以下、ハービッグ・ハロー天体 - Wikipediaより抜粋引用。
ハービッグ・ハロー天体(ハービッグハローてんたい、Herbig-Haro object、HH object、HH天体)とは新しく
生まれた恒星に付随する星雲状の小領域で、若い星から放出されたガスが数百km/sの速度で周辺のガスや塵の
雲と衝突して作られるものである。ハービッグ・ハロー天体は星形成領域にはしばしば見られる天体で、一つの
恒星の自転軸に沿って複数個が存在する場合も多い。
ハービッグ・ハロー天体の実体は一時的な現象で、長くても数千年しか持続しない。HH 天体はガスの放出元で
ある親星から星間空間のガス雲(星間物質)に向かって高速で移動するに従い、数年単位という短期間で見た目
の形状が変化する場合がある。ハッブル宇宙望遠鏡を用いた数年にわたる観測で、HH 天体のガスが星間物質の
密度の高い領域と衝突することで、HH 天体の一部が暗くなる一方で別の場所が明るくなる、といった複雑な
変化が起こる過程が明らかになっている。
この種の天体は19世紀にシャーバーン・バーナムによって最初に観測されていたが、輝線星雲の中で独立した
一種として識別されるようになったのは1940年代になってからであった。この天体を詳細に研究した最初の
天文学者はアメリカのジョージ・ハービッグとメキシコのギイェルモ・アロで、彼らの名前にちなんで天体の
名称が付けられている。ハービッグとアロは星形成の研究の過程で HH 天体の分析を独立に行い、HH 天体が
星形成過程の副産物であることを明らかにした。
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