「3手読んで勝つ戦術」
Winning Chess How to see three moves ahead

アーヴィング・チェルネフ+フレッド・ラインフェルド著 水野優 訳 チェストランス出版








1948年に発行されたチェルネフとラインフェルドの本だが、現在でも海外では最高の評価を

得ている。著者達が「如何にしたら上達するのか」の解答を、1851年から著者が生きた時代

まで指された5万局の棋譜から求め、そこにコンビネーションを正しく使うことの意味を見出す。

この文献の特徴は初心者でも読み勧めることができることであり、複雑な問題を解くより、比較

的簡単な問題を詳しい解説で読みながら習熟させる方法を取っている。この文献より後の時代

に出たチャンドラーの「どうしたらチェスできみのパパに勝てるか」「チェス 魔法の戦術」もこ

の流れを汲んでいる文献である。



水野さんが訳された外国の本


チェス文献「ミハイル・タリ 名局集」 ピーター・クラーク著 水野優・訳 チェストランス出版

「チェス上達の手引き」 I.A.ホロヴィッツ+フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「実戦的スタディ集」 チェス・クラシックス2 ハンス・ボウメスター著 水野優 訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」第2版 ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「グランドマスターのように考えよう」アレクサンダー・コトフ著 水野優・訳 チェストランス出版

「161 ミニチュア(短手数局)集」レナード・バーデン ヴォルフガング・ハイデンフェルト著 
水野優 訳 チェストランス出版


「チェス 終盤の基礎知識」ユーリ・アヴェルバッハ 著 水野優 訳 チェストランス出版

チェス文献「終盤の300題」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳 チェストランス出版

「いちばん学べる名局集」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳 チェストランス出版

「ボビー・フィッシャー 魂の60局」ボビー・フィッシャー著 水野優訳 評言社



 






アマゾン内容説明より引用



本書は、初中級者向けのチェス書で特に定評のあったアーヴィング・チェルネフ(Irving Chernev)と、

著書が100冊以上もあるフレッド・ラインフェルドの最強コンビによる原書 Winning Chess : How to

See Three Moves Ahead(1948 Simon & Schuster, New York)を和訳したもので、棋譜も記述式

(英米式)から現代の代数式(国際式)記譜表記に改めました。原書は、米amazonで37のレビュー

すべてが 最高の☆5つという驚異的な高評価を得ています(2012年9月12日現在)。



チェス古典書を現代によみがえらせる希代のチェス 翻訳家、水野優によるチェス・クラシックス・

シリーズ待望の6冊目。『チェックメイトの技法』『終盤の基礎知識』と並んで、入門書を読み終わっ

てからさら に上達するには最適の内容です。例題と問題の合計は333、局面図は600以上。戦術

テーマがピンだけの例題から始まり、徐々にレベルアップ。巻末には、戦術のデパートのような実戦

例 まで付いています。



次ページからの「本書の活用法-読者のために」では、図を目で追うだけではなくチェスセットで実際

に並べることを著者が強く勧めて いる。しかし、ほとんどの例題に図が二つ(開始局面と途中局面)

ずつあることは、本書の大きなメリットだ。初級者の方でもちょっと想像力を働かせれば、図 の上で

手順を追いかけられるだろう。これなら、電車の中でもチェスセットを使わずに読めるし、駒を頭の

中だけで動かす易しい練習にもなる。各章の最後にある「問題」がそれまでの例題より意外と簡単

なのも、本書の特徴だ。本書がかなり易しいと思われ る方には、例題も自分で解くことを勧める。

本書が難しいと思われる方は、例題で学んで最後の問題に挑戦されればいいだろう。そして、答え

を忘れた頃にまた 例題を見れば、自力で解けるかもしれない。(以上「訳者より」より)



多くの実例とコンビネーションの分析方法を学べば、ピースが組み合わさる威力をよりよく理解でき

るようになるだろう。勝ちパターンは、何度も繰り返すこ とで慣れ親しんでくる。与えられた局面で、

二重攻撃、ナイトのフォーク、後のページで出てくる他の戦術のどれを活用すべきかが、わかるよ

うになるだろう。 勝ちパターンに精通することで、雑然としていた自分の考え方が整理されていくこと

に気づくだろう。戦術を使いこなせるようになれば、コンビネーションのプ ランを立てることも習慣化

する。コンビネーションの活用が、勝利への鍵となるのだ。(以上「本書の活用法-読者のために」より)



