未来をまもる子どもたちへ



2017年5月7日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



(大きな画像)




約40億光年離れた巨大な銀河団のアベル370と「重力レンズ」



アインシュタインは一般相対性理論(1915〜16年)から導き出された「重力レンズ」(巨大な質量を持つ天体の

そばでは重力の影響により光が曲がり、光学的な錯覚が生まれる)を、1936年に予言しました。しかし、それ

より12年前の1924年に、「重力レンズ」の理論をフヴォリソンがアインシュタインの一般相対性理論に基づき

最初に提唱しています。



現在、「重力レンズ効果」によるリング状の像のものをアインシュタインリングと呼んでいますが、上のことに

より正しくは、「フヴォリソン-アインシュタイン・リング効果」と呼ぶのが相応しいとの意見もあります。



「重力レンズ」とは、恒星や銀河などが発する光が、途中にある天体などの重力によって曲げられたり、その

結果として複数の経路を通過する光が集まるために明るく見えたりする現象のことで、この巨大な銀河団の

アベル370の画像を通して、その証拠が見られます。



画像全体にちりばめられた「円弧」もそうですが、特に画像中心からやや左下の長細い銀河の形は「ドラゴン」

と呼ばれ、「重力レンズ」によって歪められたと考えられています。



巨大な銀河団のアベル370(手前)と、細長い銀河「ドラゴン」(遠方)は、たまたま地球から同じ方向に見える

だけで、その距離は異なります。



約40億光年離れた、くじら座に属する巨大な大質量銀河団「アベル370」が、さらに遠い銀河(「ドラゴン」など)

の光を屈折させる様子が映し出されたこの画像には、科学的な理論を超えて、何故か宇宙の神秘さを感じ

させます。



宇宙はいまから140億年から160億年前に起こったビックバンによって膨張し冷えていったと考えられていま

すが、宇宙創成の時、私を構成するものと「アベル370」「ドラゴン」を構成するものの源は、今と姿かたちは

異なっても同じものだったんでしょうね。



このことを知識ではわかっていても、同じ源であることを感じる想像力が、一つの感覚として、自分の中で

はっきりと宿していないのを感じます。



 


宇宙千夜一夜 | Astronomy Picture of the Day | 画像・写真で分かる宇宙のひみつ より以下、引用。

銀河団アベル370と深宇宙──重力レンズ効果で初期宇宙を見る

約40億光年の彼方に大質量の銀河団「アベル370」があります。この鮮明なハッブル宇宙望遠鏡の写真では、
アベル370はふたつの巨大な楕円銀河に支配され、かすかに光るアーチが群がっているように見えます。

写真の中央左寄りにドラマチックな竜の形をしたアーチが見え、それに沿ってよりかすかな青みがかった
アーチが散在しています。この青いアーチは、アベル370からさらに遠く離れた銀河なのです。

その銀河はアベル370より2倍ほど遠くにあり、銀河からの光は、ほかのまだ検出されていない光とともに、
銀河団の莫大な重力質量──そのほとんどは目に見えないダークマターに占められています──によって
拡大され、アーチ型に歪められているのです。そのおかげで、私たちは宇宙の初めごろの銀河の姿を垣間
見ることができるのです。 じつに興味深いこの現象は、「重力レンズ効果」という名前で知られています。

「重力レンズ効果」は、重力によって時空そのものが歪められるために起こります。これは100年ほど前に、
物理学者アルバート・アインシュタインによって予言されていました。

写真の右下に、トゲのような光を放つ銀河系の星が見えます。アベル370は、そのはるか彼方、くじら座の
方角にあります。アベル370は、最近終了した「フロンティア・フィールズ」プロジェクトで撮影された
6つの銀河団の最後のひとつです。






