衛星ミランダとその上空から見た天王星
衛星ミランダは幸運により撮影された天体だったんですよ。ボイジャー2号は
海王星に向かうのに必要な加速をつけるため天王星のそばを通過しなけれ
ばならなかったのですが、その時接近したのがミランダだったんです。特に
注目されていない天体だったのですが、この撮影によりミランダの独特な姿
が天文学者を悩ませてしまったのです。奇妙な溝や渓谷、崖(高さは15km
以上)が沢山あり、今まで見たことがない奇怪な地表に言葉を失ったんだ。
恐らくミランダに別の天体がゆっくりと衝突し、バラバラになった後、再び集
まってこのような奇妙な地形になったと考えられているんだ。さて、この天王
星には15個の衛星の存在が知られていたんだけれど、新たに二つの衛星
が、1997年見つかったんだよ。これら17個の衛星の名前は最初にシェクス
ピアの戯曲「真夏の夜の夢」の妖精の王と王妃のオベロン、 チタニアの名を
つけたことから、その他の衛星にもシェクスピアの作品に出てくる人物、 妖精
の名前がつけられるようになったんだ。
天王星は他の太陽系の惑星と違って、横倒しになって自転しているんだ。
何故こんなことになったかと言うと、地球と同じぐらいの天体が衝突したため
と考えられているんだ。自転軸が98度も傾いているということは、天王星には
地球みたいに昼と夜が交代することはないんだ。ただ天王星も太陽の周りを
回っているため、42年の昼があり、その後また42年の夜が来るんだ。実は
天王星にも土星と同じようなリングがあるんだよ。ただ土星に比べてリングの
氷の量が少ないために望遠鏡では見えないんだ。左上の方にプレアデス
が見えるかな。
天王星と衛星たち
左手前にアリエル、右手前にミランダ、天王星の上に輝く三つの衛星は左からUmbriel、
Oberon、タイタンである。
(映し出されるまで時間がかかる場合があります)