A galactic rose highlights Hubble's 21st anniversary
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた「銀河のバラの花」。「Arp 273」というアンドロメダ座の
方向約3億光年先にあるこの銀河は、UGC 1810とその伴銀河UGC 1813、そして矮小
銀河が互いに影響を及ぼしている姿なんだ。画像上部の大銀河「UGC 1810」を通り
抜けた画像下部の銀河「UGC 1813」.。この二つの銀河の質量は5倍の差があるた
め、小銀河の通過が比較的速く、大銀河に残る痕はバランスの悪い非対称な構造
となり、大銀河の腕がバラを思わせる形状に変化しているらしいんだ。この画像は
2010年12月に撮影されたものだよ。 (大きな画像)
APOD: 2017 May 10 - UGC 1810: Wildly Interacting Galaxy from Hubble
UGC 1810 (大きな画像)
APOD: 2017 April 21 - NGC 4302 and NGC 4298
左の銀河はNGC4302で、地球から5500万光年離れたところにあり、天の川銀河よりも少し小さな銀河です。
右の銀河は_NGC4298、この2つの銀河はおとめ座銀河団に位置しています。 (大きな画像)
HubbleSite newscenter Newsdesk: The Impending Destruction of NGC 1247A
2005年3月、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた銀河崩壊寸前の姿だよ。この銀河
は矮小不規則銀河NGC 1247Aと呼ばれるもので、秒速600kmのスピードで銀河
団にまっ逆さまに突っ込んでいるところなんだ。これは小さな銀河が銀河団の強
力な重力によって引き付けられることによって起こるんだ。このNGC 1247Aは、
6200万光年離れた、ろ座の方向にあるんだけど、内部にあるガスと、ろ座銀河
団にある大量のガスが衝突しているんだ。そしてそこから無数の星が産み出さ
れていく。またろ座銀河団の近くに存在する別の銀河からの銀河の潮汐力に
よっても星の形成が大規模な範囲で起きているんだね。画像の青く見える部分
は、こうした青い高温の星が数多く存在していることを示しているんだ。でも、こ
の矮小不規則銀河NGC 1247Aは、銀河団の中を通り過ぎていくうちに、まもな
くその銀河としての形を失い、数十億年後には完全に崩壊する運命にあるんだ。
極リング銀河NGC4650A
このとても神秘的な、そして驚くべき「極軌道リング」を持つ銀河NGC4650Aは、地球から 1億3000万の光年離れた場所に位置しているんだ。このような極軌道リングを持つ銀河 は今までにわずか100個くらいしか見つかっていない珍しい銀河なんだ。でもどのように してこのような形になったんだろう。実はこれはまだはっきりとした結論が出ていないんだ けど、今から10億年前に起こった二つの銀河間の巨大な衝突の残り物である可能性が 高いらしいんだ。
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銀河のシルエット(渦巻き銀河NGC3314)
皆はこの銀河を見てどんなふうに説明するだろう。二つの銀河が合体したものと映るかも知れ
ないね。実はこの銀河は全く違うものなんだよ。背後に輝く大きな渦巻銀河(NGC3314b)の手前
に、もう一つの渦巻銀河(NGC3314a)が位置しているためにこのように見えるんだ。地球から見
ると、このような銀河のシルエットに見えてしまうんだけど、このような姿はとても珍しいものなん
だ。この銀河までの距離は約1億4000万光年で、南天の「うみへび座」の方向に輝いているんだ
よ。さて、中央付近が赤く輝いている部分が見えると思う。これは背後の銀河の中心核で、手前
の銀河の星間ガスやダストの影響で、赤く見えるんだ。これと同じような現象が、いつも皆が見て
いる赤い夕日だね。そして手前の銀河の腕にある暗黒星雲が、背後の銀河の輝きによりはっき
り見えているけど、何故暗く見えるかと言うと、ダストが多く含まれていると考えられているんだ。
メディスンホイール(聖なる輪)
この銀河は私たちの銀河系より少しだけ大きいもので、地球から6億年光年離れた
へび座に位置しているものです。中心の黄色の核の部分は、年老いた星がたくさん
集まっており、逆に輪の部分は若くて大きな星の集まりとなっている。この銀河系は
