未来への提言「リサ・ランドール 異次元は存在する」

リサ・ランドール+若田光一 NHK出版








リサ・ランドール(Lisa Randall)

1962年生まれ。ハーバート大学卒業。専門は素粒子物理学、ひも理論、宇宙論。

プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学を経て、ハーバート大学物理学教室

で教授に着任、現在に至る。1999年、目には見えない5次元世界の存在によって

理論物理学の難問を解決する方法を論文に発表して一躍注目を集めた。その研

究内容は科学者だけではなく多くの人びとを魅了し、著書『ワープする宇宙・・・5次

元時空の謎を解く』は全米ベストセラーとなる。今、世界で最も注目されている科学

者である。



若田光一(わかた・こういち)

1963年生まれ。九州大学大学院工学府航空宇宙工学専攻博士課程修了。1992年、

ISS(国際宇宙ステーション)の「きぼう」日本実験棟の組み立て・運用に備え、NASDA

(現JAXA・宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士に選ばれる。翌年、NASA(アメリカ

航空宇宙局)からMS(ミッション・スペシャリスト。搭乗運用技術者)に認定される。1996

年、日本人初のMSとしてスペースシャトルに搭乗、ロボットアースの操作などを担当。

2000年にもMSとして搭乗し、ISSの組み立て作業に携わった。その後、日本、アメリカ、

カナダ、ヨーロッパ、ロシアでのISSシステム訓練、冬山や海底での極限環境訓練を重

ね、高い技術とリーダーシップが評価され、日本人初のISS長期滞在クルーに任命され

た。2008年に3ヶ月の宇宙滞在が予定されている。



「ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く」 リサ・ランドール著 塩原通緒・訳 NHK出版
を参照されたし。


 


リサ・ランドールの言葉 (本書より引用)



そのとおりです。でも、アインシュタインが一般相対性理論を完成させるのには、実は

10年かかっています。彼は、今、本に書かれている一目瞭然にわかるような理論を、

突然ひらめいたわけではなく、やはり物理学によるアイデアと数学による検証の間を

行ったり来たりしているのです。



やはりわたしは、多くの人に物事の仕組みを理解してほしかったのです。わたしのなか

に「強く伝えたい」という思いがなければ、いくら小説やイラストを入れてみたところで、こ

のような「物理の本」を誰も読んでくれなかったでしょう。物事の仕組みに対していったん

おもしろいと感じれば、解くべき課題が次々に自然と現れてきて、それが楽しみのひとつ

にもなります。課題が出てくれば今度は、あらゆる可能性をピースとして置きながら、パズ

ルを進めていくことができます。これが物事を解明し、理解できるということです。そして

わたしがこの楽しさをみなさんに伝えることに情熱をもって取り組んだからこそ、みなさん

が心から関心を抱くようになってくれたのだと思っています。



そうですね。日本の女性にも、ぜひわたしのように好きな分野で活躍してほしいですね。

科学に限らず対象が何であれ、興味を抱いたことを積極的に追求し、自分を信じて環境に

適応して進んでいってほしいです。さらには、日本だけでなく、世界中のすべての人に同等

の機会が与えられることを願ってやみません。



おもしろいことに、わたしが5次元世界の概念から感じたことも、ある意味、今、あなたが

おっしゃったことに、よく似ているような気がします。それは神を感じるような経験ではありま

せんが、目に見えない5次元に思いをめぐらせていると、「宇宙の神秘に対する畏敬の念」

が湧きあがってくることがあります。研究に没頭していると、あまりに課題に集中しすぎて、

今、自分が何をしようとしているのか、ということを見失いがちです。でも、人から自分の研究

について尋ねられると、一歩ひいて客観的に状況を捉えることの重要性を思い出し、「いった

いこの研究はどんな意味をもつのか」と改めて自分に問うことになります。物理や科学という

観点からではなく、もっとフラットな目で自分の取り組んでいることを見つめてみると、それが

どれだけ奇抜な発想であるかということにハッと気づかされることがあるのです。そのときに、

宇宙には観測可能なもの以外に想像を絶するほど多くの事象が存在することを改めて強く

感じ、宇宙の神秘に対して、畏敬の念を抱きます。



若田・最後に今世紀を生きるうえで、あなたが最も大切にしたいものは何でしょうか。

探究心、理解力、友情、この三つですね。探究心、すなわち、「なぜ物事は今日、わたした

ちに見えるように現れているのか」・・・・それを知りたい、解き明かしたい、そう思うことは、人

間が生きていくうえでの考え方の基礎になります。けれども、目の前にある世界だけを見てい

ては、人は往々にして間違った仮説を立ててしまいます。自分以外の人間を理解する力、自分

以外の文化や世界を理解する力が、より深い大きな意味での理解に結びついていくのだと思い

ます。わたしの研究にとって、そして人生にとって不可欠なのは、お互いにこうした関係を築くこ

とのできた友人たちなのです。


 


若田光一の言葉 (本書より引用)



