「ホピ 精霊たちの台地」
アメリカ・インディアンからのメッセージ
青木やよひ 著 PHP研究所 より引用
ホピ族の人々と長年にわたる交流をしてきた著者が語るホピ族の人々の生き方。 2008年6月12日 (K.K)
創造主がマサウを通して語った預言と教示をまとめた「テククワ・イカチ」 ドキュメンタリー映画「ホピの予言・人類滅亡・核時代の最終予言」を参照されたし
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本書 あとがき 1993年5月 青木やよひ より引用。
ホピとは、北アメリカ先住民として、およそ千数百年来、南西部の北アリゾナ地方に定住し てきた一小部族である。壮大きわまりない地平にそそり立つ荒涼たる台地の上で、人知の かぎりをつくして、平和な暮らしをいとなみつづけてきた人々である。その名は、近隣の諸 部族が彼らを、「平和な人々」あるいは「善良な人々」とよんだことに由来している。数百年 以前から不便な岩盤台地(メサ)に村落を移したのも、他部族と戦わずに身を守るための知 恵であった。そのメサの上に住む家族と親交を結んでから、二十年以上がすぎた。彼らの 生き方を通して、またそれを支えてきた宇宙観を象徴する祭祀に触れることによって、さらに は長老たちが語る「聖なる石版の予言」や芸術家が吐露する霊感の源泉に聴き入ることに よって、私の世界観は根底から震撼させられた。私はこの本に、自分があの台地の上で 体験し、感じたことを、その荒廃の様相までもありのままに書きとめた。自分の眼をレンズと して心のフィルムに写ったありさまを、注釈や解説などの夾雑物をまじえずに、できるかぎり そのまま再現しようとつとめた。読者のみなさんに、彼らが言うところの「ホピ・ウェイ」を、知っ ていただくよりも、むしろ感じていただきたかったからである。じっさいあのような世界は、既 成の概念言語では説明も分析もおそらく不可能であるにちがいない。ベートーヴェンではな いが、「心から出て、心にいたらんことを」願うことしか、私には方法がない。私たちは1971 年をはじめとして、75年、84年の三回、台地の村々を訪ねた。一回目は拙著「ホピの国へ」 に粗描され、二回目と三回目は同行者の北沢方邦によって、「ホピの太陽」と「蛇と太陽と コロンブス」として発表している。ホピについての文明論的・文化人類学的見地については、 とくに後者をおすすめしたい。私自身も、これらの本に負うところが大きい。なお、現地から の便りによると、最近日本人のツアー客がしばしばホピを訪れているという。「平和の民」 から何かを学ぼうという熱意の表われかと思うが、旅行の際には、かの地が私たちには 想像もつかない複雑なルールによって成り立っている異文化社会であることに、細心の 注意をお願いしたい。本書に登場されている方々の家を突然訪れたり、集団で押しかけた り、あるいは写真撮影をしたりして、かつて白人がおかした無礼を、わが同胞がくり返すこ とがないようにと、衷心から願っている。
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目次 プロローグ はじめてのインディアン居住地に入る 砂漠の落日 失われた楽園の主人公 「平和な人々」ホピからの手紙
T メサに生きる人々 夕餉の情景 台地の暮らし 食事をめぐる悪しき近代化 ジュディスの学校 トウモロコシ畑の謎 キヴァの秘密 祭りの日 道化劇の教訓
U 出会いの夏 九年目の夏 廃屋を宿として 祭りと日常のはざまで ナミンハ家再訪 なにがホピを荒廃させるのか 不思議な人・ナカノさんの出現 自分をさがす旅人たち ホピの生活儀礼とメディシン・マンのはなし
V ホピ・ドリーム 天上の村・ワルピでの夏至祭 祭りのあとさき 「ホピの予言」の石版 「平和の政治学」と女性の役割 胸に迫る“滅亡の予言” 猛毒の蛇を咥えた異彩の踊り 衝撃のサン・ダンス
W 砂漠の芸術家 幸運な出会い インディアン・アートの現代性 はだしの芸術家・チャールズ・ロロマ 伝統と現代との統合 自由人の面目 大地とともにある芸術 日本人へのメッセージ
エピローグ あとがき
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