2012年9月22日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
ニホンアマガエル(自宅にて撮影)
雨が降るとカエルが元気に鳴き出しますが、カエルは雨や湿ったところが好きだからと今まで
漠然と思っていました。
少し調べてみたら、カエルは肺呼吸と皮膚呼吸の両方をしており、乾燥した皮膚だと皮膚呼吸
が出来ないそうで、カエルの皮膚がいつも湿っているのはそのような意味があったんですね。
ところで昔の人は日照りが続くと「雨乞い」の儀式を行いましたが、雨の前兆を知らせるカエル
の存在を尊い天からの使いとと見ていた人も多かったのではと推察します。
話は昔に飛びますが、中国・殷の時代(紀元前17世紀から11世紀)では日照りが続くと巫女を
焼き殺す(焚殺)ことがあったようですが、儒教(孔子を始祖とする思考・信仰の体系)の「儒」は、
この焚殺される身分の人だったと言われています。そして「儒家」とは、雨乞いと人身御供の葬
式からお祭りまで含めた宗教的な行事を担当する伝統を持った階層だったようですが、詳しくは
わかりません。
同じ中国でも南部に住む先住民族は、春になるとカエルが彫られた銅鼓(どうこ)を激しく叩くそ
うです。その音が天地に響き渡り雨をもたらしてくれる、またこの儀式は多産を願っていると言
われています。
中国だけでなく、日本でも、そして世界でもカエルを天と地を結びつけるものとして神話や物語
に沢山登場しているのかも知れません。
アニミズムについて書かれた良書「木が人になり、人が木になる」岩田慶治著より以下抜粋
引用しますが、岩田さんは国立民族学博物館名誉教授の方です。
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カエルが水と陸をつなぎ、天と地をむすびつけるためのシンボルになっている。
そんなことは何事でもないじゃないかと思われるかもしれないが、天と地の仲が悪く、ことごと
に対立して調和がとれなければ、季節の運行に支障がでてくるし、農業と生活のリズムが狂っ
てしまう。
昔のひとは、白珪無?(はくけいむてん・白玉にキズひとつないありさま)といったが、それは
天地のあいだに割れ目がなく、宇宙にひび割れがないことをいったものだ。ひび割れのない
宇宙に住もうとすれば、必ずや、人間も争いをやめるだろう。
☆☆☆☆
(K.K)
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