「双眼鏡で星空ウォッチング」
村山定男 監修 白尾元理 著
丸善株式会社より
双眼鏡の仕組みや使い方、そしてどのように選んだらいいのかを詳しく解説し、
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なぜ双眼鏡が天体観測に適しているか 本書より引用
星空を眺めるというと思いつくのが天体望遠鏡です。ところが、実際に望遠鏡を 使ってみると上下さかさまの倒立像で、数十から数百倍という高倍率のために、 月のような天体でさえ、なかなか望遠鏡の視野に入れられません。私も最初に 望遠鏡を購入したとき、月を視野に入れるだけで30分もかかってしまいました。 せっかく視野に入った月も、日周運動が倍率の分だけ拡大されるため1分たら ずで視野から逃げてしまい、すっかり見る気をなくしてしまいました。双眼鏡が 星空をながめるのに役立つということはあまり知られていませんが、双眼鏡は正 立像がえられる小型双眼望遠鏡といえます。双眼鏡には、小型、軽量、低価格 で、使い方が簡単という特徴があります。天体望遠鏡では、接眼鏡などの付属 品、重い架台、三脚などがあって初めてその性能がいかされます。最近は写真 撮影向きにガッシリと作られている天体望遠鏡が多く、小型望遠鏡でも20kgを こえるのが普通です。最初は意気込んで出し入れしていたのが、だんだん面倒 になってやがて物置の奥で忘れ去られてしまうという運命をたどる望遠鏡が少な くありません。双眼鏡は倍率が低いという欠点があるものの、本体だけで気楽に 星空が楽しめるのが魅力です。双眼鏡は、たくさんの光を集めることによって 肉眼よりも暗い天体を見ることができます。肉眼では6等星までしか見えません が、口径42mmの双眼鏡では9等星まで、肉眼にくらべて10倍の細部を見る ことができます。ベテランの天文ファンというと大きな天体望遠鏡を想像してし まいますが、彼らのそばには必ずといっていいほど双眼鏡があることは意外と 知られていないことです。
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目次 1章 双眼鏡を使う なぜ双眼鏡が天体観測に適しているか 双眼鏡の種類 双眼鏡の性能 双眼鏡でどんな天体が見えるか 双眼鏡の使い方 手ブレを防ぐ
2章 太陽系の天体をみる 同一倍率で見た月と惑星 月 太陽 日食 月食 水星 金星 木星 天王星 小惑星 海王星 惑星食 彗星 暗い天体の見方
3章 星雲・星団をたずねる 星雲・星団の種類 解説の読み方 春の星雲・星団 M81・M82(おおぐま座) M44プレセベ(かに座) M65・M66(しし座) Mel.111(かみのけ座) M3(りょうけん座) ω星団(ケンタウルス座) M5(へび座) M10・M12(へびつかい座) 夏の星雲・星団 M13(ヘルクレス座) M4・M80(さそり座) M6・M7(さそり座) M22(いて座) M8・M20・M21・M23(いて座) M16わし星雲(へび座) M17オメガ星雲・M25(いて座) M11(たて座) M57環状星雲(こと座) M55(いて座) NGC7000北アメリカ星雲(はくちょう座) M27あれい状星雲(こぎつね座)・M71(やぎ座) 秋の星雲・星団 M15(ペガスス座) M2(みずがめ座) M33(さんかく座) M31アンドロメダ大星雲(アンドロメダ座) ペルセウス二重星団(ペルセウス座) NGC7293(みずがめ座) NGC253(ちょうこくしつ座) NGC55(ちょうこくしつ座) 冬の星雲・星団 M45プレアデス星団(おうし座) Mel.25ヒヤデス星団(おうし座) M36・M37・M38(ぎょしゃ座) M35(ふたご座) M1かに星雲(おうし座) M41(おおいぬ座) M42・M43オリオン大星雲(オリオン座) M46・M47(とも座)
4章 南天の星雲・星団をみる 南天の星ぼし NGC6752(くじゃく座) NGC6067・NGC6087・NGC6025(じょうぎ座) 大マゼラン星雲・NGC2070タランチュラ星雲(かじき座) 小マゼラン星雲・NGC104・NGC362(きょしちょう座) みなみじゅじ・NGC4755宝石箱・石炭袋(みなみじゅうじ座) NGCエータ カリーナ星雲・NGC3532・IC2602(りゅうこつ座)
5章 双眼鏡を選ぶ カタログデータの読み方(ひとみ径 アイリリーフ コーティング 内面反射 光学系の着色 光軸の平行度と像の倒れ 防水性) クラス別双眼鏡の特徴(口径20〜25mm、6〜10倍 口径35mm〜42mm、7〜10倍 口径50mm、7〜10倍 口径70mm、10〜16倍 口径80mm、11倍) 双眼鏡の選び方(どこで買うか) チェックの方法(操作性 光学系のケラレと内部反射 コーティングの良否 ピントは合うか 解像力 コントラスト 像の歪曲) 推薦双眼鏡ベスト16 あれば便利な道具
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