衛星カリストとその上空から見た木星
木星の衛星の中では二番目に大きく、表面は厚い氷に覆われているんだ。
このカリストには、イオのような火山活動やエウロパやガニメデに見られるよ
うな構造運動による地形も確認されていないんだよ。だから恐らくこのカリスト
の姿は数十億年前と姿と同じではないかと言われているんだ。そしてカリスト
のもう一つの興味深い特徴は、衝突によるクレーターが、長く一直 線に並ん
でいるということなんだ。これは木星の近傍を通過中に潮汐力でばらばらに
なった天体(ちょうどシューメーカー−レビー第9彗星のような彗星)が、カリ
ストに衝突したのではないかと考えられているんだよ。
木星に衝突したシューメーカー−レビー第9彗星(1994年7月18日)
この画像はハッブル宇宙望遠鏡によって撮られたもので、世界中の天文ファンを
釘付けにした現象だったんだよ。外側の薄い暗い輪の直径は12000キロで、この
中に地球がすっぽりと入ってしまうほどの大きさなんだ。どんなに彗星の衝突の衝撃
が凄まじかったかが理解できるかも知れないね。映画では隕石衝突を題材にしたも
のは幾つか出ているけれど、それは決して空想などではないことをこの現象は教え
てくれていると思う。・・・・「ヒクソン・コンパクト銀河群40」を参照してください。
Galileo Project
1998年10月22日ガリレオ探査機の観測により、木星の第2衛星カリストの地下
にも液体の海が存在するのではないかという証拠が発見されたんだ。これは
すでに海があるとされているエウロパとのデータを比較してわかったものなん
だよ。実はエウロパには液体の海があるためわずかな電気が流れており、そ
れが磁気の変化として観測されてきたんだ。カリストの磁気変化のデータを調
査したところ、エウロパと同じパターンのデータが見つかったんだよ。天文学
者らはこれがカリストの地下にも液体の海が存在することを示すものではない
かと考えているんだ。
APOD: 2000 November 18 - Jupiter And Family
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