「星の文化史辞典」天文学(てんぶんがく)への招待
出雲晶子 著 白水社
世界的に見ても大変貴重な文献になるのだと思う。星に関する世界各地の神話・伝説・伝承を
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本書 「まえがき」より抜粋引用 太陽や月、星などの天体にまつわる神話・伝説は、世界各地に数多く存在する。天体が出てくる物語は
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白水社 : 書籍詳細|星の文化史事典 より以下引用 「てん☆ぶんがく」への招待 星好きは大変である。観測は気象条件に大きく左右される。春先はまだ朝晩は寒いし、曇りや雨なら天体 は厚い雲の彼方で何も見えない……。でも、天空の味わい方はそれだけではない。天文学がある。ここで は「てんぶんがく」と読んでみよう。世界各地の星に関わる伝承や物語のこと。たとえば、春の夜空に輝く 「春の大三角」のひとつ、うしかい座にはどのような話が伝わっているのか。ギリシアで誕生した最も古い星 座のひとつで、「鋤や牛を使って畑を耕す人」の意味をもつという。また、葡萄の収穫時期を知るのに用い られたという言い伝えも残されている。日本では、うしかい座の主星アルクトゥールスを、麦が実る頃に見え るので麦星、鯛がよくとれる時期に見えるので魚島星などとも呼ぶ。 ひとつの星や星座にもさまざまな云われがあり、地域によって何が大切にされているかがわかる。いわゆ る八十八星座はあくまでも西洋の想像力の産物。日本だけでなく、インドや中国、南北アメリカなど、天空 への見方は一様ではない。星や星座のほか、月や太陽、流れ星や天の川に対して、私たち人類はどんな 物語を紡いできたのか。ジャンルの垣根を越えた約1700項目収録。図版多数掲載。索引も充実。雨の日 も心おきなく星の世界を満喫できる一冊。 【太陽と月の話】 ペルーの民話。太陽と月は夫婦で、昔はいっしょに輝いていた。ある時、月が人間の悪い行ないに腹を立 て人間を滅ぼそうとした。太陽はそれを止めて、「暗ければ人間も見えないから腹も立たないだろう」と月を 夜側に送り、月は夜に輝くようになった。 出雲 晶子(いずも あきこ) 1962年東京都田無市(現・西東京市)生まれ。神奈川県茅ヶ崎市で育ち、東京学芸大学教育学部理科地学 科卒業後、(財)横浜市青少年科学普及協会(当時)に就職、横浜こども科学館のプラネタリウム、広報を 担当した後、2004年から科学工作教室を受け持つ。2008年に退職。現在はフリーで活動。おもな著書は 『小学館の図鑑NEO 星・星座』(小学館)、『あの星はなにに見える?』(〈地球のカタチ〉シリーズ、白水社)、 『ビジュアルディクショナリー 宇宙』(同朋舎、監修)、『星座を見つける』(学習研究社)など。 |
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