「ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと」
ウォール&アーデン著
舟木 アデル みさ訳 築地書館より
最近刊行されたこの素晴らしい本は、ナショナルジオグラフィック誌を中心に活躍する ライターと写真家が10年以上の歳月をかけて、全米各地のインディアン居留地を訪ね、 スピリチュアル・エルダー(精神的長老)たちの言葉を記録してきた貴重なものである。 (K.K) 雑記帳「魅せられたもの」1997.2/5「叡智の守りびと」を参照されたし
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神はすべてのものをシンプルに創った。 インディアンの人生はとてもシンプルだ。 わしらは自由に生きている。 従うべきただひとつの法は自然の法、神の法だ。 わしらはその法にしか従わない。 ブラック・ヒルズ(ラコタ族の聖地)の丘がわしらの教会だ。 あんたたちの聖書みたいなものなんかいらない。 風と雨と星がわしらの聖書なんだ。 わしらの聖書はこの世界であり、インディアンはそれを何百年もの間、学んできたんだ。 神が全世界の支配者であり、神が創られたものは、 みんな生きているということをわしらは学んだ。 石だって生きているんだ。 スウェット・セレモニー(清めと祈りの儀式)で石を使うとき、 わしらは石に語りかけ、石はわしらに語り返してくれるんだ。
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「編者まえがき」より
「ウィズダム・キーパーズ」の言葉を読む際、「神」「創造主」「偉大なる 精霊」などの表現が、「万物は互いにつながっており、すべてのものは 全体の平等なる一部分である・・・私たちはいずれ海に還る雨のしずく であり、太陽の炎によって灯された一本のロウソクであり、全体の一部 として永遠に存在する」という概念を伝えるために使われているというこ とを理解しておくべきであろう。一人ひとりのウィズダム・キーパーが、 この本を通して、私たちに教えてくれる。四つ足の人々、羽を持つ人々 、地をはう人々、草木の人々、星の中に宿る人々みんなが、この偉大 な、聖なる謎によって創られたのであり、みんなが聖なる謎の一部で あるということを・・・・・・・
ホワイト・ディアー・オブ・オータム
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本書の目次
序文 プロローグ チャーリー・ナイト(ユート族) フランク・フールズ・クロウ(ラコタ族) コーベット・サンダウン(イロコイ族・セネカ国) ハリエット・スターリーフ・ガムス(シネコック族) エディ・ベントン・バナイ(ランビー族) ライラ・フィッシャー(ホー族) バッファロー・ジム(セミノール族) トム・ポーター(イロコイ族・モホーク国) アンクル・フランク・デイビス(ポーニー族) レオン・シェナンドア(イロコイ6ヶ国連合) アービング・パウレス・シニア(オノンダガ国) ルイス・ファーマー(イロコイ族・オノンダガ国) エピローグ・・・7世代先に向けて あとがきにかえて・・・チーフ・シアトルの言葉(1855年)
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インディアン文化に魅せられ、居留地の部族大学に通い伝統文化を深く 学んだ作者による素晴らしいホームページ。特に自ら全国各地で演奏す るインディアン・フルートやインディアンに関する音楽、ビーズワークに精 通しページ上で通信販売も出来る。また好著「ネイティブ・アメリカン=叡 知の守り人」や「風の言葉を伝えて=ネイティブ・アメリカンの女たち」とい う文献を翻訳し日本に紹介している。インディアン関連商品も多く掲載さ れ、インディアンに関する文化や歴史の情報にも詳しいページであると共 に小学生を対象とした「異文化理解教育」を多くの学校で実践している。
