『「予言」のゆくえ』

エヴァ・ブックス サンマーク出版より







2012年2月3日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



「人間が好き」アマゾン先住民からの伝言
写真・文 長倉洋海 福音館書店



私が大事にしているこの写真集の題は「人間が好き」である。

しかし私は人間に少し関心はあっても、「人間が好き」とは言えない。それは恐らく他人をではなく、

自分自身を信頼していないからなのだと思う。昔、同級生の女性が「私はとっても人間に関心が

ある」と言ったのを聞いて衝撃を受けたことがある。まるで別の次元に生きているのではないかと

思うほど、その女性の内面の深さ・美しさに愕然とし、その対極にいる自分を恥じていた。



☆☆☆☆



本書より引用



○楽しく踊り、歌い、幸せになるために、わたしたちは生きている。



○わたしたちには、”愛”にあたる言葉はありません。”好き”だけです。



○人間は鳥のように 静かに地球を 通りすぎていくことができます

どうして 自分の足跡を記念碑などの形にして 残そうとするのでしょう

人間をふくむ宇宙そのものが すばらしく 偉大な創造物なのに



☆☆☆☆



アマゾン先住民のリーダーで、祖先から受け継いだ森を守り伝統を受け継ぎながら経済的自立を

果たすべく、各地の特性を活かした自立のプロジェクトを推進しているアユトン・クレナックの言葉



○我々の言葉で、「生きる」ことは「呼吸」と同じです。宇宙の全ては呼吸しています。ですから、命を

授かった時点から地球のサイクルに入り、宇宙の全てと呼吸を共有しているのです。生命を授かった

ことに責任を持ち、自らを啓蒙しながら自分の道を歩まねばなりません。それこそが地球を通過して

いる本来の意味なのです。私たちクレナック族の伝説の中では、命が絶たれたあと、我々は宇宙

全体の命を支えている全宇宙的なパワーの一部となるのです。一個の生が個人的体験を超えて、

全宇宙的に広がっていくのです。それは一つの「希望」です。「死」に恐れを感じる必要はないのです。



☆☆☆☆



名を知られていないアマゾン先住民の言葉



○旅は私にとって自己を知り、自分の成長を目指す手段です。旅は人生の教訓であり、学校なの

です。すばらしい人とは、良い歌をつくり、歌える人。感情豊かにユーモアと恥じらいをもち、母の

愛情を表現できて、孤独な子どもといっしょに泣くことができる人。



☆☆☆☆



(K.K)



 




本書「予言」とは何か? 高橋徹 より引用


一般に予言と呼ばれているものは、現代の日本人にとって主要な関心ごととはなっていない。

そのことは、テレビや新聞などのマスメディアを見ればわかるだろう。「予言」であれ「預言」で

あれ、非科学的な内容の事柄を指すことが多いため、まじめな議論の対象となっていないの

だ。メディアがそれらの言葉を取り上げれば、たいていの場合、それはあまり良識的ではない、

特殊なオカルト(あるいはカルト)の用語だとみなされてします。



この傾向は、95年に起こった「オウム真理教」の一連の事件によって、より一層強まった。世

間全般が怪しげな宗教やカルトの活動に対して、非常に過敏な反応をとるようになったのだ。

また「洗脳」や「マインドコントロール」という言葉が一般化し、それに対しての保身的な態度、

防御的な姿勢が強化されたといえるかもしれない。



したがって、「予言」についても、なにかしら「得体の知れないもの」、「君子危うきに近寄らず」

という傾向が顕著に現れているように思われる。



今や日本の社会で重要なのは、景気の回復に代表される経済活動の動向、そして国際紛争

や政治の不祥事だけなのだろうか? これ以外に新聞を飾るテーマは、スポーツと血生臭い

殺傷事件であり、人間の精神性や信仰の問題は常にわきによけられる。



したがって現代の日本の中で、予言の問題を大局的に見て、『予言とは何か」をまじめに語る

ことは、至難の技といわなければならない。しかし、裏を返せば、このような混沌とする社会情

勢や先行き不安な大衆心理があるからこそ、予言もまた必要とされているように思われる。



暗い世相の中で真に必要とされるのは、環境問題をはじめとして、現代に山積する問題を解

決するヴィジョンや、未来に向けて意欲的に生きる力を創出する新しい価値観である。近年、

「予言」に関する数々の書物が刊行され多くの読者をつかんでいることからも推測できるよう

に、その新しいヴィジョンや価値観がもたらしてくれる可能性を、人々が「予言」に期待してい

る一面もあるのではないだろうか? 社会不安が増し、目に見えるもの、金銭などの物質的

な価値しか信じられなくなってしまった現代だからこそ、それ以外の道が模索されなければ

ならない。そうでなければ、未来に対する希望はすべて失われてしまうだろう。



本来の予言あるいは預言とは、いたずらに不安や恐怖をあおりたてるためにあるのではな

く、〈地球上に生息する人類の文明や社会が全体としてどのような方向に向かっているのか〉、

また〈人類の進むべき道はこれでよいのか〉といった、経済や政治の論理だけでは推し測れ

ない、別な視点、別な方向性をもたらすために存在していたという。



人間の精神性や信仰との関連で、現代のさまざまな出来事、人類の情勢を包括的にとらえ

るための指針として予言をとらえなおすためにも、いま一度、予言(預言)とは何かを探りな

がら、その真意に迫ってみたいと思う。


 
 


目次

巻頭特別対談 嘉納昌吉(音楽家)X鎌田東二(宗教哲学者)
「予言」が伝える人間のあり方〜未来とつながる霊性の時代へ

1章 「予言」を探る

「予言」とな何か 高橋徹

地球に根ざす「予言」の樹 高橋徹

「予言」と日本〜人はなぜ「それ」を信じるのか 菊池聡

古今東西、当たった予言・当たらなかった予言 志水一夫



2章 「予言」を超える

「予言」と時間@ 共時性と易経に流れる生きた時間とは? 平野勝巳

「予言」と時間A 量子物理学が解く未来の世界

なぜ今2012年が話題なのか 北川隆三郎

2012年の時を刻むマヤの暦と予言

シャーマニズム研究家 テレンス・マッケナの波状型時間論に迫る

母なる大地に培われた先住民の英知に触れる

アメリカ・インディアンたちの生き方とゴースト・ダンス

地球を踏みしめる祈り 北山耕平

アマゾンのインディオに学ぶ

フォトジャーナリスト長倉洋海インタビュー 中村数子



3章 予言から未来へ

予言をめぐる大騒動

星たちのヴィジョンと新しい神話 高橋徹

ニューチャイルドたちが感じる未来 編集部

予言を深く知るためのブックガイド



現代の表現者が語る21世紀の予感
取材・文 土井千鶴&編集部

横尾忠則(画家) 危機的な20世紀を超え個の探求が始まる

藤沢周(小説家) 五感で感じるリアルさから新しい何かが生まれる

小林紀春(写真家) 人はお金より大切な心の充足感を求め始める

塚本晋也(映画監督) 未来にはテクノロジーと自然が都市で共存する

タナカノリユキ(美術家) 固定概念の枠を崩して「私は」で語る時代がくる

鄭義信(脚本家) 表現するには期待すべき混沌とした当たらし時代








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