「ネイティブ・アメリカンの こころが よろこぶ ことば」

しおうら しんたろう(塩浦信太郎)著 東京書籍 より引用







 本書 あとがき より引用


このことば達は、私が十三年前からアリゾナへ出かけ、ネイティブ・アメリカンの

友人に出会い、そのほか様々なネイティブ・アメリカンのかかわりの地を訪ね、

そのつど様々な機会に彼らから聞いたことばです。また、ディネイ・カレッジの

図書館で調べたことばであり、そして様々な文献から教えられたことば達です。

ここで語られているネイティブ・アメリカンのことばは、とてもシンプルですが、

自然に対する愛情がとても深いことばだと思いますし、驚くほど強い力で私の心

をつき動かしました。いま地球では環境破壊が進行しています。そんな現状を

見た時、このことば達は地球に住む人類共通の財産になることばではないかと

考えています。世界的に見てもケニアのノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイ

さんが、日本ではあまり活用されなくなって来てしまった「もったいない」というこ

とばに着目して、あらゆるものを大切にする心を受け継ぐ運動をはじめています。

一万三千年ほど前に氷河期が終わり、その前後にアジア大陸からベーリング海

を渡ったネイティブ・アメリカンが、これまでの長い歴史の中で自然から学んだ

ことばが、世界の国境を越えて人類共通の財産になることばとなってほしいと

願っております。本書の中で、私はネイティブ・アメリカンのことばに対する自分

の感想を述べていますが、おそらく読者の中には違う感想を持たれる方もいる

だろうと思います。当然のことです。一人ひとり違う感想を持つことの多様性

は、人間の心の豊かさを感じさせてくれます。「こころが よろこぶ ことば」と

して挙げたこれらのことばの一番核になる部分を、感じていただければ嬉しく

思います。


 
 


目次

はじめに


答えがないというのも

わたしにはわからない

魚は自分が水の中にいることを

雲から学べ

こころが曇ったら

どのようなことでも

怒りのこころは

死はいつも

子どもの性格

たくさん泣いたら

カニは自分に合う

偶然に出会うことには

人生でいちばん長い道のりは

あやまちを見て

創世記は、古いものでなく

宗教はどれも

時計の秒針で暮らすのでなく

笑うと 自分のこころとからだが

地球に見捨てられたら

カエルは棲むための池の水を

もしこの世界に 歌がなければ

絵にはとてもおおきな力がある

食べているとき 子どもたちに

むかし 近くにあった石が

ある人が言う

地球でおこることは

頭による理解には誤りがあるが

空腹はいちばんのごちそうを生む

つつましく食べ つつしんで

あるがままでいい

むかし インディアンは

するどいことばは

人間も動物も

知識ではなく 知恵を求めよ

あなたの話していることが

あなたがどれくらいのお金を

自然にさからう文化が

あなたが自分より劣ると

大地とは 魂の安らぎ

人々は権利をさけぶ

べつに富はいらない

恐怖は毒のようなもの

あなたは夜の月を描くとき

もしあなたが 得体の知れない

秋の葉は美しい大地の

片足をカヌーに乗せたまま

木はときに雨や風をしのぐ

嵐のあとでも 柳の木だけは

むかし 女の陰部には


あとがき

コラム

サインランゲージ

バッファローは生きるための絆

ネイティブ・アメリカンに親しまれた動物達

インディアンのパイプ








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アメリカ・インディアン(アメリカ先住民)

天空の果実

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