「プレアデスの知恵」

チェロキーインディアンからのメッセージ

薗田 綾著 総合法令より






ホーク・フー・ハンツ・ウォーキング(歩きながら狩りをする鷹)の知恵・預言・癒し

の教えを、著者が忠実に紹介している。彼の慈愛に満ちた言葉が心に叫びとして

残り、聖なる芳香に包まれる。傲慢な人間が繰り広げる、母なる地球への、そして

大地に共に立つ生命への殺戮・暴力。まさにホーク・フー・ハンツ・ウォーキングの

言葉はこの苦しんでいる地球と、そこに生きるすべての生命の声の代弁である。

この彼が日本の人々に送った「未来へのメッセージ」をお読み下さい。

(K.K)


訳者は以前、地球環境問題に携わっており本書の中でも、現在地球が置かれてい

る状況を説明している。現在エコロジカルな発想によるマーケティングを展開する。


雑記帳「魅せられたもの」1997.5/4「プレアデスの智恵」を参照されたし

雑記帳「魅せられたもの」1998.4/20「父は空、母は大地」を参照されたし

天空の果実・「インディアンに語り継がれてきたプレアデスの伝説」を参照されたし





ホーク・フー・ハンツ・ウォーキングの言葉 (本書より引用)


人間はいろいろなことで悩み、考え、悲嘆にくれます。なぜ、自分たちの人生をもっと

楽しまないのでしょう。どうしてもっと人に喜ばれることをすることに時間を使わないの

でしょう。私はけっして悩みません。困ったことがあれば、立ち止まって考えることは

ありますが、考えすぎることはありません。それが何を意味しているのか、何を学べ

と創造主がこの困難を与えているのかについて気づきを得ます。それがとてもつらい

ことだとしても、それは私が耐えなければならない試練だと素直に受け止めます。

そして、その試練を与えてくれた創造主に感謝するのです。乗り越えられない山に

登れとけっして創造主がいわないことを私は知っています。私たちに与えられる束の

間の悲しみや試練は、より高く飛ぶためのものに過ぎません。それらは幸せにつな

がるためのステップなのです。



私たちは、だれかが困っているときには必ず救いの手を差し伸べ、必要なものを与え

ます。物質はそのもの自体に価値があるのではなく、それが喜んでくれる相手に渡さ

れるときに、一番価値が高くなるものなのです。チェロキーには見返りなど期待する気

持ちはまったくありません。だれかに何かをあげることでその人が喜んでくれたなら、

それがすなわち私の喜びにつながってきます。私にとっては、それ以上の至福はない

のです。だれかの喜ぶ顔を見ることが、私にとっては最高の幸せなのです。私たちの

美徳のひとつに、「寛大さ」というものがあります。精神的に寛大な人は、必ず物質的

にも寛大なのです。心の広い人は決して物惜しみなどはしません。大切にしているも

のほど、人にあげる価値があるものだと思っています。ほんとうに自分の大切なもの

をどれだけ気持ちよく手放せるかでその人の価値が決まるともいわれています。これ

は「ギブアウェイ」と呼ばれ、与え尽くしの精神につながるものです。困った人がいれ

ば、何も言わなくても必ず助けの手を差し伸べる。食べる物に困っている人には、気

持ちよく自分の食べ物を分け与える。そんな、あたりまえのことをいっているだけです。

私たちのように移動型のライフスタイルでは、物をたくさん所有することはかえって不便

です。おそらく、所有という考え方自体が白人社会とはずいぶん違うようです。狩猟が

主となる生活では、その日によってとうぜん獲物の量は変わってきます。たくさん獲れ

る日もあれば獲れない日もあります。ですから、多く獲物を獲った人が獲れなかった人

に分け与えるというのはあたりまえのことなのです。もしも独り占めしてしまうなら、今

度は自分がないときに何ももらえません。もちろん、もらう側もその行為に甘えるばか

りではありません。その気持ちが物で返せないときには、何かできることをしたり、

感謝の気持ちを表現したりします。けれども、自分がもらうために何かあげるとか、働

いた報酬として何かをもらうというのではないのです。そこには人間同士、生き物同

士の心の通いあいが存在しています。必ず喜びや愛があるのです。そのお返しは必

ずしももらった人にしなくてもいいのです。将来自分のまわりに困っている人がいれば

、その人を助けてあげてもかまいませんし、できるときにできることをすればいいのです



私は輪廻転生(リーンカネーション)を信じています。信じているというよりも、事実

すべての生き物は必ず輪廻転生するのです。すべての生き物は、この世界で死を

迎えた後、またひとつの大きな生命に還っていきます。スピリット(魂)はパッケージ

(肉体)を脱ぎすてて、新たな生への準備を始めます。これもすべて「聖なる輪」の

思想に基づいています。一つひとつの生命は人間も、動物も、植物も、鉱物も、水

さえもその時期がくれば生まれ変わるために、再び母なる地球の胎内に還ってい

くのです。その時期のことを人間は死と呼ぶのですが、これは同時に次の生命へ