1950年に天文学者ホーグ(Art Hoag)が発見したものですが、何故このようなリング
状の形ができるのかは様々な仮説があるそうです。有力な説のひとつとして、この
銀河系は二つの銀河の衝突でできたというもので、リング状の若い星の部分は今か
ら20〜30億年に近くを通過した銀河がばらばらになった姿だと考えられています。
ところで、この画像を見たときに何故だかアメリカ先住民(インディアン)のメディスン・
ホイール(メディシン・ウィール)を思い出してしまいました。円形の輪に十字の印しが
入っているものをメディシンウィールと呼びますが、シャイアン族の中で生きたエレーヌ
の言葉を下に紹介します。
この大地に大きな円を描いてね。
その円の真ん中に羽根や石をおいて。
あなたが、円のそこに立って。わたくしはここ。
同じ羽根でも違って見える。わたくしたちが、この同じ円に立っているけど、
立っている所だけが違うから、同じものが違って見える。
この円を、メディシン・ウィールと呼んでいます。
すべてのもの、私たちが知っているものも、知らないものも、ひとつの偉大な円、
この聖なるメディシン・ウィールに立っている。
上と下がない。みんな、この同じメディシン・ウィールにいるのだ。
丸いです。コヨーテの穴と同じ。鳥の巣と同じ。樹の幹と同じ。季節と同じ。丸いんだ。
見上げると、美しい明けの星が光っている。
明けの星がわたくしたちに、みんなに、勇気と知恵をあたえてくれます。
メディシン・ウィールは丸いけど西北東南がある。
西には黒い熊がいます。黒い熊は強いけど。己の力、己の限りをあまり知らないものだ。
北には白いバッファローがいます。清らかなものだけど。冷たい。
東には黄色の鷲がいる。知恵をもっているけど、遠くのものしか見えない。
南には、みどりのねずみがいる。無邪気だけど、鼻のすぐ前のものしか見えない。
このものたちは、私たちみんなのことです。
知っているでしょう。あの黒い熊のような人。南のみどりのねずみのような人。
生まれた時、この四つの方の贈物の一つか二つか三つかもらうけど、
四つ全部をもらったものはいない。
生まれた時、どちらの方、どちらの方々をもらったか、どちらが不足か、
そのことをわかって、不足の方や方々を自分のものにするのは、われわれの生きる目的です。
そうわれわれは思う。
このメディシン・ウィールに住んで、水に住むもの、根があるもの、四つ足のものも、
翼があるものも、みんなこのことを知っています。だから、お互いを尊敬します。
狼が鹿をとるときも、お互いにこのことを知っています。
お互いの生命がどれほど大事なものかをはっきり知っているから、美しいのだ。
そうです。このメディシン・ウィールにあるものすべてが美しいのだ。
このメディシン・ウィールの真ん中に咲いている木も美しいのだ。
だから、明けの星が、私たちに美しく光っているのだ。すべてが美しい。
でも、ある日、この美しさを見たくない者が来た。
彼らは、力でこの美しいメディシン・ウィールを乱して破ったのだ。
お互いに尊敬し合うことを知らない者たちが来たのだ。
彼らは、母なる大地に永遠の傷を付けました。清らかな水を永遠に汚した。
バッファローを意味もなく殺して死の山を作りました。
我が民に、毛布にわざと病菌(天然痘)を入れてあたえました。
彼らは、メディシン・ウィールの真ん中に美しく咲いた木を切りました。
彼らは、われわれにとって大事な鷲を、彼らの貨幣に刻印して、「神を信ず」と、書きました。
そして、その同じ者どもが、大空に舞う鷲を次つぎに殺して空の中でも追って射ち、
もうわずかしか残っていないまでになった。
その者どもは、われわれの子供たちを学校に入れました。
私たちの家から、遠いとおい学校に。
子供たちが、自分の美しいことばも、美しい歌もできなくなるように、そうしたのだ。
子供たちに、この美しいメディシン・ウィールにいることを知らせないために、
その者どもは、自分たちのことばや、宗教や、価値観をおしつけた。
あの、病菌が入った毛布と同じことだ。
その者どもは、わが民の若い娘をだまして、子供を産めないように手術をした。
私たちを、鷲と同じ、バッファローと同じ、あの美しく咲いていた木と同じようにしたいのだ。
見てごらん。
大空に鷲や鷹が舞うではないか。
あなたのくにに鹿やカモシカがいるではないか。美しい山と森があるではないか。
川のことばを聞けば、その話はメディシン・ウィールのことだ。
尾長(カササギ)のことばを聞けば、それは明けの星への祈りだ。
熊の足あとに、あの美しく咲いている木が歌をうたっているではないか。
あなた、尊敬をもって生きて!