各戦術テーマ等については「目次」のリンクまたは「なか見!検索」参照。

著者について

著者: アーヴィング・チェルネフ(Irving Chernev 1900-1981)

ロシア系アメリカ人のチェス作家。チェルニーヒウ(現ウクライナ)に生まれ、1920年にアメリカへ移住

した。棋力はナショナルマスター・レベルだった が、チェスへの深い愛情が感じられる技法書や読み

物を20冊ほど残した。原書はほとんどが古い記譜法で書かれており、入手困難なものもある。



著者: フレッド・ラインフェルド(Fred Reinfeld 1910-1964)

アメリカ人チェス作家で、編集物を含めて100冊以上もの著作をを残した。ほとんどは初心者向けの

チェス書だが、世界チャンピオンを始めとする有名棋士 の名局集などもある。棋士としては、レシェ

フスキーやマーシャルに勝ったこともある。



訳者: 水野 優(みずの ゆう 1962-)

マルチクリエーター。1985年にチェスを始め、レイティングJPCA(現JCCA)2200以上(当時国内最高)、

ICCF2300以上を記録した。 チェスに関して は、現在はどの団体にも所属せず、出版や初級者向け

講義をしている。ホームページ「チェストランス」で公開している訳もある。2011年5月には、評言社か

らも訳書『ボビー・フィッシャー 魂の60局』が出版された。チェスを題材にしたCGアニメ制作にも取り

かかっている。




 


