「メシエ天体 ビジュアルガイド」 中西昭雄・著 誠文堂新光社
本書で紹介されているメシエ天体の写真の多くは、同じスケールで撮影されており、 天体の大きの比較など重宝するに違いない。また、それぞれの天体の情報・見つけ方、 観察のポイント・撮影アドバイスが書かれており、実際の観測においても有益な情報が 書かれている。 写真も美しいものばかりだし、初心者から上級者まで幅広く読まれていくであろう文献 の一つであると思う。 (K.K) |
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本書 メシエ天体とは より引用 メシエ天体とは、夜空にありながら普通の恒星とは違い、星の大集団であったり、星が生まれてくる場所 だったり、星の最後の姿だったりします。小さな望遠鏡で観察すると、その多くの天体はぼんやりとした光の シミのように見えます。 時は18世紀、フランスの天文学者であり、彗星観測者であったシャルル・メシエは、能率よく彗星の観測を 行なうために、彗星と見間違えやすい天体をリストアップし、番号をふりました。こうしてできたのが最初の 星雲・星団カタログ『メシエカタログ』です。メシエカタログに登録されている天体をメシエ天体とよびます。 そしてメシエ天体には、シャルル・メシエ自身が発見したものもありますが、他の人が発見したものも多く 含まれています。またM45「プレヤデス星団」のように、とても見間違えないような個性的な天体も含まれ ています。シャルル・メシエは比較的小型の望遠鏡で星雲・星団を観測したので、メシエカタログに載って いる天体は、明るくて大きな星雲・星団・銀河ばかりが載っています。そのためメシエ天体は観察しやすい ものが多く、世界中の天文ファンに広く親しまれています。 星空や宇宙に興味を持ち始めると、天体望遠鏡で眺めてみたいと思う天体は、明るくて身近な月の クレーターや、環のある土星をはじめとする惑星、そして渦を巻いた銀河や、星の大集団である星団では ないでしょうか。このうち月や惑星は市街地からでも比較的口径の小さな望遠鏡でよく見えますが、星雲・ 星団・銀河は夜空の暗い観測地へ出かけて、口径の大きな望遠鏡を使わなければ綺麗に見ることが できません。ぜひとも天の川がはっきりと肉眼で見え、星が降るくらい綺麗に輝く観測地、この神秘的な 宇宙の姿をとらえてみてください。 本書は2008年から2014年にかけて7年間近く、天文雑誌「月間天文ガイド」に連載した「見たい撮りたい 今月のメシエ天体」をまとめたものです。星雲・星団の観測のお供として、あるいは天体撮影の事前計画 に、どうかお役立てください。とくに天体観察の初心者には、メシエ天体全制覇を目標にしてほしいと願って います。 |
(映し出されるまで時間がかかる場合があります)