「我らみな同胞・インディアン宗教の深層世界」
A・C・ロス著 スーザン・小山訳 三一書房より
アメリカ・フランス・ドイツなどでベストセラーとなった本である。 またロス博士は1997年11月、関西市民大学で講演会を開いた。 (K.K)
天空の果実・「地球の上空から見た牡牛座とプレアデス」を参照されたし 天空の果実・「インディアンに語り継がれてきたプレアデスの伝説」を参照されたし
|
「自らのルーツを求めてダコタ宗教儀式に参加した著者が、のちにユング心理学と ダコタの宗教儀式の共通性、人間深層心理を儀式化しているインディアン思考の 原理と方法を分析する。インディアンの哲学の中枢とは、「赤い道」の達成である ことをロス博士は発見する。「赤い道」とは、左右に偏重しない総合的な脳の状態、 すなわち脳の全体的機能の達成であった。ユング説とロジャー・スペリー(ノーベル 医学賞受賞者)の頭脳半球説を使いながら、インディアンの思考と哲学を探求。 宇宙と自然の法則のなかに生きなければならない人間の存在を問う。」同著・帯文
|
ダ/ラコタ哲学は、森羅万象は、対立する二つのもの、つまり善と悪、光と闇、 というふうに対になって出来ているとしている。その対になっているものの一方 が欠けることは不均衡を生み出すものだというのである。そこでひとびとは儀式 を、その平衡の保持のために維持する。儀式のなかでひとは苦しみ(悪)を経 験し、それによって祈りを聞き届けてもらう(善)のである。伝統のダ/ラコタ族 は、ひとがこの地上に生きる目的は、いつか宇宙の中心に帰ることができるよ うになるためで、それが可能になる方法は赤い道を歩む(均衡のとれた生き 方をする)ことであると信じている。さて本書においてすでに述べているように、 儀式が行われるひにちと場所は、白いバッファローの星座の位置によって決 められる。もっとも主要なダ/ラコタ思想は、グレイト・スピリットはすべてのもの の創造主であるが、それでいながらその創造されたことがらの一部だ、という 包括的な考えにある。また、宿命というものはそのひとのこの世における目的、 または計画のなかにあるというふうに考える。そこで夢の探求を行ってその目 的がなんであるかを捜すことが、そのひとの任務になるわけである。だがラコタ の両親が子供にその任務を行わせるようにするとき、そこでは子供の自由意志 というものが非常に優先される。子供はその任務なり仕事なりをどのようにする かということは、親から教えて貰うというよりも、それを実際にやっているところ だけ見せられ、あとは自分でやってみるようそれとなく諭されるわけである。 この考えはじつはダ/ラコタのすべて、つまり文化、教育、狩猟、宗教、要する に人生すべての局面に及ぶ、基本概念である。
|
さらにダ/ラコタの伝統の考えでは、霊魂は誕生したその瞬間にその体に 入る。そこで良い霊魂が体に入ってくれるよう偉大なる神秘に、儀式を催し て祈るのである。ひとが死ぬとその霊魂は銀河に行って、それを南に向か う。その南の終りに年老いた女性が座っていて、あなたの地上の生活を審 判する。あなたが赤い道を歩き、またひとびとに寛大で、他を助け、すべて のものと調和のなかに生きたのであったならば、その老いた女性はあなた に、長い方の道、つまり宇宙の中央にいたる左の道を取ることを許す。もし あなたが黒い道を歩み、どん欲で自己中心的であったなら、彼女は右の 道を示し、あなたを突き落とす。そこであなたの霊魂はふたたび地上に落 ち、新しい肉体に宿ってこの世に誕生するのである。それはあなたがふた たびすべてのものと調和に生きるため、新しい機会を与えられたということ なのである。もしひとが非常に若いうちに、そのような機会もなく死んだ場合 は、長老が選ばれ、その霊魂を一年間守護する。この間その長老はその 若い魂が銀河の左の道を行き、進化の旅を完成して、宇宙の中心に帰る ことが出来るよう毎日祈るのである。
|
目次 前言・・・・ミタクヤピ 私の同胞たちへ イイェスカ(通訳) ユング派心理学および頭脳半球説を伝統的ダ・ラコタ哲学と比べる レッド・マン(インディアン)本源の教え 教育的相乗のための赤い道 レッド・マンの起源その1・・・・アトランティス レッド・マンの起源その2・・・・ムウ大陸 タク・ワカン・シュカン・シュカン、神聖なものが動いている 開花する木 センターは動いた・・・・天地創造の諸説に見る三題詩 遠隔動力学(テレキネシス)の力 聖なる天上は聖なる天下 浄化 世界調和への戦略 ダ・ラコタ哲学と儀式 平和への旅 結びのことば 〈日本語版への補筆〉 ヘイル・ボップ・・・・彗星か恒星か? 訳者あとがき 参考文献
|
本書 訳者あとがき より抜粋引用
|
コロラド州在住の著作家、アメリカ・インディアン研究家、スーザン小山さんが新たにホーム ページを創りました。スーザン小山さんは多くのインディアンに関する書籍を出版し日本に紹介 しておられる方で、「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」並びに「大草原の小さな旅」は全国 学校図書館推薦図書に選ばれた文献で、その他にも「インディアン・カントリー 心の紀行」や 「白人の国、インディアンの国土」があります。特に「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」は、 平原インディアン(ダコタ・シャイアン・アラバホ・クロウ族)の終焉の物語を描いた力作です。 また、西欧でベストセラーになり、来日し講演したこともあるインディアンのロス博士の著作 「我らみな同胞」をも翻訳されております。このスーザン小山さんの総合ホームページの中の 「アメリカインディアンの歴史と文化のページ」では、興味深い記事が掲載されており、「環境 破壊ページ」では、絶滅動物が写真と共に詳しく紹介されています。私自身スーザン小山さん から多くのことを教えていただいたり、何度となく励ましを受けてきました。このホームページ はスーザン小山さんのそのような飾ることのない、温かい人柄を感じさせてくれます。
(2017年4月追記) 上の小山さんのサイトは現在閉じられており、「スーザン小山のスピリチュアル・ウエブサイト」
|
「KEEPER OF THE FEMALE MEDICINE BUNDLE」 Biography of Wihopa Dr.A.C. Ross Denver - Wiconi Waste Publishing
A・C・ロスが語る母アグネスの物語であるが、スーザン小山さんも本書の中で アグネスへのインタビューをしている。
|
スクアミッシュ族の族長シアトルの言葉 (本書より引用)
私たちの土地を買いたいというあなたたちの言葉はよく検討しておこう。
雑記帳「魅せられたもの」1998.4/20「父は空、母は大地」を参照されたし
|