このメディシン・ウィールに立っているあなた。美しさに生きて!
「鷲の羽衣の女」エレーヌ・アイアン クラウド 語り手 菊地敬一 書き手 徳間書店より引用
特異な強力な活動銀河・コンパス座銀河
STScI-PRC00-37 (2000.11.30)
コンパス座の方向約1300万光年の距離に位置する「コンパス座銀河」。まずこの画像上に
延びている紫色のガスは、銀河中心のブラックホールから超高速で吹き出すジェットの姿
なんだ。これは銀河中心のブラックホールに周囲の物質が落ち込む際に、その一部はブ
ラックホールの強力な磁力線に沿って両極方向に流れ、両極方向から吹き出されたことを
意味しているんだよ。実はこの銀河はセイファート銀河と呼ばれる特異銀河のひとつなん
だけど、中心に明るく光るセイファート銀河核には超巨大ブラックホールがあると考えられ
ている。銀河の周りを赤いリングが取り巻いているけれど、その直径はなんと約1300光
年もある。私たちが住む銀河系の直径が10万光年ということを考えると、如何に巨大な
銀河であるかがわかると思う。そしてその中心に存在するブラックホールは、私たちの想像
を超えた凄まじいものなんだろうね。
ハッブル史プロジェクト・ホームページ
http://heritage.stsci.edu/
ニュース・リリース(英文)
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/28/index.html
この素晴らしい画像はこちらの「すばる望遠鏡」のページからご覧ください
http://www.naoj.org/Science/press_release/0199/HCG40_j.html
すばる望遠鏡のホームページ Subaru Telescope Homepage
ヒクソン・コンパクト銀河群40(うみへび座)
大型光学望遠鏡「すばる」ファーストライト画像のひとつであるHCG40の素晴らしい
画像だよ。うみへび座に位置するこれらの銀河までの距離は約3億光年。3億年
前にこの銀河から船出した光が、口径8mという世界最大の望遠鏡によってその
美しい姿が捉えられたんだ。さて地球で3億年前とはどのような時代だったのだろ
う。実はこの時代は古生代の石炭紀と呼ばれていた暖かく湿気の多い気候の時
期で、豊かな森林が創られた時なんだよ。植物は多くの酸素を生み出し、魚類か
ら進化したイクチオステガなどの両生類がこの湿地帯を歩きまわっていたんだ。
この大森林時代とも呼ばれた時代から一億年後のジュラ紀に、温暖な気候のな
かで大型化した爬虫類の恐竜が全盛期を迎えることになるんだ。だからこの銀河
の光は恐竜が誕生する時代より、ずっと昔の姿なんだよ。じゃあ上の画像をまた
見てみようね。5つの大きな銀河が見えるでしょう。一番上が渦巻き銀河、その
下が楕円銀河、その下の二つが渦巻き銀河、そして一番下がレンズ状(S0)銀河
と呼ばれている違った形の銀河がひしめいている素晴らしい画像なんだ。そし
てこれらのなかの三つの渦巻き銀河すべてに、互いの重力でひきあうために
生じる潮汐相互作用の痕跡が認められるんだよ。このことは重力相互作用に
より、将来これらの銀河が衝突し合体する可能性があることを示しているんだ。
勿論私たちが生きている間にはその瞬間を見ることが出来ないけどね。そして
画像に散らばっている赤い斑点は、十から数十億光年彼方の銀河なんだよ。
ここで話しを少し脱線してみるけどいいかな。みんなは生きた化石と呼ばれて
いるシーラカンスという魚を知っているだろうか。実はこの画像の銀河の時代、
つまり3億年前にこの古代魚のシーラカンスが栄えていたんだ。石炭紀より前
