「ポッツヌが生きた世界」

プエブロの女性インディアン・アーティスト

ジーン・シューツ&ジル・メリック著 飯野朝世訳 めるくまーる











プエブロ・インディアンにとって、信仰は大切なものです。とくに土地に対してはその

思いが強いのです。それは、神様が人間に授けてくださったいちばんの贈り物だと

考えるからです。この世のどの命も、みんな土地から授けられています。動物も植物

も、それに水でさえ、みんな大地から生まれます。大地というのは、私たちみんなの

母体なのです。何もかも与えてくれる偉大なものだから、愛と尊敬の念で、大地を

敬います。そうすることで、健康も幸福も長寿も得られるからです。私たちインディアン

は自然の美しさや恵みを大切にして、それを守ろうとしますけれど、非インディアンの

人たちはそうではありませんね。かけがえのない自然の美しさや恵みを、鉄鋼やコン

クリートで埋めてしまうのを何とも思っていませんもの。無頓着なのです。インディアン

は木や動物、そして岩の形ひとつにも美を見出して、神聖なものとして守ろうとします。

人間が生きる糧とする植物や動物、そしてそれらをお創りになった神様に、絶えず感謝

しています。私たちの部族は、千里一望の地に住んでいます。部族の人々は、大地

や天空のさまざまな自然現象をもとに、生き方、信仰、儀式などすべてを培ってきまし

た。だから、ダンスも歌も、詩も装飾のデザインも、みんなそういう自然現象や文化

事象を表すことで創作してきました。・・・・(中略)・・・・人間は神に対して常に感謝し、

自分たち人間が生き長らえるのに植物や動物の命を頂くことに対して常に感謝しな

ければいけません。生命維持に欠かせない水も天頂や天底から頂くのですから。

空からは雪、霜、雨が降り、地中から泉や井戸水が湧き出ます。空から降ってくるも

のは方角に関係しています。雪は北から、大雨はヘメズ山脈の西方からやってきま

す。雨も霧も稲光も雲も、ダンスや歌詞や装飾の重要なテーマです。雲は儀式に登

場する雨の神々と同じです。このように、あらゆる自然の様相や力を崇拝する気持ち

が美術品を生み出してきました。    (本書より引用)



目次

謝辞

はじめに・・・・物語の内容、文脈、構成について

1章 世界の中心・・・・サンファンでの子供時代

2章 幌馬車の旅 サンタフェ・インディアン・スクール

3章 部族伝統・・・・アート・スタジオの発足

4章・・・・才能の発掘・・・・家庭と教職の両立

5章 居場所がない・・・・スタジオの閉鎖

6章 不老長寿・・・・プエブロ族の儀式

7章 雨上がり・・・・成人教育と工芸協同組合

8章 貴重なもの・・・・絵画

9章 多忙な日々・・・・後年

あとがき・・・・ふたたび訪れて

付録 関連研究

訳者あとがき







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