「時の輪」
古代メキシコのシャーマンたちの生と死と宇宙への思索
カルロス・カスタネダ著
北山耕平訳 太田出版 より引用
北山耕平さんのホームページ「Native Heart」
本書 訳者あとがきにかえて 北山耕平 より引用
最後に、この本、「時の輪」という本について書いておかなくてはならない。カルロス・ カスタネダが残した本は全部で十二冊ある。本書は、そのなかでは十一冊目にあたる ものだ。十二冊目の最後の「無限の本質」も先頃邦訳されたから、本書が出版される ことによって、カスタネダの本の日本語化はすべて完了したことになる。そしてカスタ ネダの全著作のなかで、最も重要なものが本書であることは間違いないだろう。この 「時の輪」は、単なるこれまでの本からの引用などではない。カスタネダとされる人物 が、生前にドン・ファン・マトゥスとされるひとりのシャーマンから学んだ教えを、その 言葉を中心にして再整理したものである。この意味では本書は、それ以外の十一冊 のすべてを合わせたこらいの、いやもしかしたらそれ以上の重みを持たされているも のなのである。もし一冊だけカスタネダの本を持って旅を続けるとしたら、わたしは迷 わずこの「時の輪」を選ぶだろう。そしておそらくはここに書かれてあるドン・ファンの 教えの直接の言葉以外は、すべてが「たわごと」にすぎないものなのかもしれない。 インディアンの人たちがそうしたたわごとの書かれた本をなんのために使うかは、一 連のシリーズを読まれた方にはすでにおわかりと思う。カスタネダは、彼が誰であれ、 ある意図を持ってこれらの言葉を選び、おそらくは最初にそれを聞いたときのままに 戻すことを試みたのだ。それぞれの本ではばらばらに配されていたような言葉が、本 書においてはひとつの脈絡ある連結をもたらされて提供されている。ひとりのシャーマン の教えの核心の部分の全体像が、それを聞いたとされる人物によってこのように再整理 されていたとは驚きではないか。ドン・ファンのシリーズを読んだ人間の多くが、この膨大 な記述のなかからドン・ファンその人の言葉だけを書き抜いてあればいいのにと考える。 実際にそれを試みた人たちもたくさんいる。そしてほんとうにそれができるのは、カスタ ネダ本人しかいなかったのである。彼は「時の輪」を残すべく残したのだ。
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目次 はじめに ドン・ファンの教え(「呪術師と私」からの言葉)・・・・その注解 分離したリアリティ(「呪術の体験」からの言葉)・・・・その注解 イクストランへの旅(「呪師になる」からの言葉)・・・・その注解 力の話(「未知の次元」からの言葉)・・・・その注解 力の第二の環(「呪術の彼方へ」からの言葉)・・・・その注解 イーグルの贈り物(「呪術と夢見」からの言葉)・・・・・その注解 内からの炎(「意識への回帰」からの言葉)・・・・その注解 沈黙の力(「沈黙の力」からの言葉)・・・・その注解 路上の土埃・・・・訳者あとがきにかえて 北山耕平
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2012年5月24日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 |
2012年5月21日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 |
2012年5月27日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 (大きな画像) 題・・・「お父さん、宇宙が、金環日食が、ここにもあるよ」・・・自宅近く (K.K) |
2012年6月4日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 (大きな画像) 2004年の金星の太陽面通過、太陽の右側に金星が写っています。(写真はNASAより引用) 今日の部分月食は厚い雲に覆われ見ることが出来ませんでした。 でもお陰で近くに天体観望できる開けたところを新たに開拓することが出来たので感謝です。 ところで、明後日の金星の太陽面通過ですが、上の写真は2004年6月8日の時のものです。 じゃあ明後日見逃しても数年後に見れるんだ、と思われたら大きな間違いで、次は105年先に なってしまいます。 105年先というと、現在の赤ちゃんでも見るのは殆ど出来ず、その赤ちゃんの赤ちゃんが長生 きしてようやく見ることができるのだと思います。 私たちが明後日見る金星の太陽面通過、そして次に目にするであろう世代を想像するとき、 インディアンの言葉を思い出します。 ☆☆☆☆ 「私たちの生き方では、政治の決め事は、いつも七世代先の人々のことを念頭におきなが ら行われる。 これからやってくる人々、まだ生まれていない世代の人々が、私たちよりも悪い世界で暮ら したりすることのないように、できればもっと良い世界に生まれてこられるように心を配るの が、私たちの仕事なのだ。 私たちが母なる大地の上を歩くときに、いつも慎重に一歩一歩進むのは、これから生まれ てくる世代の人々が、地面の下から私たちのことを見上げているからだ。 私たちはそのことを、片時たりとも忘れない」 オレン・ライオンズ(オノンダーガ族) 「ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと」築地書館より ☆☆☆☆ (K.K) |