「グランドキャニオン」CD-ROM

地球誕生の記憶を伝承する大地

 写真 David Muench/Marc Muench 音楽 Sound Designers Union . SynForest 


アメリカ・インディアン最古の部族として、また「ホピの予言」として知られ

るホピ族や周辺諸部族の人々が、人類生誕の聖地・地球の中心として敬っ

ている聖地グランドキャニオンを定期的に巡礼していた。このグランドキャ

ニオンの神々しさを見事に表現している写真集であり、神々の存在を感じ

させてやまないものだが、この写真家たちの視点の高貴さ感受性の深さも

特筆すべきものであると思う。・・・・・・・・・・・・・・・・・

(K.K)







世界の第四周期にまつわるホピの物語は、遠い古代の地底生活に始まる。それは霊たち

の住む、謎めいた闇の世界だ。創造主は、この場所には住まないが、住人にはつねに接触

をし、その監督を霊神に任せている。現世界に生きている人間の霊は、第三周期で神を信

じた者たちである。不信者の霊が死後どこへ行ったかは語られていない。ときとともに、全

員ではないが、多くの霊が選択の自由を使い、物質主義と快楽の道を歩んだ。発想力に富

む下界の住人は、現代人が熱を上げている快楽のいくつかをつくりだし、その最たるものを

今もつくりだしている。こうすることによって、彼らは創造主とその霊の協力者たちに背を向

け、堕落したこの世的な生を生きている。だが、他の人霊は、彼らのあいだに住まうカチナ

霊とともに、この種の行為をひどく悲しみ、快楽に入れ込む霊たちから離れたいと思い、脱

出の道を求めた。誰かが地表を歩く音が聞こえてきた。彼らは、歩く者に興味をそそられ、

その正体を探らせるべく、鳥を三羽放った。大地の守護者、マサウが歩いているのを三番

目の鳥が見つけた。鳥はマサウに話しかけ、地底の住民が地上に上がる許可を願い、許

された。一行は幾度か失敗を重ねるが、ついに一本の大きなアシの内側を登るのに成功

し、地表に「出現」した。脱出口は「シパプ」と呼ばれて、今もグランドキャニオンの川床に

存在する。この歴史的瞬間の日付は記録にはないが、大昔のことである。


「ホピ 神との契約」 この惑星を救うテククワ・イカチという生き方

トーマス・E・マイルス+ホピ最長老 ダン・エヴェヘマ著より引用





デス・バレーの風景は筆舌に尽くしがたかった。しかし、グランド・キャニオンの中で一ヶ月

過ごしたが、これほど巨大でこれほど無限に変化する場所が存在するなんて、どうしても

信じることができなかった。けもの道を辿っていけば、峡谷のアルプスのような縁から砂漠

のように乾いた谷の底まで、トラッキングのすべてをそこで学ぶことができた。峡谷は私を

魅了した。日没には必ず腰を下ろし、消えていく太陽によって谷の壁がとてもありえない

色に変化するようすをながめたものだった。コロラド川を泳ぎ、馬やラバで川岸を移動し

た。どんな動物が川岸を通るか観察し、すべての岩や藪を探索した。私はすべての瞬間

を楽しんでいた。峡谷はまるでタイム・マシーンのようだった。一歩進むごとに、地球の

歴史を遡っていくようだったのだ。峡谷の底に辿り着いたときには、何億年も前の時代

にいるような気がした。すべての地層を採掘して、峡谷の情報を集めた。また、荷物の

輸送に使われていた道を登ったり下ったりしながら、どの地層でも足跡を入念に調べ、

高度によって変化する暑さや湿度が足跡にどんな違いをもたらすのかを観察した。たく

さんの観光客を乗せた最初のラバの行列が戻り始めるのを待ち、それからラバの足跡

を読んで、どんなラバがどの足跡をつけたか記録した。そして、ラバの行列を追いかけ

て自分の記述が正しかったか確認したのだった。それぞれ足跡のつき方は千差万別

で、どの人がラバに乗っていたのかも簡単に想像することができた。ある夜、峡谷の

上のほうでコヨーテが吠える声を聞いたので、コヨーテの足跡か頭蓋骨があることを

祈りながら、翌日、川の上流を探索した。そしてコヨーテの代わりに、インディアンの

ある部族に出くわした。実際には二つの異なる部族が暮らしていたが、彼らの名前

は一つしか存在しなかった。一つの部族は観光客から得る収入で暮らしていたため、

峡谷の入口に住んでいた。もう一つの部族は古老のメディスン・マンで構成され、峡谷

で野営し古来の道を守り続けていた。私は最年長のメディスン・マンを訪ね、ストーキン

グ・ウルフにお願いしたように、彼の話をしてほしいと頼み込んだ。私は彼と二日間を

共にし、彼がグランド・キャニオンの歴史やその秘密を語るのに耳を傾けた。彼は百

歳を迎えようとしていたが、部族の若い人々より私との間に多くの共通点があった。

ある意味、私はメディスン・マンと同じような方法で育てられた。私たちは会った瞬間

から固い友情で結ばれたのだった。彼は私がストーキング・ウルフのようなインディ

アンの徒弟だったことを悟ったに違いない。だからこそ、すぐに私を受け入れ、トラッ

キングの技術や峡谷に息づくすべてのものに生ける精霊について、その多くを教え

てくれたのだと思う。私たちは同じ伝統を受け継ぎ、同じように自然を破壊する人々

を嫌っていた。彼の部族と永遠に暮らしたいと思ったが、私には自分に誓った約束

があり、果たすべき義務があった。夏が終わりを告げる頃、私はその年の旅の最

後に予定していた訪問地に行くべく、さらに西に向かった。


「トラッカー」インディアンのサバイバル術

トム・ブラウン・ジュニア著 斎藤宗美訳 徳間書店より引用








「グランド・キャニオン」DVD

製作 Kieth Merrill

アメリカ合衆国アリゾナ州北部のコロラド高原をコロラド川を侵食して形成した大渓谷。

100万年を要したと考えられる浸食作用によって側壁の鮮やかな色彩、侵食に抵抗し

て残る弧峰の雄大な姿を、激流を命がけで下るボートからの映像とヘリコプターからの

迫力映像で構成。・・・・同パンフレットより引用。


このビデオの映像は上のCD-ROMとは全く関係がありません。グランド・キャニオン

を川や空から撮影したものですが、インディアンのことも簡単に紹介されておりま

す。ただ登場するインディアン像が死に絶えた人々というイメージに終始してしまっ

ているのはとても残念なことです。これは1984年に創られたものですが、同じ製

作者によってその後に公開された「ザイオン・キャニオン 神々の宝」(1992年製

作)はそのイメージを払拭した傑作映像で、私にとっていつまでも心に刻まれ続け

続けるであろう作品のひとつかも知れません。




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