Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)
1997.5.18
花も君を見ている
デニスバンクス
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「風の知恵」という本の中に次のような一節がある。
黒田「ぼくはある時、デニスさんがじっと花を見ているのを見て、一体何を 考えているのかと尋ねました。その時デニスさんは”花も自分を見ている” と言われた。それがすごい新鮮な感覚だったんですね。それを色々な人にも 話しました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ デニス「私が大自然の中で”自分”という存在を理解できるのは、子供の時 から、祖父に”花や木を兄弟だと思いなさい”と言われて育ったからなんで す。だから、自然とのつながりを素直に理解できるんじゃないかな。日本で は自然が切り捨てられているとさっきクロダは言ったけど、日本人よりもネ イティブ・アメリカンの方が、母なる大地の上では自分が些細な存在である ということを認識できているのでしょう。・・・・・・・・・・・・・・
「風の知恵」黒田征太郎/デニス・バンクス 著 毎日新聞社より
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私はこの言葉の中に、アメリカ・インディアンの人達が持つ視点が凝縮されている ように思う。同じ大地に生きるものという視点。そしてこれは現実の生活の中から 心に根をおろしたものであるということを。私たちは自然界との間に無意識のうち に「鉄のカーテン」を造ってしまった。私たち文明人と呼ばれる人々は、何故そこ に花があり、なんの目的で在るのかを思弁的な方法でしか、接近することができ ない。「共に母なる大地に立つもの」という鏡なくして、私たちはその存在を曇り なく見ることが出来ないのかも知れない。
デニス・バンクスの言葉をお読み下さればと思います。 また、 「死ぬには良い日だ オジブエ族の戦士と奇跡」デニス・バンクス リチャード・アードス著 を参照してくださればと思います。
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