の旅立ちのことなのです。人間は死を悲しみます。そして恐れます。ところがこの

恐怖や悲しみは人間特有のもので、動物や植物が死を恐れるなど聞いたことは

ありません。私は自分の死を恐れたことは一度もありません。その時期がくれば

、また生まれ変わるということを知っているから、死が恐いということなどないの

です。私は何度もパッケージ(肉体)を変えながら生まれ変わってきたことをはっ

きりと覚えています。私は前の世界で多くのことをやり残してしまいました。だか

ら、そのために今世な私の存在のすべてを使って、私が本当にやらなければな

らない大きな仕事に取りかかり始めたのです。



わずかな二本足の動物(人間)たちが間違った価値観をつくってしまいました。私が

伝えるメッセージは、実際は私のことばではなく母なる地球のメッセージだと思って

聞いてください。私を通じて母なる地球が告げていることに耳を傾けてください。現在

、人間だけが自らの方向づけを見誤ってしまっています。わたしたちチェロッキーイン

ディアンのいう「MOTHER ・EARTH」の考え方を思い出さねばなりません。そ

うしなければ、母なる地球は大きな変化をみずから起こさなければならないからです。

母なる地球の状態を知れば知るほど、浄化の日が来るのはそう遠い未来でないこと

が感じられます。そのときがいつかはわかりません。けれども、すでに浄化は起こっ

ているのです。母なる地球は知性をもつ故に、この多くの汚染や破壊、激しい争いを

なんとか止めようとしているのです。それははっきりとわかる形であらわれてきてい

ます。地震や津波、洪水、干ばつ・・・・といった自然災害として、その多くが私た

ちの身近にやってきています。今までになかった被害を私たちは、目のあたりにし

ているはずです。けれども誤解しないでほしいのです。これは、けっして母なる地球

の怒りではありません。これは、母が子供たちに示す深い愛情のあらわれなので

す。私たちの子供たち、孫たちそして地球に生きる多くの生命の存続のためにも、

地球自身が癒されなければならないからです。今、癒されなければ、手遅れになっ

てしまうからです。母なる地球はできるだけ多くの生き物に大きな被害が出ないよ

うに、十分に気づかっています。でも、母なる地球の病状が中途半端なものでは

ないだけに、人間やほかの動物にとって厳しい試練となることは仕方のないことな

のです。この試練から私たちは多くのことを学ばねばなりません。母なる地球を癒

すのは私たち、一人ひとりだからです。・・・・・・・・・私の母なる地球からの

ビジョンは告げます。「我々のエネルギーは個人的な安楽のためだけに使われる

べきではない。我々すべてを破壊へ導く心の貧しいわずかな人々の力をなくすた

め、いまこそ集え」と。



私は、多くのことを背の高い人々(森の木々)から学びました。ひとりで森へ行っても、

私はひとりぼっちで寂しいなどと感じたことは一度もありませんでした。背の高い人々

(森の木々)に語りかけると、背の高い人々はいつも優しく答えてくれました。しかし今

、背の高い人々は私に仲間の危機を訴えています。いつも優しく私に向かって語りか

ける背の高い人々は病んでいます。とても辛そうに、背の高い人々はこういうのです。

「私たちはおまえたちが必要なもの(酸素のこと)をどんどん出すことはできても、ほか

には何もできない。私たちの仲間を助けることもできず、ここにじっと立っているしかな

い。鷹よ、私たちのために、おまえの仲間に伝えてほしい。もうこれ以上、私たちの仲

間を殺さないでほしい。私たちが消えてしまえば、おまえたちばかりでなく、多くの生

き物が生きられないのだ。おまえの仲間はそれを知っているはずだ。鷹よ、おまえに

しかできないことをやってくれないか」と。世界中の豊かな森はどんどん姿を変え、消

えています。このままでは母なる地球の緑が、人間のためだけに使い果たされること

になってしまいます。どんどん森が死んでいくと、あげくの果てに困るのは人間なの

です。このままでは私たちの生命さえ、危ういということを背の高い人々は、教えてく

れているのです。・・・・・チェロッキーは、人間のほんとうの幸せを知っています。

楽しいときには心から笑い、いつも心に歌を持ち、泣きたいときには心のおもむくまま

に泣きます。森を歩けば、そこには美しい自然の恵みがあふれています。この美し

い自然の恵みなしには、幸せもありません。創造主はいつも自然というかたちで私

たちの周囲に存在しています。大地の活力は土の暖かさを伝って私たちに流れ込

み、川の清らかさは水の冷たさを通じて伝わってきます。近代文明は、私たちから

土を奪い、川を奪い、兄弟を奪ってしまいました。そこに生きる人々は、私たちすべ

てを道連れに、ものすごいスピードでどんどん間違った世界へと導いているのです。

これは明らかに幸せのある方向と反対の方向です。そこには、ほんとうの幸せどこ

ろか、破壊と悪意のネガティブなつくりものの世界しか存在しないのです。


 


