「ターコイズ2 チャールズ・ロロマ物語」
ワールド・ムック626 ワールドフォトプレス より引用
(本書より引用)
どんな世界にもカリスマと呼ばれる人がいる。「カリスマ」とは、ギリシャ語で「神の賜物」。 非凡な資質を備えた存在。大きな影響力と、人をひきつける強い個性をもつ人物。カリスマ は、インディアン・アートの世界にもいる。チャールズ・ロロマ----先住民の民芸品だった インディアン・ジュエリーをコンテンポラリー・アートに高めて世に広め、後世のアーティスト たちに道を切り開いたホピ族の男。人権も壁も国境も飛び越えて、世界に通用するデザイ ンを生み出した20世紀アメリカを代表する芸術家。1850年代にスペイン人からナバホ族に 銀細工が伝わり、のちにターコイズを用いて作られるようになったインディアン・ジュエリー は、先住民の宗教儀式やお守りとして欠かせないものだった。それはアートというより伝統 の色が濃く、インディアンの暮らしに深く根ざしていた。ホピ族出身のロロマは1950年代 半ばから1980年代にかけて、そんな民芸的なイメージとはかけ離れた革新的なジュエリー を作り出した。ターコイズのほか、サンゴ、ラピスラズリ、スージライト、ひいては真珠やダイ ヤモンドまで、あらゆる石を緻密に組み合わせたインレイ細工。カラフルでありながら抑制 の効いた絶妙な色づかい。彫刻を彷彿とさせる立体的なフォルム。ブレスレットやリング の内側に石を配した「インナー・ジェム」----ロロマは、伝説のインディアン・ジュエラーと 呼ばれ、その歴史をたどれば必ず名前が挙がる作家となった。後世のインディアン・アー ティストたちは、雑誌や写真集に載った彼の作品に刺激され、こぞってそのスタイルに追 随した。現在コンテンポラリー・インディアン・ジュエリーと呼ばれる分野は、ロロマが切り開 いたものなのだ。彼の何がそれほど傑出していたのだろう? 彼のような特殊な存在が出 現した背景には何があったのか? ----その謎に迫るため、アメリカ南西部を旅し、ロロマ と親交の深かった人たちを訪ね、彼の人生をたどってみた。
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目次 チャールズ・ロロマ物語・・・・神に見出された伝説のジュエラー チャールズ・ロロマという生き方・・・・ホピの魂を持ち、モダン・アメリカを駆け抜けた マーサ・ホプキンズ・ストルーバー・・・・ロロマを知る最後のディーラー 傑作ロロマ・カタログ・・・・巨匠の遺産 ロロマ作品の魅力 解説=小寺康友 チャールズ・ロロマの軌跡 名作デザインの素・・・・ロロマが作品のヒントにした、インディアン・カントリーの自然 ソンワイが語るロロマ・・・・カリスマの遺伝子を継ぐ
ターコイズ鉱山探訪レポート・・・・ローンマウンテン鉱山 キングマン鉱山 ポスト・ロロマ時代のインディアン・ジュエラーたち ミリセント・ロジャーズ・ミュージアム コレクション・・・・砂漠に眠る、珠玉のジュエリー ミリセント・ロジャーズ物語・・・・インディアン・アートに光を当てた美貌のコレクター すべての始まりは、シルバースミス(銀細工職人)だった 世界最大級のターコイズ・ミュージアム・・・・ブルーストーンの標本箱 平原部族スーのジュエリー・・・・もうひとつのインディアン・ジュエリー物語
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