のデボン紀と言われている時代だよ。この古代魚は恐竜やアンモナイトと一緒
に今から6500万年前に絶滅したと考えられ、化石も沢山出てきていたんだ。
ところが、1938年アフリカ東海岸で3億年前の化石と同じ姿のシーラカンス
が生きたままで発見されたんだ。みんなびっくりしたんだろうね。だって恐竜と
同じころ絶滅したと考えられていたんだからたまげてしまったんだ。巨大恐竜
のブラキオサウルスや最強の肉食恐竜ティラノサウルスがこの現代に生きて
いると知ったら、みんなは驚いてしまうでしょう。それと全く同じことなんだね。
日本にもいるオオサンショウウオも3億年もの間、ほとんど同じ姿で生きつづ
けているんだよ。さて次は恐竜に脱線するよ。恐竜がごく短い時間のうちに
何故絶滅してしまったか、6500万年前に何が起こったのか知っているかな。
実はこの絶滅は恐竜だけではなかったんだ。海の首長竜、空の翼竜、海底に
いた貝のなかまやアンモナイト、そして海の表面を漂うプランクトンの多くも
絶滅しているんだ。カナダのある生物学者の説によると、この時代に生きた
地球上の動植物の実に75%が絶滅しているという。この絶滅の原因はいろ
いろ考えられているけれど、最も有力な説は巨大隕石衝突説だよ。直径10
kmの隕石(小惑星)が、地球に秒速30kmという猛スピードで衝突すると、
激突のものすごいエネルギーによって蒸発した海水や飛び散ったちりなどが
地球全体を覆い、太陽の光をさえぎってしまう。そして気温が下がりつづけ、
猛烈な寒さに支配された世界となってしまう。この説を裏付ける証拠として、
地球の表面にはなく隕石などに含まれるイリジウムという金属が、6500万
年前の世界各地の地層の中にたくさん含まれていることがわかっているん
だ。でももしこの巨大隕石がこの世界に落ちてきたら、例えばこの隕石が
幸運に海に落ちたとしても、高さ5000メートルという富士山よりもはるか
に高い大津波が海の近くの都市を襲い、全滅させてしまうだろう。でもその
ような地球外からの脅威よりも、巨大恐竜が使う一日のエネルギーを恐竜の
体重の100分の一にも満たない文明国の人間が、一日で使ってしまってい
ることの方が恐ろしいことなのかもしれない。そのことにより多くの動植物が
絶滅させられ、環境破壊や大量消費文明による複合汚染が人類自らを滅ぼ
そうとしている。「魅せられたもの・未来を守る無名の戦士たち」に書いたこと
だけど、私たちはどのような未来を築いていかなければいけないのかを真剣
に考えなければいけない時代に生きているんだと思う。私が何故先住民族と
呼ばれる人びとの視点に希望を見いだしているのか、それは彼ら先住民た
ちは常に七世代のちの子孫のことを想い、今を行動していたからなんだよ。
ヒクソン・コンパクト銀河群87(HCG87)
銀河群の中で、とても小さな範囲に銀河が密集しているものをコンパクト銀河群と
呼ぶんだけれど、このHCG87も銀河群40と同じように銀河同士の相互作用があ
り、さまざまな現象を引き起こしているんだよ。
Subaru Telescope Homepage 文部省国立天文台のページ。
国立天文台が構想から20年の歳月をかけてハワイ・マウナケア山に建設した
世界最大級の望遠鏡「すばる」は、東京から富士山山頂に置いたテニスボール
を識別できるほどの凄い能力を持った望遠鏡なんだ。これは宇宙空間から観測
しているハッブル宇宙望遠鏡に勝るとも劣らない性能を持っていると言われ、
今後の観測成果に多くの天文学者が注目している望遠鏡なんだよ。
(映し出されるまで時間がかかる場合があります)