Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)


インディアンと大型哺乳動物絶滅との関わり



2012年8月12日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



過ちと回心



回心すること、新しく生まれ変わること、その真の意味を私は本当に理解できているの

だろうか。



私たちは先住民に対して、太古の時代から自然と環境に調和する人々と捉えているが、

1万3000年前のアメリカ大陸では現代の私たちがしてきたことと同じように、乱獲などで

31属の大型草食動物が絶滅されたと言われている。



これはアメリカ先住民に限らず、オーストラリアのアボリジニ(最近の研究で明らかに

なりつつある)など世界各地に共通することかも知れない。



過去と現代、同じ過ちを犯していたとしても、彼ら先住民と私たち現代人の決定的な

違いは、過去から学んだ「知の遺産の継承」(国立科学博物館の海部陽介氏が提唱し

ている進化の仮説)、この場合は「回心の継承」とも言うべきものがあるかどうかなの

かも知れない。



先住民は、過去の過ちから学んだ教訓、それが回心となって魂に刻まれたが故に、

1万年以上も渡って世代から世代へと受け継がれてきたのではないだろうか。



私たち現代人は、動植物の絶滅と共に戦争など多くの悲劇を目の当たりにしてきた

が、果してそこから得られた、揺らぐことのない教訓が1万年先の人類にまで共有さ

れたものになっていくのだろうか。またそこに回心と呼べるものが存在しているのだ

ろうか。



ホモ・サピエンス(現生人類)は1万3000年前に一時陸続きになったベーリング海峡

を渡ってアメリカ大陸に来たとされているが、アメリカ先住民の多くはそれを否定し、

「自分たちは天地創造の時に亀の島(アメリカ大陸)に置かれた」と主張している。



ミトコンドリアなどの遺伝子解析から見れば在り得ないことだが、真に回心し、新しく

生まれ変わったことを体感した人ならば「今、私たちは生まれ変わり、そして今、私

たちはここに立つ」と言えるのだと思う。



この回心、それはシャーマニズムアニミズムとも関わってくるが、私自身はシャー

マニズム・アニミズムは1万3000年前より遥か太古の時代に生まれたと思っている

し、その背景にはネアンデルタール人などの旧人と言われた人の存在があったの

ではと感じている。細々と、しかし脈々と受け継がれてきた精神が1万3000年前に

多くの人々に共有され花開いたのかも知れない。



話はそれてしまったが、回心、1万3000年前の現生人類が体感したこと、それは私

が想像するより遥か高い次元での回心であったと感じてならないし、次の世代へ

継承させるために、私たちはこの回心の真の意味を心に感じることから始めなけ

ればいけないのかも知れない。



(K.K)



 




