「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」

スーザン・小山著 三一書房 より

全国学校図書館推薦図書








アメリカに渡り、インディアンに惹かれ多くの文献を書き記している著者が

描く平原インディアン(ダコタ・シャイアン・アラバホ・クロウ族)の終焉の物語。

本書の中に描かれた人間とも思えない白人達のインディアンに対しての虐殺

の歴史を見るにつけ、また歴史を自分の都合のいいようにしか語ることが出

来ない現在のアメリカの欺瞞に満ちた視点に触れると、この国には真の自由

と正義は存在していないと言わざるをえない。貧困に喘いでいるインディアンの

居留地に対してカジノ(賭博場)を例外的に認め、彼らの生活水準を引き上げ

ようとする短絡的な手法しか浮かばない白人へ怒りを覚えるのは私だけであろ

うか。どこまで彼らインディアンの崇高な精神文化を破壊したら気が済むのだ

ろう。そして本書「死闘の歴史」の中に出て来る平原インディアンの英雄の崇高

な精神と対比する時、神に最も近くに生きた人びとの悲劇的な物語を忘れ去る

ことは決して許されないだろう。日本に生れアメリカに渡った著者による力作で

すが、この文献は直販のみの扱いとなっておりますので、三一書房労働組合に

注文してくださればと思います。電話 03−3812−3132

(K.K)


 




本書・序章より引用


さきにちょっと言及したディー・ブラウンの「我が魂を聖地に埋めよ」は米国内外で

大ベスト・セラーになったもので、アメリカン・インディアンに同情的であるその姿勢は

この忘れ去られた人人に主流社会の認識を向けるうえでおおいに役立った。だが、

その一方で、この本を読んだ人々は、インディアンはこの本に描写されている数々の

征服戦争によって完全に死に絶え、今はもういなくなったという錯覚と誤解を受ける

場合が少なくなかった。だが、それはあくまでも錯覚と誤解で、インディアンは今でも

立派に生きている。生きて、圧倒的な多数を誇る征服者白人の作りあげた国家の

なかで、自分の存在証明を樹立するために必死の格闘をしている。そこで私は、19

世紀に死に絶えたと一般に考えられているインディアン文化は今でも脈々と存続して

いるのみならず、いま盛んな復興を経験しているという事実を縦糸に、白人の政策

によって抹殺されそうになったその文化を見て行くことによって、米国原住民、特に

この広大無辺な草原に住んだ「平原インディアン」とはどういう人々なのかを知って

いただくことを目的にしてこの本を書いた。しかしそのためには1890年の「ウンデ

ッド・ニーの虐殺」に至った歴史を見て行くことも必要だと考え、後半は文化というよ

りも歴史の方面に主力を集中した。前半をしめるのが文化的側面の描写だが、そ

れらを調べて行くうえでどんどん深まって来た確信は、彼等と日本人のあいだには

さまざまな共通点がある、ということだった。日本からやって来てこの白人の国に

住むようになった自分としては、白人社会よりもインディアン文化のなかにさまざま

な共通点と親近感を見いだし、日々の暮らしのなかで、文化の違い対する緊張は

原住民文化によって癒されることに気づいたのだった。そこには日本人の信条(ま

たは心情)に通じた側面がある、という事実は新鮮な驚きと喜びだった。つまりそこ

には近代工業化によってどんどん失われてゆくもの、日本人が本来もっていた民族

の魂に共通するなにかが存在するのである。そこでこの部分は、そういう日本人と

の共通性を強調したい、という趣旨をもって描写して見た。対象としては、アメリカン・

インディアンとひとくちに呼ぶ人々だが、そこにはさまざまに異なる言語と文化社会

構造があることをかんがみ、そのなかでももっとも有名な部族、北米原住民の精髄

ともいうべき「平原部族」に焦点をあてて見た。共通点を見いだしていただければ

さいわいだと思う。


 
 


目次

序章

第一部 大平原

アメリカ大平原

大平原の風と空

高度

降水量

竜巻

シヌーク、そして再び大平原


第二部 創世記・大平原編

平原インディアンの創造伝説

ランドブリッジ

大平原の歴史

大平原の動物達

ルイスとクラークの見た大平原

プレイリー・ドッグ

野性馬

コヨーテ

バッファロー


第三部 アメリカン・インディアン

アメリカン・インディアンとは

血液型にみる特殊性

狩猟文化

農耕民族

ことばと部族

ことばは文化

部族

平原インディアン

平原インディアンとは

スウ(ダコタ)族

シャイアン族

アラパホ族

クロウ族

インディアン文化

戦士

戦闘にまつわる習慣

「お守り」と「夢のお告げ」

サンダンス

クウ教え、頭皮狩り


第四部 前奏曲

毛皮会社

騎兵隊

ララミー条約

「国家」から「禁治産者」へ

「ララミー条約」

条約の陥穽


第五部 平原の長い死闘

グラットンの殲滅

コーヒー冷まし

モルモンの放れ牛

二人の族長

ミネソタの反乱

暴力の辺境

サンティー・ダコタ

ミネソタ

族長リトル・クロウ

ミネソタの反乱

サン・クリークの虐殺

ゴールド・ラッシュ

サン・クリークに至る道

サン・クリークの虐殺


第六部 平原インディアンの死

族長レッド・クラウドの闘い

ボウズマン街道

百人殺し

「レッド・クラウドの戦争」

カスターの登場

カスターと「オハイオ軍閥」

英雄カスター

第七騎兵隊

パ・サパ

「パ・サパ売りませんか?」

1876年の軍事活動

灰色の狐

1876年の軍事活動

リトル・ビッグホーンの戦い

“帝国の逆襲”

クレイジー・ホース

クレイジー・ホースの降伏

砦にて

軍医マックギリィカディ

クレイジー・ホースの最期


 


スーザン小山 さん

コロラド州在住の著作家、アメリカ・インディアン研究家、スーザン小山さんが新たにホーム

ページを創りました。スーザン小山さんは多くのインディアンに関する書籍を出版し日本に紹介

しておられる方で、「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」並びに「大草原の小さな旅」は全国

学校図書館推薦図書に選ばれた文献で、その他にも「インディアン・カントリー 心の紀行」

「白人の国、インディアンの国土」があります。特に「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」は、

平原インディアン(ダコタ・シャイアン・アラバホ・クロウ族)の終焉の物語を描いた力作です。

また、西欧でベストセラーになり、来日し講演したこともあるインディアンのロス博士の著作

「我らみな同胞」をも翻訳されております。このスーザン小山さんの総合ホームページの中の

「アメリカインディアンの歴史と文化のページ」では、興味深い記事が掲載されており、「環境

破壊ページ」では、絶滅動物が写真と共に詳しく紹介されています。私自身スーザン小山さん

から多くのことを教えていただいたり、何度となく励ましを受けてきました。このホームページ

はスーザン小山さんのそのような飾ることのない、温かい人柄を感じさせてくれます。


(2017年4月追記) 上の小山さんのサイトは現在閉じられており、「スーザン小山のスピリチュアル・ウエブサイト」

が新たに作られております。このサイトで紹介されている「薩垂屋多助 インディアンになった日本人」スーザン小山著

は小説でありながらも、過去の歴史的事実に、「多助」という架空の日本人を織り込むことによって、現代に新たな命

を吹き込んだ傑作であり、400年前のインディアンの魂の叫びを聴き取った第一級の作品です。


  

 









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