APOD: 2016 April 22 - NGC 7635: The Bubble Nebula
ハッブル史プロジェクト・ホームページ
http://heritage.stsci.edu/
ニュース・リリース(英文)
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/28/index.html
バブル星雲(NGC7635)
バブル星雲は地球から7100光年の距離でカシオペア座中にあり、その直径は
6光年のひろがりをもつものなんだ。上の画像で、大質量星をとりまく巨大なガス雲
の一部が画面の左側に写っているのが見えるでしょう。なんとこのガス雲の直径は
約10光年、質量は太陽の10倍から20倍はあると考えられているんだよ。画面右下
の部分は星間ガスが大質量星からの放射で加熱され輝いているものなんだ。この
ような宇宙空間の中から私たちの星も生まれてきたんだね。さて同じハッブル宇宙
望遠鏡で見たもうひとつのバブル星雲を見てみようね。下の画像がそれなんだけ
れど、上の画像を反転させた姿で映っているよ。
この画像の下に赤く輝いている星は、太陽の40倍の質量を持った星で、この星の表面から
秒速2000km(時速700万km)というものすごい速さで粒子が放出され、恒星風が作りだ
されているんだ。この濃密な粒子の恒星風が赤く輝く星の周りを「泡」のように覆っているの
がわかると思う。そして赤く輝く星の右側に非常に濃密なガスの塊があるのが見えるね。実
はこの星に最も近い部分で、強い紫外線放射を受けて明るく光っている。そして超音速恒星
風がこのガス塊に衝突することにより、次々と明るい青色のアークができているんだよ。さて
画像上の方には、指のような形をした分子雲の濃密な塊があるのが見えるね。この分子雲
はまだ超音速恒星風と衝突していないけど、赤く輝く中心星からの紫外線放射はすでに到達
しているから、このように輝いて見えるんだね。
APOD: 2016 November 23 - NGC 7635: Bubble in a Cosmic Sea
左上は散開星団M52
APOD: 2011 October 11 - NGC 7635: The Bubble Nebula
APOD: 2017 October 26 - NGC 7635: Bubble in a Cosmic Sea
APOD: 2006 April 28 - NGC 7635: Bubble in a Cosmic Sea
画面中央下に座っているのがカシオペヤ座だよ。この星座は
フェニキアのころ、すでに原型がつくられていた歴史の古い星座
なんだ。ギリシャ神話では、古代エチオピア王国の后(きさき)として
登場している。愛娘アンドロメダの器量自慢が過ぎたため、海神ポ
セイドンによって差し向けられた化けくじらティアマトによって国は
荒されてしまうが、ペルセウスの活躍によって事無きを得る物語な
んだ。アンドロメダ座がカシオペア座の右側にあり、少し上には
カシオペヤの夫で古代エチオピア国王のケフェウス座がある。この
カシオペヤとケフェウスの間にNGC7635があるんだ。この巨大な
ガス雲の中から多くの新しい星が誕生していくんだろうな。
Gemini Observatory Announcements: A Tale of Two Nebulae
南米・チリにあるジェミニ南望遠鏡が捉えたNGC 6164-5。この輝線星雲は
じょうぎ座の方向、太陽から4200光年離れたところにあるんだ。白く見え
るガスは4.2光年にもわたって広がっているけれど、これは中心で輝く恒星
HD 148937が放出したものなんだよ。この恒星は太陽の40倍もの質量
を持っているけれど、もう生涯の半ばにさしかかっているんだ。この恒星
が産まれてから300〜400万年が経っているけれど、さらに同じ時間が流れ
るとこの恒星は超新星爆発と共に、恒星としての一生を終えるんだ。
APOD: 2012 October 27 - A Halo for NGC 6164
APOD: 2012 December 28 - NGC 6188 and NGC 6164
University of Wisconsin - Madison, News Release:
MILKY WAY CHURNING OUT NEW
STARS AT A FURIOUS PACE
2004年6月、NASAのスピッツァー宇宙赤外線望遠鏡が観測したRCW 49星雲。
このRCW 49星雲は、私たちの天の川銀河の地球から13,700光年離れたケンタ
ウルス座にあり、300個以上の形成されたばかりの星が存在しているんだ。これ
らの星は「原始星」と呼ばれ、星を取り囲んで渦巻く、冷たく巨大なちりの円盤を
持っている。このような観測から、天の川銀河では予想以上に、大量の新しい
星が誕生していることがわかったんだ。 (大きな画像)
HubbleSite Newscenter: Hubble Uncovers a Baby Galaxy in a Grown-Up Universe
2004年12月、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したI Zwicky 18というおおぐま座の矮小銀河。
この銀河は4500万光年の距離に位置しているのだが、なんと5億歳という非常に若い銀河
なんだ。私たちの天の川銀河や多くの典型的な銀河は120億歳前後だから、如何にこ
の銀河が若いかわかると思う。宇宙誕生から130億年もの間、爆発的な星形成をせず、
水素とヘリウムを含んだ冷たいガスのまま存在し続けてきたことになるんだ。普通、若い
銀河はビッグバン後の数十億年間に形成されたと考えることが多く、そのため若い銀河
が見つかるのは遥か遠方でしかない。しかし、このI Zwicky 18はわずか4500万光年し
か離れていないところにあるんだ。ただ言えることは、I Zwicky 18を構成しているのは、
ビッグバン後に作られた2つの軽い物質である水素とヘリウムがほとんどで、重元素は
極めて少ないと考えられている。そのためこの銀河のガスからは星が作られなかったら
しいんだ。
ヨーロッパ南天天文台(ESO)が撮影した「過酷な星のゆりかご」と呼ばれる星団RCW 38
だよ。写真を見るとこれから沢山の星が生まれ出でようとしている姿に美しさを感じるけれ
ど、実際は陣痛の苦しみに似た過酷な環境らしい。産まれたばかりの星たちはガスや塵
の密集された星形成領域で、周囲の大質量からの強力な恒星風や、大質量星が起こす
超新星爆発によって、せっかく産まれた星もまた破壊され宇宙の塵に戻ってしまうんだ。
中央に光る青白い星は、IRS2と呼ばれるもので、ほ座のこの星までの距離は5500光年。
CfA Press Release: Stellar Birth in the Galactic Wilderness
上の画像は、NASAとESAの紫外線天文衛星GALEXが2つの紫外線の波長でとらえ
M83だ。M83は、うみへび座の方向、約1500万光年の距離に位置する銀河で、
直径は約4万光年。銀河の青く光っているところは銀河の中心から10万光年も離
れているんだけど、そこには若い星団が存在していることがわかったんだ。今まで
はそのような領域では物質が希薄で、星の誕生には不毛と言われていたんだけ
ど、その謎を解くために電波観測が行われたんだ。その結果、この青い部分の
領域には星の材料となる水素原子ガスがあることが判明した。つまり、初期宇宙
のような、星の材料となるちりや重元素が少ない状況の中で産まれたことを意味
しているんだよ。
(映し出されるまで時間がかかる場合があります)