未来をまもる子どもたちへ



この素晴らしい画像はこちらの「すばる望遠鏡」のページからご覧ください

http://www.naoj.org/Science/press_release/0003/M82_j.html

すばる望遠鏡のホームページ Subaru Telescope Homepage







銀河から噴き出す真紅の光 不規則銀河M82(NGC3034)


地球から1200万光年の彼方にあるこの不規則星雲「M82」は、葉巻星雲とも呼ばれている

んだ。7倍×50mmの双眼鏡では、楕円形の光のしみ(M81)と細長い小さな光のしみ(M82)

が「ハ」の字に並んでいるのがはっきりわかるし、口径10cm望遠鏡の60倍では、同じ視野に

ふたつの銀河が見え、その形の違いを楽しめると思うよ。さてこの葉巻星雲は、赤外線光で

見たとき全天で最も明るい銀河で、小さな望遠鏡でも大熊座の方向に見ることができるもの

なんだ。この銀河の中心部から真紅の光が噴き出しているのが見えるでしょう。何故このよ

うな形になったかについては、1960年代の初頭、渦巻銀河「M81」が近くを通過したための

相互作用の結果、銀河の中心部で起こった巨大な爆発によるものと考えられていたんだ。し

かしその後、M82の中心部に巨大な分子雲や多くの超新星の残骸が発見されたり、中心部

から外側に向かって分子ガスが流出していることが観測されるようになってきたんだ。このこ

とにより現在では、銀河中心部における活発な星生成(スターバーストと呼ぶ)や超新星爆発

により、高温の電離した水素ガスが銀河の外側まで噴出し、真紅の光として見えていると解釈

されるようになってきたんだ。この真紅の光は、電離した水素ガスが放つHα線と呼ばれるも

ので、人間の目では見えない近赤外線の電離水素ガスによって放射されている光なんだ。

上の画像では、この赤く光っているガスの詳細なフィラメント構造が写っているけれど、1万光

年以上の広がりを見せているとても壮大なものなんだよ。さて、このような現象を「スーパー

ウィンド」と呼んでおり、このスーパーウィンドを詳しく研究するには葉巻星雲M82は格好の

研究対象であると言われているんだ。


銀河戦争 Credit & Copyright: Robert Gendler


この二つの銀河のうち、右側の真紅の光をだす不規則銀河がM82だよ。そして青い渦巻き腕の

銀河がM81だ。これら二つの巨大銀河は数十億年にもわたって、互いの重力の干渉を受けてお

り、数十億年後に生き残るのは、このうちの一つの銀河であると言われているんだ。まさに銀河そ

のものによる戦争なんだね。




画面中心に北斗七星がある大熊座が見えるかな。







Subaru Telescope Homepage 文部省国立天文台のページ。

国立天文台が構想から20年の歳月をかけてハワイ・マウナケア山に建設した

世界最大級の望遠鏡「すばる」は、東京から富士山山頂に置いたテニスボール

を識別できるほどの凄い能力を持った望遠鏡なんだ。これは宇宙空間から観測

しているハッブル宇宙望遠鏡に勝るとも劣らない性能を持っていると言われ、

今後の観測成果に多くの天文学者が注目している望遠鏡なんだよ。


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