
「ターコイズ 大地の贈り物 インディアンジュエリー」
ワールド・ムック500 ワールドフォトプレス より引用





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(本書より引用)
ターコイズは、昔からアメリカ南西部のインディアンにとって神秘の石だった。 彼らのあいだで「空の石」と呼ばれたターコイズの歴史は紀元前まで溯り、た とえばナバホ族やズニ族は、生命にパワーを与えてくれるお守りとして持ち 歩いたり、メディスンマンが祈祷や治療の儀式に用いられたりしたという。こ の空色の石を珍重したのは、メディスンマンだけではなかった。最古のター コイズは約7000年前の古代エジプトの墳墓からみつかっている。女王のミイ ラとともに青い石を散りばめた装身具が出土したのだ。ターコイズはまた、ペ ルシャやチベットの古い記述にも登場するし、中国では大昔から翡翠に次ぐ 重要な交易品だったことも知られている。「ターコイズを身につけていると病気 や事故を防ぐことができる」「毒ヘビやサソリから身を守ってくれる」「悪夢をよ せつけない」 そんな迷信や神話を信じる部族や民族もいた。そして20世紀 に入り、シルバーにターコイズをセットしたインディアン・ジュエリーがアメリカで 人気になると、ターコイズは宝石並みの価値を帯びるようになる。やがて各国 のディーラーやコレクターが投資の対象として取引を始め、今ではマニアが 出現し、類似品が出回るほどになっている。紀元前の昔から21世紀の今に 至るまで、祈祷師、商人、古代の王族たち、コレクターと、多くの人々を惹き つけてきたターコイズとは、いったいどんな石だろう。ターコイズ(turquoise)と いう名称は、トルコを意味するフランス語に由来する。日本語でも「トルコ石」 という呼び方があることから、トルコ原産の石と思われがちだがこれは誤りで、 実際にターコイズが採れるのは、イラン、アメリカ南西部、中国大陸、南米の 一部などである。中世ヨーロッパにこの石をもたらしたのがトルコ人貿易商 だったために、この名前がついたのだ。科学的に言ってしまえば、ターコイズ は水化銅とリン酸アルミニウムを成分とする準宝石不透明鉱石に分類される。 湿気の少ない山岳地帯で、銅・アルミニウム・酸水素・リン酸塩の4つの成分を 含んだ地層に雨水がしみ込み、岩の裂け目に堆積し結晶化する。このプロセス がくり返され、成分が密度を増すと青みがかった石になる。密度や銅の含有量 などの違いによって、深い青から緑までさまざまな色合いが生まれ、これがター コイズ最大の魅力となっている。
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