「人類がたどってきた道」“文化の多様化”の起源を探る

海部陽介・著 NHKブックス より抜粋引用



第9章 1万年前のフロンティア・・・・アメリカ 大絶滅の謎



「我々は、動物学的に言えば、極めて貧弱な時代に生きている」と、ダーウィンとともに生物進化

のメカニズム解明に貢献したウォーレスは述べている。現在のアメリカ大陸の動物相(ある地域

に生息している動物の種類)はアフリカに比べて貧弱だが、過去にはそうでなかった。クローヴィ

ス人たちは、現在でもいるバイソン、オジロジカ、トナカイ、イワヤギ、オオカミなどのほか、ゾウ

(マンモスとマストドン)、ウマ、ラクダ(キャメロプス)、検歯ネコ(スミロドンなど)、クマ(アークトドゥ

スなど)などがいる環境に暮らしていた。そして南アメリカにも、ゾウ(マストドン)、ウマなどのほか、

オオナマケモノ(ミロドンやメガテリウム)、巨大アルマジロ(グリプトドンなど)などがいた。ところ

が北アメリカでクローヴィス文化が終焉を迎えた1万3000年前、そして、中央・南アメリカでもおそ

らく同じころに、こうした大型哺乳動物たちが、姿を消してしまうのである(ただし一部の動物たち

は1万年前ごろまで生き残っていた)。北アメリカでは、実に31属の大型草食動物が絶滅したと

されている。



大絶滅の原因は何だったのであろうか。それを環境変動に求める考えでは、氷期から間氷期

への移行に伴って植生が大きく変化したことが、究極的な原因になったと考える。実際に、干ば

つが原因でマンモスが多数死んだらしい遺跡など、環境変動説と整合する状況証拠も見つかっ

ている。しかしこの説だけでは説明しきれない実態があるのも、認めざるをえない事実だ。長い

地球生命史の中では、過去にも環境変動による生物の大絶滅が何度かあった。しかし今回の

ものは、小型の哺乳類、爬虫類、両生類、魚類などがほとんど影響を被っていないという点で、

様子が違う。つまり絶滅は、選択的に起こったようなのである。しかも、環境変動が比較的小さ

かったはずの中央アメリカや南アメリカでも、絶滅は起きている。それにこうした氷期・間氷期の

気候変動は、過去に何度も起こっているものであり、これらの動物たちは、今まではそれを生き

ぬいてきているのだ。



アリゾナ大学のポール・マーティンは、1970年代に、アメリカ大陸における大絶滅の原因をホモ

・サピエンスに求める有名な仮説を発表した。それまで考古学者たちは、先史時代を通じて、

アメリカ先住民の人口は少しずつ増えてきたとイメージしていた。しかしマーティンはそうではな

かったと考えた。彼の考えでは、移住者たちは人間を恐れない動物たちをさしたる苦労なしに

狩り続け、結果として人口を爆発的に増加させたのだ。これだけではただの空想に過ぎないの

で、彼は理論的に自説が可能であるかどうかを、シュミレーションを行なって確かめようとした。

小さな集団からスタートさせた祖先たちが、動物たちを大量に狩り続け、かつテリトリーを急速

に広げていくには、拡散の前線でどんどん人口が増えていく必要がある。人口が増えないと、

一定量の狩りを行ないながらテリトリーを広げるという前提が破綻してしまうからだ。シュミレー

ションの結果、年間16キロメートルの前進速度と、1.4〜3.4%程度の人口増加率を想定しさえ

すれば、当初100人程度の小さな祖先集団でも、人口を増やしながら1000年ほどで南アメリカ

の南端にまで広がりうることが示された。



マーティンのモデルには、様々な批判がある。設定された人口増加率が高すぎるというものや、

人々が移動を続けている前線での人口は常にそれほど多くはなかったろうというものなどだ。

実際には遺跡証拠からは、最初のアメリカ人の集団が、人口密度の高い前線を保って南下し

たという証拠は得られていない。しかし先に述べたように、環境変動だけでは、やはり絶滅を

十分に説明しきれない。さらに第7章で触れたように、最近ではオーストラリアにおいても、大

型動物の大絶滅にホモ・サピエンスが関与していた可能性が高まっている。マーティンのモデ

ルの細かい点が妥当かどうかは別として、私たちの祖先が大絶滅の原因を作ったと認めるほ

うが、おそらく現実的なのだろう。新天地にいた逃げ出さない動物たちを相手に、祖先たちは

必要以上の狩りを行なったのではないだろうか。祖先たちが自然の恵みに限りがあることに

気づいたのは、おそらく私たち現代人の場合と同じで、得られるものがなくなってきてからだっ

たのかもしれない。


 



「私たちはどこから来たのか 人類700万年史」

NHKカルチャーラジオ・科学と人間 馬場悠男・著 より抜粋引用



厳寒のシベリアに住んだ人々は、1万5000年ほど前には、ベーリング陸橋(氷期のため海水面が下がり、

ベーリング海あたりにできた陸地)を通ってアメリカ先住民になった。そこには、広大な原野・草原と無尽蔵の

食肉資源があった。彼らは、警戒心のない動物を狩り、人口を増やしながら、わずか1000年ほどでアメリカ大陸

最南端にまで到達した。アメリカの古生物学者、ポール・マルティンは、この活動を戦争の「電撃戦」に喩えた。



サピエンスによって最後に開拓されたのは海洋である。対岸が見渡せるような狭い海なら、小舟や筏でも渡る

ことができる。しかし、はるかに離れた陸地を目指して航海して、もし見つからなければ戻ってくるという遠洋航海

のためには、大きな舟とナビゲーションの技術が必要である。およそ4500万年前の台湾や中国南部の人々は、

そのような技術を発達させながら、東南アジア島嶼部からオセアニアに拡がっていった。1500年前には、ハワイ

やイースター島にまで到達し、さらに南アメリカに行って、サツマイモの種芋を持ってニューギニアに戻った人々

もあった。1000年ほど前には、ニュージーランドや、はるか西のマダガスカルにまで到達した。





Portrait in Oil - Southwest Art Native American Indian Painting - CHIEF より引用







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