識の時代へ』)、そのプロセスにアメリカ・インディ

アンの伝統的な叡智がとても大切だ、と気づいたことが、本書を企画する動機

となっています。

(本書 まえがき より引用)



目次

まえがき・・・・天外伺朗


第1章 インディアンとの出会い・・・・現代人は幸せか

[文明の外から見るということ]

日本の自殺者は年三万人

自然は最高のカウンセラー

考えるのではなく、感じることが大切

現代日本人の“心の危機”を避けるヒント


[インディアン文化のはなんなのか]

ヒッピーたちがインディアン文化を再発見した。

インディアンに学ぶ八つの世界観

インディアンは「宗教」を持たない


[インディアンとの出会い]

リザベーションでの出来事

雷の洗礼にあう

パイプセレモニーに癒しの原点を見た

暗闇の中に飛んだスピリット


[インディアン文化にふれて]

マリリン・ヤングバードとの出会い

写真に写ったスピリットの通り道


第2章 儀式の持つ力・・・・人間のつながりを取り戻す

[インディアン社会の伝統儀式に学ぶ]

パイプセレモニーとホワイト・バッファロー・ウーマン

スウェットロッジ

母なる大地の子宮に包まれる


[世界とのつながりを取り戻す]

世界内存在クライシス

怒りや憎しみは、恐怖から生まれた子ども


[サンダンス・・・・魂の踊り]

他人の子は自分の子どもと同じ

自然と一体になるお祭り

衝撃的な儀式のハイライト

飲まず食わずで四日四晩


[儀式の重要性を忘れてしまった日本人]

動物脳を爆発させることがストレス発散になる

バカになる時間の大切さ

すべての宗教儀式は神経症?

“プチ神経症”は人を幸せにする

中国系アメリカ人の犯罪率はなぜ低いのか

自己啓発セミナーがはやる理由


[現代の病理は孤独に根ざしている]

所属の欲求が満たされない日本社会

インディアン社会の巧妙なセーフティーネット


[人間の本質に根ざした社会とは]

人の役に立てるという自信

知識は知恵には勝てない

大事なことはお年寄りから教わった


第3章 感謝して生きる・・・・本当の豊かさとは

[自然からのメッセージを感じる]

ビジョンクエスト・・・・孤独に耐える儀式

犯罪の低年齢化は、“耐える力”の欠如にある

自分の生き方を見せることが子どもたちへのプレゼント

奇跡は自分の中にある

幸せになる能力とは

必要なものはそれを必要とする人のところにあればいい

ハンバーガー一つにもストーリーがある

日本にも長老がいた


[人間も本当は自然の一部]

円通寺パイプセレモニー

「地球に優しい」という考え方じたいがおかしい

インディアンの教え、仏教の教え

原爆投下を言い当てた“ホピの予言”

煩悩を追求しても幸せにはなれない


第4章 インディアンがくれるヒント・・・・私たちはどこに向かっているのか

[アメリカ・インディアンに何を学ぶか]

インディアンを抑えつけた同化政策

貧しいリザベーションでの暮らし

自暴自棄になる若いインディアン

個人の成長によって社会は進化する

現代社会がストレスを生み出す理由

ペルソナ(仮面)とシャドー(影)

私たちはどこに向かっているのか

インディアン社会は[成熟した社会」のプロトタイプになるか

合衆国憲法に大きな影響を与えたイロコイ文化

“教祖どまり”が多い精神世界


[生きにくい世の中を生きるためのヒント]

真似をするのではなく、いいところを学ぶのが大切

自分の中にある神性に気づく

祭りが持つ重要性

日本の伝統文化を学びなおす

ユングをうならせたインディアンの言葉


[日本流サンダンスを企画する]

日本にまったく新しい伝統行事を

日本流のサンダンスとは

歌、リズム、踊りは世界共通


マリリン・ヤングバードさんの祈りに寄せて・・・・湯川れい子

付録CD日本語訳

付録CD歌詞

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