未来をまもる子どもたちへ


宇宙のカメ NGC6210



宇宙のカメ(NGC6210)


この惑星状星雲はヘルクレス座の方向、地球から約6600光年の距離にあるんだ。

甲羅に頭やひれ、尾までついてまるでカメのようなイメージに見えるかな。この頭

の先からしっぽまでの実際の長さは約1.6光年もあるひろがりをもつんだよ。実は

この画像は太陽に良く似た星の最後の姿なんだ。この「カメ」星雲の中心では、

恒星から数本のジェットが吹き出し、オウムガイの内部の様な構造を作り出して

おり、このジェットの隙間から溢れ出したガスが、「カメ」星雲として見えるんだ。

まるでカメが貝を飲み込んでしまったようだね。そしてカメの頭や手の部分は、

ガスが飛び出す速度や段階が異なったためにできたと考えられているんだよ。

さて画面左上は「カメ」星雲の中心部を拡大したものなんだ。この惑星状星雲と

して有名なのが「ドーナツ星雲」(こと座M57)や「アレイ状星雲」(こぎつね座M27)

「らせん星雲」(みずがめ座NGC7293)などがあるんだけど、ここで生まれたばか

りの惑星状星雲がどのような姿をしているのか見てみようね。




誕生したばかりの惑星状星雲(NGC7027)

はくちょう座にあるNGC7027という生まれたての惑星状星雲は、地球から

3000光年の彼方にある。中心星の紫外線の放射などによりこんな美しい

星雲が見えるんだけど、その広がりは地球と太陽の距離の14000倍にも

なってしまう。この惑星状星雲への進化は1000年程度の期間で起こるん

だけど、恒星の長い生涯を考えると一瞬の出来事なんだろうね。右側の

青い部分は可視光で観測できる低温のダストを示し、赤とピンクの部分

は水素分子のガスが中心星の紫外線によって発光しているんだ。そして

中心部の白い部分が高温のガスを示している。このように惑星状星雲は

異なったいろいろなガスの層で出来ているのが良くわかると思う。




原始惑星状星雲CRL618、この画像は私たちの太陽に似た大きさの恒星がわずか

数百年前に、その質量の大部分を放出した姿なんだよ。いわば羽化しつつある惑星

状星雲のさなぎの形のようなもので、やがて蝶が羽を広げたようなバタフライ型惑星

状星雲」に進化すると考えられているんだよ。この原始惑星状星雲CRL618の星雲を

形作るガスは200〜300年ほど前に放出されたものと考えられており、そのガスは時

速70万km以上の速度で広がりつつあるんだ。ところでこのガスを放出している赤色

巨星核は今はガスに覆われて直接見ることができないけれど、数千年もするとこの

光る低温の赤色巨星核は裸になって熱い白色矮星として輝くんだ。上の画像の原始

惑星状星雲から惑星状星雲に進化するには、200〜300年から千年程度と考えられ

ているけれど、きっとその頃にはCRL618も羽化し美しい惑星状星雲を見せてくれる

はずだけれど、どんな美しい蝶になっているんだろうな。





地球の年齢は約50億歳と言われているんだけど、ちょうど働き盛りの年齢にあたる

んだ。そして今から50億年後になり、太陽の年齢が100億歳近くになると核融合

反応の燃料の水素が少なくなり、もえかすのヘリウムばかりが中心部にたまり始め

るんだ。すると太陽はしだいにふくらみ始め、やがて水星や金星をのみこみんだ

よ。ということは現在の太陽の200倍もの赤色巨星になってしまうんだ。そしてこの

ヘリウムがどんどん中心部にたまると核融合反応が起こらなくなり、逆に太陽が

ちぢみ始めるんだよ。表面からガスがはがれ、中心部には地球くらいの大きさに

なる白色わい星が残されるんだ。表面からはがれたガスは、温度の高い白色わ

い星の光に刺激されて上の画像のような惑星状星雲となって見えるんだよ。だ

からこの画像は50億年後の太陽の姿と似ているんだ。といっても遠い遠い未来

の話なんだけどね。この後、この画像の中心に見える明るい白色わい星は、し

だいに温度を下げ、やがて冷たくて暗い黒色わい星になり宇宙の暗闇に消えて

しまうんだよ。





右手でこん棒を振り上げ、左手でりんごの枝と蛇をつかみ、西を向いてひざま

ずく英雄ヘルクレスの姿が見えるけど、これがヘルクレス座なんだ。とても古い

星座で、バビロニアの「鎖につながれた神」という星座に、この星座の原型が

見られるんだよ。ギリシャでは、はじめ「ひざまづくもの」「まぼろし」と呼ばれて

いたんだけど、ギリシャ神話では、英雄ヘルクレスが12の冒険行の末に天に

昇り、生前の戦利品とともに星座になったと伝えられているんだ。夏の夜、南

を向いて空を見上げ、こと座のベガとうしかい座のアルクトゥールスを見つけ

たら、これら2つの星の間を見てごらん。6個の3〜4等星がKの字を裏返し

たような形、ひしゃげたHの字の形に並んでいるのがわかると思うんだ。これ

がヘルクレス座の目じるしで、ヘルクレスの胴体を形作っているんだ。すぐ上

に見えるのが、べガがあること座。そのまた上に見えるのが白鳥座でこの口

ばしのところに光っているのが天上の宝石と呼ばれているアルビレオだよ。


ニュース・リリース(英文)
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/36/


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