「スピリット・ソング」

マリー・サマー・レイン著

越宮照代訳 VOICEよりノー・アイの言葉








正直言ってこの本にはアボリジニーの精神文化を紹介したとされた

「ミュータント・メッセージ」という偽書と同じ血が流れているのを感じ

てならない。勿論、この判断はチペワ族、並びにその研究家たちの

手に委ねられているので軽率に私が判断することは出来ない。た

だ本書はチベット密教、ダンテの「神曲」、エドガー・ケイシー、旧

約聖書などから著者の都合のいい部分だけを抽出し完成させた

全くの創作物語ではないかと感じている。このような精神世界に関

する文献に関しては、その体験が真実か否かを立証することが難

しい。カスタネダの文献にしろそうであるのだろう。いずれにしろ

チペワ族の方たち、及び彼らの精神文化に詳しい研究家の声を

聴くことなしに、この本を真実と呼ぶことは出来ないと感じている。

(K.K)







「コロラドの山中に一人住む老メディスン・ウーマン”ノー・アイ”との

対話の中で、”真実”とはなにかを、ユニークな方法で学んでいく

著者のノンフィクション・ノベル(本書より)」。このノー・アイから多く

の知恵や未来の世界の姿を見聞きしてきた著者の回想記。

(本書より引用)







昔むかし、ずっと昔のこと、偉大なスピリットは一人ぼっちだった。あんまり

寂しかったので、とうとう友だちを創ることに決めた。この友だちは、偉大な

スピリットをいたわり、尊重し、愛してくれるはずだ。そこで最初に、天国に

たくさんの光を創った。それからその光にありとあらゆる生き物の姿を与え

た。生命を持たない光もいくつかあったが、多くの光は生命を持った。偉

大なスピリットは、何か、もっと自分に似たものを創りたいと思った。そして、

身震いをした。するとこの壮大な身震いで、燃え立つような偉大なスピリット

から、何百万という火花が飛び散った。火花は偉大なスピリットの小さな小

さな生き写しとなった。偉大なスピリットは自分の生き写しを創り出せたこと

をとてもうれしく思い、休んで眺めることにした。これらの偉大なスピリットの

火花は魂であり、それはすなわち神の魂だった。魂たちは何年も何年も

あたりをさすらい、しまいには退屈してしまった。彼らは動物が体をとおし

て様々な感覚を得ているのを見て、自分たちにそれが欠けていることを

嫉妬し不愉快に思った。そして、もし動物の体に入れば、自分たちも肉

体を楽しむことができると考えたのだった。最初の「大罪」が犯された。

化け物のような生き物が地上をうろつき始めた。ひれを持った猫、一角

獣、翼のある馬といった、あらゆるおかしな組み合わせの生き物がはび

こった。魂は自分たちの犯した間違いを知ったが、それを正す力は持っ

ていなかった。偉大なるスピリットはそれを見て怒った。そこで色の違う五

人の男を土から創り出した。それから、それぞれに連れ添う相手を創ると

彼らにこう言った。「行って地に散りばりなさい。私はおまえたちに命を与

えた。おまえたちが自分の国を創れるように知識もすべて与えよう。行っ

ておまえたちの兄弟が犯した地を清めなさい。おまえたちは私の法に従

って生きることになる。おまえたちの魂は、地に幾度ももどらねばならな

い。そして、地が完全に清められるまで、私のもとにもどることはできな

い」。こうして神は、茶色と赤と黒と黄色と白い肌の五種類の人間の体

を創り出したのだ。男たちはそれぞれ自分の女を連れて、遠い土地へ

旅に出た。彼らはばらばらに散らばって、民族国家を創った。そうして、

最後には神の贈り物である知識をとおして、化け物のような生き物たち

は皆、人間の形に変えられた。文明が急速に発達し、技術も大変な勢

いで発展した。あんまり急速に進歩したので、人々は他の民族国家の

持つ知識に嫉妬し始めた。やがて偉大なクリスタルの進歩がその頂点

に達し、国家全体に動力を供給できるまでになった。最終的には、この

クリスタルが国を破壊し、文明を破滅に招くことになった。ふたたび怒っ

た偉大なスピリットは、それぞれの民族から純粋な家族を一組づつ選び

出すと、彼らにどうするべきかをはっきり指示し、大地がおおうだけの水

を送った。選ばれた五組の家族はあらゆる種類の動物や生き物を救

い、水が引くと新たな国家を作り始めた。







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