Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)
魔法のことば(エスキモー族)
ずっと、ずっと大昔 人と動物がともにこの世に住んでいたとき なりたいと思えば人が動物になれたし 動物が人にもなれた。 だから時には人だったり、時には動物だったり、 互に区別はなかったのだ。 そしてみんながおなじことばをしゃべっていた。 その時ことばは、みな魔法のことばで、 人の頭は、不思議な力をもっていた。 ぐうぜん口について出たことばが 不思議な結果をおこすことがあった。 ことばは急に生命をもちだし 人が望んだことがほんとにおこった--- したいことを、ただ口に出して言えばよかった。 なぜそんなことができたのか だれにも説明できなかった。 世界はただ、そういうふうになっていたのだ。
「おれは歌だおれはここを歩く」 アメリカ・インディアンの詩 金関寿夫 訳 秋野亥左牟 絵 福音館書店より引用
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