「アメリカインディアン 聖なる言葉」
ロバート・ブラックウルフ・ジョーンズ+ジーナ・ジョーンズ著
加藤諦三 訳・解説 だいわ文庫 より引用
本書「この本を手にとったあなたへ」 訳者まえがき より引用
この本には悩みや苦しみに対処する時の考え方が書かれている。それは ネイティブ・アメリカンの生きる知恵である。人間は、嬉しさいっぱいだけで は、生きてはいけない。それが生きることの原点である。生きていくうえで 寂しさや苦しみはいつもつきまとう。でも、苦しさも、寂しさも、生きている証 なのである。不安、苦しさ、寂しさなどを抱え込んでごらんと、ネイティブ・アメ リカンは言っている。生きていくうえで嫌なことは誰にでもたくさんある。「嫌 だなぁー」と思うことは誰にでもある。しかし、それも生きている証である。 苦しみも、悩みも、背負わなくては人は生きていけない。月のやすらぎがな ければ、太陽のよさも分からない。太陽がギラギラと輝いて暑いなと感じる 人もいる。それはその人の心が決める。この本に書かれている詩は断片的 なことのように思えるが、多くの詩が一つにつながっている。つまり、悩んだ 時には止まれ、と言っている。このような本を急いでどんどん読み進めること はない。一日に一頁でもいい、味わって読むことである。
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