ホピの少女ナタリー(10歳)の言葉 1975年
「子どもの神秘生活」生と死・神・宇宙をめぐる証言より引用
空がわたしたちのことを見ていて、わたしたちの言うことを聞いてくれる。
空はわたしたちに話しかける。そしてわたしたちの返事を待っているの。
空には白人の神様が住んでいるって先生が言っていた。あなたたちの神
様はどこに住んでいるのでしょうって先生が聞くから、わたしは知りません
って答えた。だって本当に知らないんだもの! わたしたちの神様は空。
だから空のあるところには必ずいる。太陽も月もわたしたちの神様。それ
にホピ族の人たちも。わたしたちはここに住んでいなければならないの。
ここからはなれたら、神様もきえてしまうから。(中略) でも、白人はわた
したちの言うことに耳をかさない、自分たちの言うことしか耳に入らないっ
て、四六時中白人とつきあっているお父さんが言ってた(父親はトラックの
運転手であった)。おばあちゃんはね、白人は空をせいふくしようとしてい
るけど、わたしたちは空に祈りをささげるために生きているって。せいふく
しようとする人に話してもむだだから、白人の分もいのるしかないって。
だからわたしたちはただニヤニヤして白人に《イエス》ばかり言うのよ。
そしてあの人たちのためにいのるだけ」
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ブラッキー(少女の愛犬)と散歩していたとき、空にけむりのすじを見たの。
ひこうき雲。いったいだれがのっているのかなって思った。わたし、ひこう場に
行ったことないんだ。学校で写真は見せてもらったことはあるけど。ブラッキー
と二人でひこうきにのっているところをそうぞうした、太陽にむかってどんどん
とぶところをね! そんなことしたらひこうきがとけちゃうって知っているよ。
太陽に近づくと、なんだってとけちゃうって学校で習ったもの。でもたましいま
ではとかせないよ! わたしたちはお日様やお星様に手をふるんだ。光を
おくってありがとうって。ずっとずっと前のおくりものを、いまわたしたちがうけ
とっているんだよね。わたしって空想するのがとくいなんだ! ホピ族のご
先祖様たちに会って、先のことを話したい。みんながまたいっしょになれる
ときのことを。川には水がたっぷり流れていて、お日様が地球のさむいとこ
ろをあたためて、すっごくあついところは少しのあいだあまりてりつけないよう
にする。そして世界の人が大きな輪にすわる。みんな、きょうだいってわけ!
そのとき世界中の霊が出てきておどりくるう。星もお日様も月もよ。鳥たちも
地面にまい下りておどる。人間たちがそこらじゅうでおどったり、またすわって
輪をつくったり。輪はすっごく大きいから、メサの上に立って地平線のほうを
見ても、どこまでつづいているかわからない。でもみんなうれしそう。けんか
なんかしない。けんかするのは、まいごになって、先祖のことをわすれて、
わることをしでかすから。いつか、みんなが大きい輪になって手をつなげる
ときがくる。ホピ族だけじゃなくて、みんなよ。そうなったらほんとうに《いい》
んだよね。先生が良いこと、良いものの例をあげなさいって言ったことがあ
るの。ブラッキーはいいよ。だってだれもきずつけないもん。この世界もみん
なが大きな輪をつくれるようになったらいいね。ぐるぐる回りながら、世界中
の人がその輪に入ってきたらさ」
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