Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)
酋長シアトルの言葉 6つの文献から「酋長シアトルの言葉」を引用しました。 |
1991年9月から1992年1月まで、一冊の絵本がニューヨーク・タイムズのノンフィクション 部門のベストセラーを続けた。Brother Eagle,Sister Sky - a Message from Chief Seattle がそれである。タイトルにあるチーフ・シアトルは、現在のワシントン州にかつて住んでい たスクワミシュ・ドワミシュ族の長であり、この本は彼のスピーチが底本となっていた。そ の後すでに、当時副大統領のアル・ゴアが、著書「地球の掟」の中でそのスピーチを引用 したこともあり、チーフ・シアトルは、一躍脚光をあびることになる。実はシアトルのスピー チと言われるものは、いくつも存在する。もっとも古いものは1887年10月29日、彼の名を 冠するシアトルの地方紙『シアトル・サンデイ・スター』に掲載されたもので、これは医師 ヘンリー・A・スミスによって書かれたものである。それから80年以上が経過した1970年 4月22日、初めての「地球の日」に、テキサス大学のキャンパスで詩人で古典学者のウィ リアム・アロースミスが「シアトルのスピーチ」を朗読した。それはスミス版を彼流に翻案 したものである。その「地球の日」の催しにフレッド・ペリーという映像学を教える教師が 参加していて、アロースミスの朗読に感激した。サザン・バプテスト・コンベンションがペリー に環境破壊のドキュメンタリーの脚本依頼をしたとき、彼は迷わず「シアトルのスピーチ」を 使うことにした。その後脚本がABCで「ホーム」というドキュメンタリーとして流され、シアトル ・ブームに火がつくことになる。さらに脚本のスピーチが「シアトルからピアス大統領への 手紙」として Enviromental Magazine に載り、これがエコロジストたちのバイブルとなって、 チーフ・シアトルは環境保護の先駆者として挙げられることになった。 |
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我々の土地を買い上げたい、とのこと。友情と好意のお言葉も添えてあります。 あなた方の申し出を考えさせていただきます。 我々が売らなければ、白人たちは銃を持って私どもの土地を取り上げに来るかもしれませんから。 この申し出の考え方は我々にとって不慣れなものです。 大気の新鮮さや水の輝きもこの地域のどの部分も聖なるものです。 輝く松葉、砂浜、奥深い森の霧、すべての切り透かし、そしてハミングする虫たち、皆、 この民の思い出の中で、また体験の中で聖なるものなのです。 水のささやきは私たちの声です。川は我々の兄弟であり、我々の渇きをいやしてくれます。 川は我々のカヌーを運び、我々の子供たちを養います。 もし我々のこの土地をあなた方に譲るとするなら、 その時あなた方は、川とは我々の、そしてあなた方の兄弟であり、 どの兄弟にも示すその親切を川にも示さねばならぬということを、必ず思い出してください。 白い人の死者は、星の間を歩きはじめると、生まれ故郷を忘れます。 我々の死者は決してこの美しい大地を忘れることがありません。 なぜならそれは、赤き人々の母だからです。 しかし、我々の土地を買いたいという申し出を考慮してみます。 もし我々が賛成するならば、それは、お約束になった代替地を確保することを意味します。 多分そこで残された短い日々を、望むように生きられるのでしょう。 最後の赤い人が地上から消え、彼の記憶が牧草地を通り過ぎる雲の影のようになった時でも、 あの浜辺たちや森たちは私の民の霊を保っていることでしょう。 なぜって、彼らは、生まれ出た赤子が母親の心臓の鼓動を愛するように、 この大地を愛していたからです。 だから、もし我々が我々の土地をあなた方に売るなら、 我々がこの土地を愛したように愛してやってください。 あなた方がそれを取り上げた時、そのままの土地の姿を心に刻んで下さい。 すべての力をもって、すべての思いをもって、すべての心を持って、 あなた方の子供たちのために、そのまま保存して下さい。 そしてその土地を愛して下さい。 ・・・・・・神が私どもみんなを愛し給うように!
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![]() 絵 スーザン・ジェファーズ 訳 徳岡久生+中西敏夫 JULA出版 より引用
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北山耕平 訳 田口富士雄 絵 新宿書房 より引用
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次の二点はこのシアトル首長の言葉を素晴らしい絵本にしたものです。
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