2012年2月17日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
写真は月を彩色(科学構造の種類別)したものです(NASAより引用)
<月の神> 「日本人の魂の原郷 沖縄久高島」比嘉康雄著 集英社新書より引用
◎月も、太陽と並ぶ久高島の最高神である。
月神は<マチヌシュラウヤサメー>(マチは待つ、シュラは美しい、ウヤサメーは尊い親の意)と
いっている。
月の光の柔らかなイメージが女性のイメージと同質と考えたのか、月神は神女たちの象徴で、
家レベルでは根神が、シマレベルでは外間ノロがその司祭者である。
また月は女親であって産む能力を持っていて、久高一人一人の命に責任があると考えられ、
出生のとき、結婚のときは月神に報告し守護を頼む。年始めの健康願いも月神に祈る。
穀物を生産する力も月神で、麦、粟で作った濁酒は月神の守護力を持った尊いものである。麦、
粟の農作祈願祭祀はこの濁酒を神女たちが「共飲して」おこなわれる。
太陽が一日の周期を考えるのに対し、月は一ヶ月の周期で考えられる。つまり、月の満ち欠け
によって月日を読む。
月もその光によって守護力が発揮されると考え、十三、十五、十八夜は守護力が強い吉日と考え、
祭祀の適日である。イザイホーも十五の満月の夜から始める。一年で月神の守護力である月光
が最も充実しているのは旧暦八月の十五夜である。
この満月の夜に穀物の豊作と神女たちの健康願いがおこなわれる。月神も太陽神と同じく地上に
降臨することはなく、香炉もないまま、神饌を供える高膳が外間殿にあるだけである。月神を象徴
する色は白である。また月は普通、チチと呼ばれている。なお、日食は月神と太陽神の逢引とい
われている。
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月のリズムで生きていた男 「月の本」林完次著 光琳社出版 より引用
◎スタンフォード大学医学部のL.マイルズ博士らが、ある盲目の男性の生体リズムについて研究
を行った。
先天的に目の不自由なこの男性は、睡眠リズムが周期的にひどく乱れるため、何年も苦しんで
いたのである。
実験室内において脳波やホルモン、体内活動などの生物学的機能をかなりの日数をかけて記録
してみた。すると、この被験者の体温、緊張の度合い、正常時の睡眠パターンには、ある一定の
周期があることがわかった。
それらはすべて、24.8時間という周期だったのである。太陽の1日のリズムは24時間だが、月
の1日のリズムは24・8時間である。つまり、この男性にみられた周期は、月のそれとまったく同
じだったわけである。さらに驚いたことに、彼の睡眠開始時刻は、実験が行われた地域の干潮の
時刻とぴったり一致していたというのだ。
よく知られていることだが、生物の体内には、外的環境などの影響とは無関係に体のリズムを保つ
タイマー、「体内時計(生物時計)」が組み込まれているという。人間の体内時計は約25時間といわ
れるが、厳密には、月のリズムと同じ24.8時間なのかもしれない。
(K.K)
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