「終盤の300題」

Irving Chernev アーヴィング・チェルネフ著 水野優 訳 チェストランス出版


 







水野さんによる3冊目の終盤戦教本である。終盤の技術・知識を知らずして中盤からの勝ちの手筋

を見つけるのは不可能だし、棋力向上のためには必要不可欠な分野である。一見難しそうな終盤戦

の技術・知識を著者チェルネフは初心者でも読み進めることができるよう易しく導いているのが本書

の特徴であり、同じ水野さんの訳本アヴェルバッハの「終盤の基礎知識」と共に日本語で読めること

は貴重である。



水野さんが訳された外国の本



チェス文献「ミハイル・タリ 名局集」 ピーター・クラーク著 水野優・訳 チェストランス出版

「3手読んで勝つ戦術」アーヴィング・チェルネフ+フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「実戦的スタディ集」 チェス・クラシックス2 ハンス・ボウメスター著 水野優 訳 チェストランス出版

「チェス上達の手引き」 I.A.ホロヴィッツ+フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」第2版 ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「グランドマスターのように考えよう」アレクサンダー・コトフ著 水野優・訳 チェストランス出版

「161 ミニチュア(短手数局)集」レナード・バーデン ヴォルフガング・ハイデンフェルト著 
水野優 訳 チェストランス出版


「チェス 終盤の基礎知識」ユーリ・アヴェルバッハ 著 水野優 訳 チェストランス出版

「いちばん学べる名局集」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳 チェストランス出版

「ボビー・フィッシャー 魂の60局」ボビー・フィッシャー著 水野優訳 評言社



 




以下、本書より引用



内容紹介


チェス古典書を現代によみがえらせる希代のチェス 翻訳家、水野優によるチェス・クラシックス・シリーズ

待望の7冊目。チェス・クラシックス4『終盤の基礎知識』の後で読むには最適の例題集。レイティングの目

安は1200~1800。実戦的問題にスタディがほどよく混ざっており、チェス・クラシックス2『実戦的スタディ集』

より易しい。



本書は、アーヴィング・チェルネフ(Irving Chernev)のPractical Chess Endings(1961 Simon and Schuster)

を和訳したものである。棋譜も記述式(英米式)から現代の代数式(国際式)表記に改めた。本書には、ルー

ルや記譜法に関する説明がないので、読む前には、最低でも何か一冊はチェスの入門書を読了するか、

インターネットなどでチェスの基礎知識を学んでおく必要がある。



訳は自然な日本語表現を心がけ、専門用語を不必要に訳文に反映して難しくすることは極力避けた。

回りくどい言い回しや比喩は、わかりやすさを優先して言い換えるか、不要と思われる場合は割愛した。

原文の棋譜などの明らかな誤りは、指摘せず修正した。説明の難しい部分には、手順を補足した。

人名の発音に関しては、原語の標準的な日本語表記になるように努めた。ロシア語の古いアルファベット

表記は、ネット検索の便を考慮して現代の一般的なものに改めた。300題の問題は、すべて「白番、白

勝ち」なので、それを個々には記さなかった。



原書では、すべての問題に開始局面図しかないが、本書では、主に解説手順の長い問題に途中や最終

の局面図を追加した。さらに、見開き2ページ単位を区切りとし、問題がそれをまたがないようにした。

やむを得ない場合は、偶数ページの最初に途中の図を追加し、問題の途中で前のページに戻らなくても

いいように配慮した。



本書が難しすぎるという方には、チェス・クラシックス4『終盤の基礎知識』を先に読まれることをお勧め

する。(以上「訳者より」より)



著者について

著者: アーヴィング・チェルネフ(Irving Chernev 1900-1981)

ロシア系アメリカ人のチェス作家。チェルニーヒウ(現ウクライナ)に生まれ、1920年にアメリカへ移住した。

棋力はナショナルマスター・レベルだったが、チェスへの深い愛情が感じられる技法書や読み物を20冊

ほど残した「奇跡の人」として知られている。それらは該博な知識に基づき、見事な語り口で書かれてい

るが、ほとんどが古い記譜法で記されており、入手困難なものもある。



訳者: 水野 優(みずの ゆう 1962-)

マルチクリエーター。1985年にチェスを始め、レイティングJPCA(現JCCA)2200以上(当時国内最高)、

ICCF2300以上を記録した。チェスに関して は、現在はどの団体にも所属せず、出版の他には松戸

チェスサークルで初級者向け講義をしている。ホームページ「チェストランス」で公開している訳もある。

2011年5月には、評言社からも訳書『ボビー・フィッシャー 魂の60局』が出版された。チェスを題材にし

たCGアニメ制作にも取りかかっている。




 


本書より引用 アーヴィング・チェルネフ


エイミーとメルへ 序文



終盤戦の基本的な目的は、ポーンを昇格させて新たなクイーンを作ることだ。クイーン得になれば、たい

てい勝てるだろう。



本書は、キングとポーンの終盤・・・ポーンをクイーンにすることで勝てる終盤・・・に十分な紙面を割いて

いる。パーディは「キング+ポーン VS キング」の終盤について何も知らない者は ちぇす・ぷれーやー

と自称できない」と言っているが、私も同意見だ。



他の章では、ナイト、ビショップ、ルーク、クイーンが重要な役割を果たす。ポーンの昇格を助けたり、自ら

が協力し合ってメイトに持ち込んだりする。



すべての問題は、「白番で、白の勝ち」だ。だから、局面図も、すべて白のポーンが下から上へ進む向き

で一致している。



本書は、終盤戦で単純明快かつ効果的に勝ちたい実戦家の技術改善のために書かれている。しかし、

終盤戦の芸術性に心酔する愛好家を無視したわけではない。鑑賞向きの見事な作品も数多く収録した。

だから、著者として、すべての要求にかなうと期待している。







終盤戦で役立つ指針・原則



1 キングを活用せよ、キングは、終盤戦では不可欠な戦力になる。

2 パスポーンを作れ。そして昇格させろ。

3 駒得しているなら、ポーンではなくピースを交換せよ。

4 ポーンは、味方のビショップと違う色、相手のビショップと同じ色のマスに置け。

5 ルークは、パスポーン(敵味方を問わない)の後ろに回り込ませよ。

6 ルークで相手キングの接近を遮断せよ。

7 優勢なら、クイーン作りに手間をかけすぎるより、チェックメイトを目指せ。

8 ポーンを時期尚早に突く前に、ピースを活動的に連携させよ。

9 クイーン側とキング側の両方に狙いやパスポーンを作れ。

10 優勢なら、勝勢の終盤戦へと単純化せよ。

11 ビショップは、一般的にナイトより強い。

12 2ビショップは、ポーンがブロックされた局面以外では、2ナイトより強い。

13 ルーク+ビショップは、一般的にルーク+ナイトより強い。

14 クイーン+ナイトは、一般的にクイーン+ビショップより強い。

15 ルークを7段目に侵入させることは、1ポーン得に相当する。

16 最もドローになりやすいのは、色違いビショップが残った終盤戦だ。









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