「木を植えた男 フレデリック・バック作品集」DVD





アカデミー賞アニメーション部門した「クラック!」と5年半の歳月をかけて完成させた

代表作「木を植えた男」、など時代を追ってフレデリック・バックの9つの作品を紹介して

いる。これらの作品は、現代文明の警鐘に留まらず、自然への畏敬と「あるべき姿」を

模索したフレデリック・バックの集大成とも言えるもので、万人の心に潜んでいる「生命

の輝き」を取り戻そうと訴えかけてやまない。「木を植えた男」以外、殆ど台詞がないこれ

らの映像詩は、真の芸術家でしか有していない鋭い感性に裏打ちされたものであり、芸

術的に非常に価値が高いものである。代表作「木を植えた男」に見る日本の墨絵に似た

絵のタッチ、その静かさの中に秘められた奥行きの深さにも驚かされるが、バックの初期

の作品もまた違った「爆発的」と表現していいほど斬新な発想が見る者の目を虜にしてし

まう。アニメは絵の美しさだけでは人の心は打たない。揺ぎない信念と表現する感性の鋭

さがなければ人の心をつかむことはないだろう。その意味で、この9つの作品はフレデリッ

ク・バックのその人の魂そのものである。



尚、9つの作品中、インディアンが登場するものが4つもある。きっとバック自身、先住民が

もつ視点に共鳴したが故に彼らを登場させたのだろう。特に「神様イノンと火の物語」「鳥の

誕生」は、アルゴンキン族とミックマック族の神話伝説を映像化したものであり、「大いなる

河の流れ」はセント・ローレンス河に最初住んでいたインディアンを登場させており、生態系

を破壊し続ける人間の愚かさを描いている。この「大いなる河の流れ」ではインディアンを

決して美化するのではなく、白人との接触や西欧の覇権争いの中で、インディアン自身も

装飾品や銃器など手に入れるため、動物の乱獲に加担した事実を忘れてはいない。



フレデリック・バック、彼が生み出したこれらの映像詩はアニメの傑作という領域に留まらず、

ルオーやシャガールなどと同じような高い芸術の領域にまで高められた所に立っている傑作

である。

(K.K)


絵本「木を植えた男」はこちらです。



 










日本語版では、音声・字幕とも日本語です。


 


DVDより引用


高畑勲、宮崎駿をはじめ、世界のアニメーション作家に決定的な影響を与えた

アニメーション界の至宝フレデリック・バックの集大成



「アブラカダブラ」 1970年・約9分

テレビ番組で活躍していたフレデリック・バックが、初めて35mm・フィルムで本格的に

取り組んだアニメーション



「神様イノンと火の物語」 1972年・約10分

北米先住民のアルゴンキン族につたわる民話を題材に、フェルトペンで描いた切り絵

やセルを用いて製作

日本語字幕・加藤リツ子 声の出演・フランス語・リュック・デュラン 英語・バド・ナップ



「鳥の誕生」 1972年・約10分

カナダ東南部の先住民、ミックマック族の民話を題材に、自然とともに暮らす人々の

生活や、四季の移り変わりを描いた。



「イリュージョン?」 1975年・約12分

田舎で暮らす子どもたちの前に現れた魔法使いが、自然のものを次々と工業製品に

変える。音楽を初めてノルマン・ロジェが担当し、以降彼はバック作品に欠かせない

存在となる。



「タラタタ」 1977年・約8分

カナダのサン・ジャン・バティスト祭のパレードを題材に、アクリルや色鉛筆で描いた

セルと切り絵の技法を併せて制作。



「トゥ・リアン」 1978年・約11分

生きものたちを次々と作り出していった創造主が、最後に人間を作る。しかし、人間

は欲望を膨れ上がらせ、殺戮を繰り返してしまう。・・・・アカデミー賞短編アニメー

ション部門ノミネート



「クラック!」 1981年・約15分

ケベックの伝統的な生活や文化、家族愛、自然への共感、現代文明批判などを

ユーモラスに、フレデリック・バックならではの手法であるツヤ消しセルに色鉛筆

で描かれた作品。アカデミー賞短編アニメーション部門受賞。

日本語字幕翻訳・加藤リツ子



「木を植えた男」 1987年・約30分

ジャン・ジオノ原作に感銘を受けたバックが、5年半の歳月をかけ、2万枚におよぶ

作画作業の大半を一人でこなして作り上げた代表作。アカデミー賞短編アニメー

ション部門受賞

日本語字幕翻訳・平岡恵実 声の出演・フランス語・フィリップ・ノワレ

英語・クリストファー・プラマー 日本語・三国連太郎



「大いなる河の流れ」 1993年・約24分

北米を流れる大河、セント・ローレンス河を舞台に、河に生きる生命の力強さと、

生態系を破壊し汚染する人間の愚かさをドキュメンタリータッチで描く。アカデミー

賞短編アニメーション部門ノミネート

日本語字幕翻訳・平岡恵実 声の出演・フランス語・ポール・エベール

英語・ドナルド・サザーランド 日本語・江守徹



 

 


画家 フレデリック・バック

絵本「木を植えた男」より抜粋引用



1924年、ザールブリュッケン(現・西ドイツ領)に生まれ、フランス、アルザス地方で幼少の

時をすごす。1937年、パリに移り絵画とリトグラフを学ぶ。1949年、カナダに渡りカナダ国営

放送に職を得る。1968年よりアニメーションの製作に携わり、以来、8作品を製作、主な作品

に「クラック!」(1982年アカデミー賞短編映画賞)「木を植えた男」(1987年アカデミー賞短編

映画賞)がある。本書はこの短編映画をもとに、絵本として新たに描き起こし、構成した作品

で、「クラック!」(あすなろ書房)に続く2冊目の絵本である。製作にあたりバック氏は次のよ

うに語っている。「私は15年以上前にはじめてこの物語を読み、深く感動しました。その後、

読み返すたびに同じ感動を覚え、そこに盛り込まれている多くの要素を感じとったのです。

この物語では、自分の仕事に打ち込んだ男の献身的な働きぶりが語られています。その

男は、それが行なうべき重要なことだと知っており、自分の長年にわたる努力が、将来、

大地とそこに住む人間にとって有益であると確信して、何年も無償の行為を続けていくので

す。彼は大地がゆっくりと変化していくのを見るだけで、十分幸福でした。それ以上のもの

を、彼は望まなかったのです。この物語は、献身的に働くすべての人々に捧げられるとと

もに自分の手で何をしたらよいかわからない人や、絶望の淵にある人には心強い激励と

なるでしょう」








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