120億光年彼方の深宇宙

http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/41/


120億光年彼方の深宇宙


ハッブル宇宙望遠鏡が小マゼラン雲などがあるきょうしちょう座の一部を10日間かけて

観測した際に撮影した画像だよ。ここに写っているだ円銀河や渦巻き銀河、クエーサー

の距離は地球から光の速さで120億年かかるところにあるんだ。つまり今初めて鮮明

に捉えられたこの深宇宙は、120億年前の姿なんだ。勿論肉眼ではこの深宇宙の壮麗

な姿を見ることはできない。しかし、この遥か彼方からの宇宙の光はかすかに私たちの

瞳にも飛び込んできているんだ。ただ肉眼では感じることができないだけにすぎない。

このわずか80年ぐらいしか生きられない私たち人間の肉体。しかし、この宇宙の150

億年という息吹をこのちっぽけな肉体の細胞はこの遥かな宇宙の歴史の鼓動をしっか

り受け取っているんだ。このちっぽけな鼓動をインディアンなどの先住民族の方たちは

肌で感じていたんだよ。私たち文明人は快適さや便利さと引き換えにこの偉大な受信機

を次第に失っていったんだ。私たち一人ひとりがこの150億年という息吹の中に置か

れ、そのものの中に生きている。こんなことを想うと、生命の神秘さに打ち震えてしまう。

たった80年くらいしか生きられない私たち人間でさえも、遥か150億年の息吹きの中

に立っているんだ。そしてこの宇宙の鼓動を感じ取っていた先住民族の方たちの視点は

いつも七世代先の未来の世界に置かれていた。宇宙的な視野の広さを持っていたんだ

ね。さて、皆さんは宇宙の歴史は大体150億年と言われていることを知っていますか。

つまりどんなに遠くの天体でも地球から150億光年より先には存在していないことにな

るんだ。上の画像は120億年前の銀河の姿。こんな遠くの光速に近い速度で地球から

遠ざかっている銀河を捉えたことは、宇宙の初期に銀河や恒星がどのように形成され

ていったかを解明する貴重なデータとなるらしい。米宇宙望遠鏡研究所は「今回の観測

データは天文学の金鉱脈になるどろう」と言っているんだ。120億年と言ってもどんな

スケールなのかピンとこないよね。でもこんなことを考えてみたらいいと思う。実は私た

たちの母なる太陽が産まれて死ぬまでの時間が120億年なんだよ。原始太陽が産ま

れ、黒色わい星となって宇宙の暗闇に消えてしまうまでの時間。そう、この太陽の長い

一生の時間をかけて、この画像の銀河の光が今届いているんだ。だから、この画像は

まだまだ太陽系など存在していなかった遥か昔に旅たった光なんだよ。




Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics(CFA)、Press Relaese- 05 - 08:
Young Universe Looks Like "Vegetable Soup"


宇宙が産まれてたったの20億歳から30億歳のころの想像図だよ。勿論、こんな

水を持った惑星があったかどうかわからないけどね。研究者たちは今まで、この

初期宇宙には若い小規模の銀河が広がる宇宙を想像していたんだ。ところが、

NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡に搭載された赤外線カメラが観測した100億

から120億光年先の銀河には、初期宇宙は広範囲に渡って複雑な姿をしてい

たことがわかったんだ。若くて塵の多いものや塵を持たないもの、年老いてい

ながらちりを多く持つものや塵のないものなど、実に多様な姿だったんだ。特に

既に多くの星を生み出し星形成が終わっている赤い銀河が、この初期宇宙で

発見されたことに、研究者は驚いてしまったんだ。





この画像はいて座のスタークラウドで、銀河の中心方向にある恒星が密集

している領域を写したものなんだ。青い星や赤い星など様々な色の星が群

れをなしていて、宝石をちりばめたような何と美しい眺めなんだろう。ため息

でるほどうっとりとしてしまうね。星の色は表面の温度を表しており、これから

星の質量や年齢が推測できるんだ。銀河中心部の恒星進化の様子は、私

たちの銀河系がどのように発展してきたかの手がかりとなるんだよ。また、

このような観測を通して宇宙全体の銀河の数はこれまで考えられていたよ

り五倍の500億個くらいあると言われるようになったんだ。




画面の中央が射手座で私たちの銀河系の中心があるところ

なんだ。右側の方にはさそり座が見えているね。


この私たちが住む銀河系というのは半径約5万光年の広がりを持つもの

なんだよ。銀河系の中心から太陽系までの距離は約2万8000年光年だ。

そして太陽系、もちろん地球もこの銀河系の中心を一秒間に270kmという

ものすごいスピードで回っているんだ。何かじっと動かない地球に感じるけ

れど、いまこの時もこんなすごいスピードで回っているんだね。この太陽系

は2億年もかかって銀河系を回るんだ。だから太陽系が出来て50億年だ

から、太陽系が産まれてからまだ25回しか回っていないことになる。こんな

ことを想像すると銀河系の巨大さは想像もつかないね。ところで、この射手

座には銀河系の中心があると言ったけど、実はここに太陽の質量の200

万倍のブラックホールが存在しているんだよ。正確な場所は「射手座A」と

呼ばれる電波源の近くにある3つの星の位置変化を4年間かけて観察した

結果わかったことなんだ。これらの3つの星はブラックホールの周囲を周回

しており、それらの速度の変化を精密に求めた結果から求められたんだ。

そして特定された位置は「いて座A」のすぐ近くで、これまで考えられていた

ブラックホールの位置と完全に一致し、改めてそれが証明されたんだよ。


ハッブル史プロジェクト・ホームページ
http://heritage.stsci.edu/

ニュース・リリース(英文)
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/28/index.html





巨大銀河団(Abell 2218)


りゅう座にあるこの巨大銀河団は、地球から20億年光年の彼方にあるんだ。銀河団と

いうのは、銀河群( 銀河が3個以上、数十個程度以下の銀河の集まりのことを指す)より

大規模な恒星の集団を呼ぶんだけれど、直径数千光年の空間に数百〜数千個の銀河

が集まっているんだよ。私たちの銀河系にもっとも近い銀河団は「おとめ座銀河団」と呼

ばれるもので1000個以上の銀河が集まっているんだ。さて上の画像の巨大銀河団は

とてつもなく巨大であるため、その背後から来た光をその巨大な重力により偏向させて

しまうんだ。この光学レンズによる屈折効果に似ている現象は、重力レンズ効果と呼ば

れ、はるか遠方の物体の像を拡大したり、集光したり、また歪めたりといった効果を生む

ことになるんだ。だから上の画像には、どんなに大きな望遠鏡でも捉えることが出来ない

遠くの銀河の姿も映っているんだ。



宇宙の誕生から再イオン化を経て現在に至る歴史の概観図



PPARC News: Superwind discovered spreading Star Dust across the Universe


この画像は2005年8月にイギリス、ダラム大学の率いる研究チームが、115億光年

離れた銀河で起きた大爆発のなごりを発見したんだけど、これがその想像図だよ。

「スーパーウィンド」は、惑星や生命を作るのに必要な物質を宇宙に広く行き渡らせ

る、超高速で吹き出す物質の流れのことを言うんだ。これは銀河が出来たばかり

のころ、巨大質量の星が数多く爆発し、銀河中心の超巨大ブラックホールがエネ

ルギーを与えたことが引き金となっているらしい。この吹き飛ばされた物質は、なん

と秒速数百キロメートルの速さに達するんだ。




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