Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)




ブラジル・テレナ・・・マルコス・テレナの言葉

「先住民族 - 地球環境の危機を語る」

インター・プレス・サービス編 清水和久訳 明石書店 より引用


ヨーロッパ人たちが新しい征服地を求めて出発する以前から、先住民族は大地が

母親の乳房のような存在であること、人は大地から生まれ大地に養われそして大地

で死ぬと信じていた。人間と環境と宇宙が完全な輪を形づくっていると考えていた。

そしてこうした考え方にもとづいて、時代時代を解釈してきた。先住民族は自然の偉

大さを理解していた。「文明人」には決して理解できない生命の信号を、肉体・精神

両方の面で記憶することができる。先住民族はこうした理解と理解力の両方を親か

ら子へと何代も伝えてきた。しかし新しい文明が入ってきて私たちの生活様式を無

理やり変えた。新しい衣服をまとうこと、新しい食習慣に変えること、新しい宗教を

信じることを強いた。やがてわれわれは、新しい文明が内部に亀裂を抱えているこ

とに気づいた。この文明が自然と共に生きる人間、その精神、その魂の構造その

ものを排除する文明だったからである。白人の文明はわれわれに無縁だった商業

的・経済的・社会的価値を押しつけた。たとえば、貧富や富の大小などというもの

は、われわれにはそもそも無縁だったのである。これもあとになって気づいたことな

のだが、白人の文明がわれわれに押しつけた価値はまやかしで卑しいものだった。

なぜなら、その結果として生まれたのが社会的な悲惨と堕落だったからである。わ

れわれに押しつけられた開発とは、多数者を犠牲にして少数者が得をするというも

のだったからだ。美しい大都市も、一皮むけば、巨大な工業が吐き出す有毒ガスで

空気は汚れ、呼吸できないという状態である。そしてこの状態はますますひどくなっ

ている。有毒廃棄物が河川と海を汚し、人間、鳥、けものの飲む水がなくなってい

る。ブラジル一豊かな州にあるブラジル一の汚染都市を訪ねたときのことを思いだ

す。昼間なのに空はまるで夜のように暗かった。火と煙が青い空をまだらに黒く染

めていた。開発はわれわれ先住民族の肉体や物質の面だけではなく、精神にも悪

影響を及ぼしている。われわれは物の世界と精神の世界のはざまにある狭い道を

何とか通っていこうといつも努力している。死の恐怖にさらされたときでも、われわれ

は非先住民族の人たちにこうしたわれわれの努力を伝えようとしてきた。彼らにも

役に立つと考えたからだ。彼らが一個の機械として生きることを減らし、もっとひとり

の人間として生きるようになるためには、われわれが保とうとしているバランスを回

復することが必要なのである。もうすでに手遅れであるが、そして、現代人に残され

ているものは彼の抱く幻想の砂漠のようなものでしかないのだが、とはいえ、彼は

どんな犠牲を払ってでも、バランスを回復する方法を発見しなければならないので

ある。言いかえよう。幸福をすべての者に分配するためにつくられた自然を再発見

することが必要なのである。緑の森を緑色のドル紙幣と交換するような、利潤の源

としての自然とは別の自然を再発見しなければならないのである。過去500年間

にわたって、「文明人」はわれわれの哲学を理解し尊重することを頑なに拒んでき

た。ときにはわれわれの哲学をすばらしいと思う人たちも出てきはした。しかし自

分の生き方として採りいれることはなかった。詩の材料や対象としての讃美だっ

た。われわれの哲学は現実的でない、空想的だと見なされるのがふつうだった。

われわれが唱えてきたことは生命そのものと同じである。つまり、はっきりしていて

子どもにも理解できるほど単純である。別の生き方があるという提案ではない。文

字どおり、すでにして生きた見本なのである。われわれの子孫が一生この真理を

忘れずに生き、そしてまた彼らの子孫に伝える、そういう生きた見本なのである。


 







夜明けの詩(厚木市からの光景)

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