「ハイワサのちいさかったころ」

ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー文 エロール・ル・カイン絵 

白石かずこ訳 ほるぷ出版より引用

1985年 ケイト・グリーナウェイ賞












エロール・ル・カインの独創的で大胆な絵は他の絵本などで接してきたが、

この「ハイワサのちいさかったころ」でもその際立った感性を見ることがで

きたのは喜びだった。実在したハイアワサをロングフェローは叙情詩として

完成させたが、この詩を参考に、エロール・ル・カインは一つ一つの絵の中

に見事にインディアンの世界観を描き出している。

(K.K)







ハイワサ坊やの ちいちゃった頃 月の娘 ノコミスおばあさんにきいた話は

こわかった 美しかった ふしぎだった テントの小屋で眠っていた夢の中にも

インディアン ハイワサ坊やは みたのだ 火の髪たばねたホーキ星 その中

で踊っていた戦士のスピリットたち 冬の凍りつく夜の幽霊や影たち 耳をすま

すと水の唄 松のささやく音楽きこえ ホタルとランプあそびしたことや のぼる

月や虹をみた日のこと みんなおぼえている そしてフクロウや鳥たち けもの

たち みんなからコトバをおぼえ ふしぎなヒミツをならい 大きくなっていった

のだが ロングフェローの詩の才能と インディアン神話の美しいふしぎをここ

まで画で表現できたエロール・ル・カイン おふたりに天にとどく敬愛の虹の花

束を贈りたい そして読者の胸のランプにハイワサの想い出を。

白石かずこ 本書「訳者あとがき」より引用


ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー( Henry Wadswarth Longfellow 1807-82)

アメリカ・ポートランド生まれ。19世紀アメリカで絶大な人気を得た詩人。語学に

優れていて、ハーバード大学の教授も務め、ダンテの“神曲”の翻訳という大きな

仕事も成しとげました。穏やかな理想主義にあふれた詩でアメリカ精神をうたい

あげ、詩集に「夜の声」「エヴァンジェリン」などがあります。


エロール・ル・カイン( Errol le Cain )は、1941年シンガポール生まれ、少年時代、

インド、日本、香港、サイゴンなどを転々としました。10代半ば、広告会社で作った

アニメーションが認められて以来、才気あふれる作品を生みつづけました。絵本で

は「いばらひめ」がグリーナウェイ賞の候補作となり、本書で1985年グリーナウェイ

賞を受賞。作品に、「雪の女王」「美女と野獣」「フォックスとおくさまのむこえらび」

「キャッツーボス猫グロウルタイガー 絶体絶命」「1993年のクリスマス」などがあり

ますが、1989年惜しくも48才で亡くなりました。


白石かずこ(しらいし かずこ) カナダ・ヴァンクーバー生まれ。詩人。詩集「聖なる

淫者の季節」「一艘のカヌー、未来へ戻る」「砂族」をはじめ、エッセイ、短編、翻訳

など著書多数。絵本の翻訳も「空がレースにみえるとき」「窓の下で」など多数あり、

詩人としての豊かな感性と表現力で好評をえています。







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