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APOD: 2018 March 17 - The Crab from Space

カニ星雲(超新星爆発の残骸) M1 (NGC1952)

3つの異なる望遠鏡のデータを重ねたもので、X線(青白)、視覚(紫)、赤外線(ピンク)を示している。


Astronomy Picture of the Day Archive APOD: 2009 October 25 -M1: The Crab Nebula from Hubble

カニ星雲(超新星爆発の残骸) M1 (NGC1952)



6500年光年の彼方に輝く眩い光と不思議なフィラメントが広がるカニ星雲。実はこれは

1054年7月4日頃に爆発した恒星の名残りなんだ。私たちの太陽よりも遥かに大きな恒星

が迎えるその最後、これが超新星爆発と呼ばれるものなんだ。この爆発の光は金星より

6倍も明るく、23日間に渡って昼間の空でも見えたと言われるほどのものだったんだね。

下の画像は「ベリー・ラージ・テレスコープ(VLT)」によって撮影されたものだけど、この星雲

の中心には一秒間に30回転している中性子星(16等星)パルサーが存在している。中性

子星とは平均密度は1立方cmあたり5億トンと超高密度で、半径10km程度の星に太陽ほ

どの質量がぎゅっと押し込まれている想像を絶する重力を持つ星のことなんだ。この中性

子星の存在は1930年代にランダウやオッペンハイマーが予言したものだったけど、理論上

の上でしかなかった。それが1967年、二人の天文学者によって非常に規則的な電波パルス

を放射する天体が発見された。これがパルサーと呼ばれることになる中性子星のことなん

だね。さて星雲の赤い色の部分は電子が陽子と再結合して中性の水素が形成されている

場所で、青色は電子が星雲内部の磁場周囲を旋回している場所を現している。この超新

星爆発の記録は中国やアナサジ族(北米西部の先住民)、日本では藤原定家の『明月記』

などに記されているものなんだ。



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