「ロックアート 神話そしてイマジネーション」
栗津潔とN.A.R.A探検隊編 フィルムアート社 より引用
N.A.R.A探検隊は2000年、2001年、2002年と三度にわたり、ロックアート探検を 敢行した。私たち日本人と同じルーツを持つと言われるモンゴロイド=アメリカ 先住民は数万年前から連綿と連なる巨大な大地に生きてきた。ときには豊饒 を享受し、ときには飢餓に堪え、台地や渓谷を移動しながら彼等独自の文化 体系をかたちづくっていた。その移動の過程で台地に重要な図像を無数に残 していった。それはきっと文字を持たなかった彼等にとって、仲間に、他者に、 祖先の霊魂に、そして神に、ある具体的な情報、あるいは言葉に置き換えら れない魂を視覚的に伝達する試みの証だった。ロックアートは、メッセージを 持った太古から存在するメディアアートであり、現代のコマーシャルを中心に 成り立つ様々なメディアに囲まれた日常において、それらの図像たちは私た ちに対し、真のビジュアル・メッセージとは何かと訴えかけてくるようだ。ロック アート展示委員会の趣旨は、この広大な自然のただなかに表現行為の真髄 を文字通り探検してきたN.A.R.Aの採集と研究を発表することである。その圧 倒的な気配を漂わす生身のアートを擬似的であるが体感してもらい、私たち も含め幅広い人々に「表現すること」の意味を探し、自らのルーツを感じても らうのがねらいである。この「原始の表現手段から新しい何かを感じ取る精 神」はすでにモダンアーチストたち、バブロ・ピカソ、カンジンスキー、バウル・ クレーなど・・・・彼等はその原始に注目し新境地を開いた。この精神はデジ タル全盛の現代においてもなお生き続けている。古代人の想像力の中に は、きっと真新しい未来、発見があるはずである。・・・・N.A.R.A探検隊 (本書・はじめに 古代人の想像力を追って より引用)
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目次 ロックアート 神話そしてイマジネーション はじめに 古代人の想像力を追って 視覚言語としてのペトログリフ概観 原始人の絵画 ペトログリフのスケッチ ハワイ島のペトログリフについて ペトログリフの図像を問いながら 北アメリカ南西部の文化 プエブロ・ホピ・ナバホ族アナサジの歴程◎MEMO ロックアートについての夢想 砂漠のフルート吹き 図版構成 原始人の描いた絵画・アウラの世界 古代人からのメッセージ 探検隊の探索ルート ロックアート探検日記 図版構成 ペトログリフ群像 図版構成 未知の世界の主役たち 神話そしてイマジネーション 世界に広がるペトログリフとシャーマンについて あとがき 参考文献
そして、いまでも アリゾナ・インディアンの子どもたちに伝えられたお話 カチナが歌う時 わたしたちはどう生まれてきたのか わたしたちは木の親戚だ 砂漠の蛇たちと砂漠の人たち 鳥のパワー 海はどう生まれてきたのか ピマの七つの星 あの星たちを見上げてごらん 人々を救ったイェイ 迷路 四番目のホピの世界
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2012年2月6日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 |