宇宙旅行を体験したあと、たくさんの方から、宇宙に飛び立つ前と比べて人生観が

変わるようなことがあったかと、聞かれます。実は大学生のときに、立花隆さんの『宇宙

からの帰還』というアポロの宇宙旅行士たちへのインタビューを収載した本を読みました

が、そのなかに、宇宙飛行中、あたかも神の神秘に触れたかのような経験をしたという

宇宙飛行士の発言があったのが強く印象に残っています。そんなこともあって、わたし

自身もこの宇宙飛行が自分にもたらす影響にとてもワクワクしていたのですが、実際に

最も強く感じたことは、「地球の環境を守らなければいけない」という使命感のようなもの

でした。



ランドール・なぜそう思われたのですか。

フランク・ドレイク博士は、この全宇宙に、わたしたち人間や宇宙人のような知能の高い

生命が存在する可能性を示唆する「ドレイク方程式」を提唱しました。わたしも、オアシス

のような美しい地球を眺めていると、過去、現在、あるいは未来において、宇宙のどこか

に何らかの文明が存在するかもしれないと強く感じました。もちろん、その文明を築いた人

びとが自分の文明自体を破壊してしまうほど愚かでなければの話です。同時に、わたしたち

も自らの文明を破壊するようなことがあってはならないと思ったのです。宇宙を探査しフロン

ティアへと挑んでいく一方で、もっと地球の環境を守っていかなければと実感しました。



美に共鳴しあう生命


 


目次


1章 わたしたちは異次元世界に囲まれている

5次元世界とは何か 

わたしたちは、「膜」に存在する

3次元世界を2次元世界から見る

高次元世界の存在を確信したとき

科学の二つのコミュニケーション



2章 万物の成り立ちを解き明かしたい

異次元ブームの到来

「解き明かす」ことの楽しさを共有したい

異次元の不思議に魅了された少女時代

「成功したければ質問しなさい」

「女性の科学者」というレッテル



3章 5次元世界と宇宙の謎

宇宙の謎を解くカギは重力

異次元の存在検証へ・・・2007年の加速器実験

人工衛星で重力波を検出する

ほかの3次元世界や生命体は?

ダークマターとダークエネルギー

宇宙には見えないものが数多く存在する

5次元世界と未来のわたしたち

21世紀への提言



インタビューを終えて

宇宙には見えないものが確かに存在する・・・若田光一



解説

現代物理学の謎とリサ・サランドール・・・向山信治


 


2012年2月25日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



理論物理学者 リサ・ランドール (写真は他のサイトより引用)



量子力学では「ひも理論」「M理論」から11の次元が導き出され、ハーバード大学教授である

リサ・ランドールは5次元宇宙の姿を私たちに提示しています。



ここまで来たら私には理解不能ですが、一つ言いたいことがあります。



それは4次元〈この3次元の世界+時間〉の他に違う次元があるとでも言ったら、つい最近ま

で気が狂っていると思われたことでしょうし、私もそう思っていました。



しかし、とんでもない空想物語としてしか捉えられなかった異なる次元が、現在多くの学者に

よって真面目に研究され主流になりつつあります。



ここから教わることは、たとえどんなに突拍子もない話でも排除してはいけないということなの

だと思います。



科学はたった一つの発見でそれまでの定説が打ち消される可能性を常に秘めており、今私た

ちが常識と捉えていることも100年先の未来では化石としての意味しか持たないのかも知れ

ません。



難しいことかも知れませんが、常にあらゆる可能性から目を背けてはいけないと感じています。



(K.K)



 

 

2012年3月10日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



宇宙ステーションから見た地球の夜景とオーロラ



オーロラは美しい、しかしこの地球の夜景が、地球全体を覆う火のようにも感じてなりませんでした。



宇宙飛行士、若田光一さんの言葉を紹介します。この言葉は、NHK未来への提言「リサ・ランドール 

異次元は存在する」NHK出版から引用しました。

☆☆☆☆



宇宙旅行を体験したあと、たくさんの方から、宇宙に飛び立つ前と比べて人生観が変わるようなことが

あったかと、聞かれます。実は大学生のときに、立花隆さんの『宇宙からの帰還』というアポロの宇宙

旅行士たちへのインタビューを収載した本を読みましたが、そのなかに、宇宙飛行中、あたかも神の

神秘に触れたかのような経験をしたという宇宙飛行士の発言があったのが強く印象に残っています。

そんなこともあって、わたし自身もこの宇宙飛行が自分にもたらす影響にとてもワクワクしていたのです

が、実際に最も強く感じたことは、「地球の環境を守らなければいけない」という使命感のようなものでした。



ランドール・「なぜそう思われたのですか。」



フランク・ドレイク博士は、この全宇宙に、わたしたち人間や宇宙人のような知能の高い生命が存在する

可能性を示唆する「ドレイク方程式」を提唱しました。わたしも、オアシスのような美しい地球を眺めている

と、過去、現在、あるいは未来において、宇宙のどこかに何らかの文明が存在するかもしれないと強く感じ

ました。もちろん、その文明を築いた人びとが自分の文明自体を破壊してしまうほど愚かでなければの話

です。同時に、わたしたちも自らの文明を破壊するようなことがあってはならないと思ったのです。宇宙を

探査しフロンティアへと挑んでいく一方で、もっと地球の環境を守っていかなければと実感しました。



☆☆☆☆



若田光一(わかた・こういち)

1963年生まれ。九州大学大学院工学府航空宇宙工学専攻博士課程修了。1992年、ISS(国際宇宙ステー

ション)の「きぼう」日本実験棟の組み立て・運用に備え、NASDA(現JAXA・宇宙航空研究開発機構)の宇

宙飛行士に選ばれる。翌年、NASA(アメリカ航空宇宙局)からMS(ミッション・スペシャリスト。搭乗運用技

術者)に認定される。1996年、日本人初のMSとしてスペースシャトルに搭乗、ロボットアースの操作などを

担当。2000年にもMSとして搭乗し、ISSの組み立て作業に携わった。その後、日本、アメリカ、カナダ、ヨー

ロッパ、ロシアでのISSシステム訓練、冬山や海底での極限環境訓練を重ね、高い技術とリーダーシップが

評価され、日本人初のISS長期滞在クルーに任命された。





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