本書 あとがき より抜粋引用


この本で紹介したのは、インディアンの歴史や、迫害の現状だけではありません。

アメリカ先住民である彼らのライフスタイルやものの考え方、そして価値観というも

のが今の私たちには重要なのです。これらを通して、きっと私たちは、古くて、実は

新しい知恵を思い出すことができるでしょう。この語り部はチェロキー族のメディスン

マンであるホーク・フー・ハンツ・ウォーキングです。が、そのメッセージの送り手は

私たちのすむ母なる地球(マザーアース)なのです。私たちの今の生活と、チェロ

キーの考え方や価値観を照らし合わせてみることで、私たちが日常出会うさまざま

な問題についての答えは簡単にできるかもしれません。今までのアメリカ流の考え

方では明らかに限界がきているからです。彼らの目を通して私たちのいる社会を眺

めてみたとき、私たちはこの社会自体に改めて大きな疑問を感じるかもしれません。

今までどれだけ多くの人間性を捨てて、多くの犠牲を払ってきたことかを理解するこ

とができるかもしれません。と同時に、だれもが経験している社会の不安や人間関係

の行きづまりといった現代社会の病をふりほどくには、何も難しい理屈はいらないと

いうことに気づいたはずです。どうしたらシンプルに生きることができ、この世に生を

受けた喜びを味わうことができるということを思い出すことになったのかもしれません。

“感じることを思い出すこと”それが、最も重要だと彼は言います。頭で考えることより

も、もっと素直に感じることが必要だと・・・・。この本を読み終えたあなたの世界は、

確実にひとまわり広がったに違いないことでしょう。

薗田綾


 


目次

まえがき・・・・見えない糸にひかれて


第一章 歩きながら狩りをする鷹

鷹の誕生

メディスンマンである鷹

自然の癒し・・・・ナチュロパシー

七色のエネルギー

誰にでもアニマルメディスンがいる

代々伝わる聖なるパイプ

選択の自由という贈り物


第二章 悲しみの時代

チェロキー族の起源

見知らぬ征服者

インディアンは野蛮人?

文明化するチェロキー族

血で血を洗う時代

自然という宗教


第三章 チェロキー的生き方

インディアンタイム

緑色の木の皮

傲慢な人間たち

「私のもの」という表現はない

シンプルな結婚観

親から子への伝承

考えすぎる人間という動物


第四章 母なる地球

大自然との共生

聖なる輪の教え

生まれ変わりの真実

プレアデスの伝説

銀色の貝殻

六つのひすいの話

目に見えないものの存在


第五章 けがされた大地

自然の教え

核の脅威

原子力発電所という名の時限爆弾

異常気象の実態

地震の急増

浄化の日


第六章 鷹の預言

輪の思想・・・・決して終わりはない

動物からのメッセージ

ほんとうの幸せ

地球の大きな変化

極移動(ポールシフト)が起こる日

聖なるビジョン

私たちは母なる地球の一部である


第七章 鷹からの手紙


あとがき

おわりに・・・・松川晃月

参考文献





2012年2月16日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



プレアデス星団の一つ、メローペの周りに広がるメローペ星雲(写真はNASAから引用)



双眼鏡で夜空を見て良かったと思える天体の一つが、プレアデス星団(すばる)ですが、7人姉妹

の青白い星に照らされて周りのガス雲がこのように青く輝いています。裸眼では写真のようにはっ

きりとわからないのですが、写真撮影ですとこのような美しい姿を見せてくれます。



画像中央やや上に一番明るく輝いている星が7人姉妹の一人メローペで、地球からの距離は440

光年、太陽の4倍の大きさがあります。私たちの太陽は約46億歳ですが、プレアデスの7人姉妹

の星たちは6000万歳から1億歳未満の若い青色巨星や青色準巨星で構成されています。



インディアンの中にはこの星団から来たという人がいます。その真偽は私にはわかりませんが、

地球の歴史から考えて、星の誕生から6000万から1億年までに高度な知的生命が誕生したとは

考えにくく、プレアデス星団が出来る前の話ではないかと思います。恐らくプレアデス星団を創っ

たであろう超新星爆発か何か、それ以前の時代での出来事かも知れません。



このプレアデス星団は世界各地でいろいろな呼名があります。その一つにニュージーランドの

マオリ族は、マタリキ(「小さな目」)と呼んでいました。マオリ族はプレアデス星団が見えるように

なる時期を新年の基準としており、新年という意味もあるそうです。マオリ族の民族舞踊である

ハカは、ラグビーのオールブラックスが試合前にこのハカを踊ることで有名です。



このマオリ族を舞台にした映画「クジラの島の少女」は小説を映画化したものですが、私の大好

きな映画の一つです。必死に伝統を次世代に引き継ごうとする長老の意に反して、若者の心は

既に伝統から離れてしまっている。その現実に苦しむ長老、そしてその孫の少女が繰り広げる

民族再生の物語で、少女が浜に打ち上げられたクジラを救出する場面が印象的でした。



(K.K)



 







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