本書より引用 アーヴィング・チェルネフ フレッド・ラインフェルド


セルマとビアへ



本書の活用法 読者のために



初心者から強豪まで、チェスを指す者はすべて、「どうすれば上達するのか?」という疑問を抱え

ている。この最善の回答を求めようとし、我々著者は、1851年から今日まで偉大なマスターたちが

トーナメントとマッチで指した5万局のゲームを研究してきた。この徹底的な調査によって、長年の

思いが確証を得た。コンビネーションを正しく使うことが、勝つ秘訣だと



コンビネーションというと、チェックメイトへ直行する方法を想像されるかもしれない。しかし、ほとん

どの場合、コンビネーションは、ピースやポーンを駒得する手段として使われる。実力が互角なら、

1ピース得(他に例外的な要素がない局面で)は、相手に投了を迫るには十分だ。そんな不利な戦

力の相手が敗北を妨げる可能性は、ないに等しい。1ポーン得でも決定的だが、1ピース得に比べ

れば、もっと抵抗されるに違いない。目的をはっきりさせるために、本書のすべての駒得を目指す

問題図では、駒得する相手がその代償を得られないようになっている。



コンビネーションは、単純で基礎的なわかりやすい要素に分解できる。例えば、ピン、ナイトのフォ

ーク、二重攻撃、ディスカバード・チェック、ダブル・チェック
などに。これらの戦術テーマには、

それぞれ異なる特徴があり、そのパターンが存在を誇示するように、何度も現れる。



しかし、これらのパターンは、目的にかなっていなければ用をなさない。例えば、ピンに関する章で

は、相手のキングとクイーンが(縦か横か斜めの)一直線上に並んだときピンすることを学ぶ。この

ピンにつけ込むテクニック(ピンされたピースへのさらなる攻撃、またはそれを守るピースを追い払

うか交換によって崩すなど)に関しては、実戦から引用された決め手のある明快な局面を使って

解説されている。



各章の実例は、最後になるほど難しくなる。しかし、逆説的だが、難しい局面を意外にも簡単に思

えるかもしれない。それは、戦術テーマに完全に慣れ親しんだからだ。これらのテーマを自信を持っ

て応用できるようになれば、その活用機会を本能的に予測できるようにもなる。テーマを一つだけ、

または複合して使うことで、勝つチェスへの一歩を踏み出せるだろう。



戦術テーマは、実戦で生じる頻度順に並べた。勝つために最も重要なテーマは、ピンまたはピンの

狙いだ。だから、ピンを最初にした。使われる頻度が高ければ、当然ながら応用力も高い



我々は、わかりやすい言葉で書くことを努めた。駒の動かし方ぐらいしか知らない読者が、専門用語

に戸惑わないためだ。そして、意図的に繰り返した。「チェックの対処が最優先なのを覚えておこ

う!」とか「すべての取る手を調べよう! 相手の応手を制限するために」などの格言は、何度も出

てくる。これは、強制的なコンビネーションを思い描くマスターのような習慣を、読者が徐々に身に

付けられるようにするためだ。



実際の局面は、学習かつ鑑賞のために選別した。これらはおむね単純なので、頭の中だけで駒を

動かせるだろう。だから読むのが楽しくなる。コンビネーションには抗いがたい魅力があるのだから。



しかし、これは上達の学び方ではない! 上達したければ、実物の盤と駒を使うべきだ。それぞれ

の局面を盤に並べて、解説通りに駒を動かす。図を一瞥して「すごく簡単」とつぶやき、次の図へ向

かうのでは不十分だ。コンビネーションを実際に動かしてみることで、その基本的な考え方を

吸収し、自分のゲームで応用できるようになるのだ




どの戦術テーマも、二、三の段階を経て習熟できるように構成されている。だから、すべての勝ち

パターンの概略は、それがいかに巧妙さを装っていても露呈する。習うより慣れろだ。この徹底的な

方法で一つの戦術テーマを学べば、その本質を把握できるだろう。章末の問題が、とても簡単に思

えるはずだ。



棋譜の約束事について少し触れておこう。実際に指された手順は、太字(3 Be5)で表記した。指さ

れたかもしれない(実際には指されなかった)手順は、通常の細い書体(3 Be5)で表記した。最初は

実際の手順を並べ、後で他の候補手を試すといいだろう。ドットは、黒の手を表すために使った。

3 Be5は、白がビショップをe5へ動かす手だが、3...Be5は、黒がビショップをe5へ動かすことを意味

する。



チェスでは、好手から悪手までの評価を驚くほど簡単な方法で表すことがdきる。感嘆符(3 Be5!)

は、華麗な手や唯一の決め手などに使われる。二つの感嘆符(3 Be5!!)は、絶妙手を表す。



感嘆符がひらめきへの称賛と敬意を表すように、疑問符は陰鬱な雰囲気で悪手を取り囲むように

付けられる。つまり、3 Be5?は悪手、3Be5??は大悪手(ポカ)だ。



感嘆符と疑問符の組み合わせもある。3Be5!?は、聡明だが成立しない危険な手だ。不注意な相手

には思い切って使えるかもしれないが、一流の相手には使えないことを意味する。逆に3Be5?!は、

決して成立しないが、やや狡猾な手だ。結論として、3Be5?!は、3Be5!?よりかなり劣る。



多くの実例とコンビネーションの分析方法を学べば、ピースが組み合わさる威力をよりよく理解でき

るようになるだろう。勝ちパターンは、何度も繰り返すことで慣れ親しんでくる。与えられた局面で、

二重攻撃、ナイトのフォーク、後のページに出てくる他の戦術のどれを活用すべきかが、わかるよう

になるだろう。勝ちパターンに精通することで、雑然としていた自分の考え方が整理されていくことに

気づくだろう。戦術を使いこなせるようになれば、コンビネーションのプランを立てることも習慣化す

る。コンビネーションの活用が、勝利への鍵となるのだ。



1947年12月10日 アーヴィング・チェルネフ フレッド・ラインフェルド


 


目次

訳者より

本書の活用法 読者のために



1 無数の選択肢から戦術を見つける

2 勝ち方

3 率直な表現で

4 ピン

5 ナイトのフォーク

6 二重攻撃

7 ディスカバード攻撃

8 ディスカバード・チェック

9 ダブル・チェック

10 過負担ピース

11 防御崩し

12 返却不能

13 串刺し

14 昇格のコンビネーション

15 危険な最後段

16 連携崩し

17 仰天手

18 コンビネーション

19 チェックメイトの作戦

20 勇敢な防御術

21 実戦例



問題の解答








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