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2012年6月4日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 (大きな画像) 2004年の金星の太陽面通過、太陽の右側に金星が写っています。(写真はNASAより引用) 今日の部分月食は厚い雲に覆われ見ることが出来ませんでした。 でもお陰で近くに天体観望できる開けたところを新たに開拓することが出来たので感謝です。 ところで、明後日の金星の太陽面通過ですが、上の写真は2004年6月8日の時のものです。 じゃあ明後日見逃しても数年後に見れるんだ、と思われたら大きな間違いで、次は105年先に なってしまいます。 105年先というと、現在の赤ちゃんでも見るのは殆ど出来ず、その赤ちゃんの赤ちゃんが長生 きしてようやく見ることができるのだと思います。 私たちが明後日見る金星の太陽面通過、そして次に目にするであろう世代を想像するとき、 インディアンの言葉を思い出します。 ☆☆☆☆ 「私たちの生き方では、政治の決め事は、いつも七世代先の人々のことを念頭におきなが ら行われる。 これからやってくる人々、まだ生まれていない世代の人々が、私たちよりも悪い世界で暮ら したりすることのないように、できればもっと良い世界に生まれてこられるように心を配るの が、私たちの仕事なのだ。 私たちが母なる大地の上を歩くときに、いつも慎重に一歩一歩進むのは、これから生まれ てくる世代の人々が、地面の下から私たちのことを見上げているからだ。 私たちはそのことを、片時たりとも忘れない」 オレン・ライオンズ(オノンダーガ族) 「ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと」築地書館より ☆☆☆☆ (K.K) |
2012年1月16日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
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2012年2月15日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 |
A Koskimo house Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)
ワタリガラスの伝説 「森と氷河と鯨」星野道夫 文・写真 世界文化社 より引用。
今から話すことは、わたしたちにとって、とても大切な物語だ。だから、しっかりと 聞くのだ。たましいのことを語るのを決してためらってはならない。ずっと昔の 話だ。どのようにわたしたちがたましいを得たか。ワタリガラスがこの世界に森 をつくった時、生き物たちはまだたましいをもってはいなかった。人々は森の 中に座り、どうしていいのかわからなかった。木は生長せず、動物たちも魚た ちもじっと動くことはなかったのだ。ワタリガラスが浜辺を歩いていると海の中 から大きな火の玉が上がってきた。ワタリガラスはじっと見つめていた。すると 一人の若者が浜辺の向こうからやって来た。彼の嘴は素晴らしく長く、それは 一羽のタカだった。タカは実に速く飛ぶ。「力を貸してくれ」 通り過ぎてゆく タカにワタリガラスは聞いた。あの火の玉が消えぬうちにその炎を手に入れ なければならなかった。「力を貸してくれ」 三度目にワタリガラスが聞いた 時、タカはやっと振り向いた。「何をしたらいいの」 「あの炎をとってきて欲し いのだ」 「どうやって?」 ワタリガラスは森の中から一本の枝を運んでくる と、それをタカの自慢の嘴に結びつけた。「あの火の玉に近づいたなら、 頭を傾けて、枝の先を炎の中に突っ込むのだ」 若者は地上を離れ、ワタ リガラスに言われた通りに炎を手に入れると、ものすごい速さで飛び続け た。炎が嘴を焼き、すでに顔まで迫っていて、若者はその熱さに泣き叫 んでいたのだ。ワタリガラスは言った。「人々のために苦しむのだ。この世 を救うために炎を持ち帰るのだ」 やがて若者の顔は炎に包まれ始めた が、ついに戻ってくると、その炎を、地上へ、崖へ、川の中へ投げ入れ た。その時、すべての動物たち、鳥たち、魚たちはたましいを得て動き だし、森の木々も伸びていった。それがわたしがおまえたちに残したい 物語だ。木も、岩も、風も、あらゆるものがたましいをもってわたしたちを 見つめている。そのことを忘れるな。これからの時代が大きく変わってゆ くだろう。だが、森だけは守ってゆかなければならない。森はわたしたち にあらゆることを教えてくれるからだ。わたしがこの世を去る日がもうすぐ やって来る、だからしっかり聞いておくのだ。これはわたしたちにとって とても大切な物語なのだから。
(クリンギットインディアンの古老、オースティン・ハモンドが1989年、死ぬ 数日前に、クリンギット族の物語を伝承してゆくボブをはじめとする何人 かの若者たちに託した神話だった。この古老の最後の声を、ボブはテー プレコーダーに記録したのだ。
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