地球の上空から見たハレー彗星、太陽、プレアデス星団(すばる)
(この画像は大接近した1910年当時を再現したものです)
APOD: 2006 August 28 - Eight Planets and New Solar System Designations
これらの惑星は太陽の周りをぐるぐる回っている。一番上の水星は太陽の 一番近くを回る惑星で、昼間の温度が約430℃もあるんだ。でも夜はなんと マイナス160℃まで下がるんだ。ちょっと住めそうにないね。金星は地球と 地球と同じぐらいの大きさなのですが、空は濃い硫酸の雲でおおわれ、地表 の温度が460℃もある。それに気圧がなんと90気圧もあるんだ。この90 気圧は深さ900mの海底にもぐったときの水圧と同じものなんだよ。この星 もとても住めそうにない。金星と地球の運命を分けたのは、太陽からの距離 が地球よりわずかに近いところにあったからなんだ。
|
上の画面にある射手座の矢が向いている先は、私たちの銀河系の中心が あるんだ。実はこの銀河系というのは半径約5万光年の広がりを持つもの なんだよ。銀河系の中心から太陽系までの距離は約2万8000年光年だ。 そして太陽系、もちろん地球もこの銀河系の中心を一秒間に270kmという ものすごいスピードで回っているんだ。何かじっと動かない地球に感じるけ れど、いまこの時もこんなすごいスピードで回っているんだね。この太陽系 は2億年もかかって銀河系を回るんだ。だから太陽系が出来て50億年だ から、太陽系が産まれてからまだ25回しか回っていないことになる。そして 太陽系の大きさを一円玉にすると、銀河系の大きさは札幌から鹿児島まで の広がりを持つことになるんだ。こんなことを想像すると、銀河系の巨大さは は想像もつかないね。
|
太陽が光り輝いていますね。実は太陽にも隠れた秘密があるんです。 太陽からの光は約8分で地球に到達するんだけど、このエネルギーは 実は200万年もかかって太陽の中心部から届いたものなんだ。だから 、今私たちが感じている太陽のエネルギーは200万年もの昔に創ら れたものなんだよ。これは太陽の中心部から表面に届くまでにこれだ け多くの時間がかかるということなんだ。本当に気が遠くなる時間だけ ど、私たち一人ひとりもそれだけの時間の中に身を置いているんだね。 200万年前というと地球上では氷河時代だったんだ。この頃から人類 は石器を使うようになるホモ・ハビリス(旧原人)が登場してくる。ちなみ に人類の祖先は380万年前にアフリカに現れたアウストラロピテクス (猿人)だとされているんだよ。この時はまだ火を使うことを知らなかった 時代なんだ。私たちの遥か遠い祖先が生きていた時代に産まれた エネルギーが、今こうして地球や多くの生命に暖かい恵みを与えてく れているんだ。宇宙ってすごいね。
|
地球の年齢は約50億歳と言われているんだけど、ちょうど働き盛りの年齢にあたる んだ。そして今から50億年後になり、太陽の年齢が100億歳近くになると核融合 反応の燃料の水素が少なくなり、もえかすのヘリウムばかりが中心部にたまり始め るんだ。すると太陽はしだいにふくらみ始め、やがて水星や金星をのみこみんだ よ。ということは現在の太陽の200倍もの赤色巨星になってしまうんだ。そしてこの ヘリウムがどんどん中心部にたまると核融合反応が起こらなくなり、逆に太陽が ちぢみ始めるんだよ。表面からガスがはがれ、中心部には地球くらいの大きさに なる白色わい星が残されるんだ。表面からはがれたガスは、温度の高い白色わ い星の光に刺激されてこの画像のような惑星状星雲となって見えるんだよ。だ からこの画像は50億年後の太陽の姿と似ているんだ。といっても遠い遠い未来 の話なんだけどね。この後、この画像の中心に見える明るい白色わい星は、し だいに温度を下げ、やがて冷たくて暗い黒色わい星になり宇宙の暗闇に消えて しまうんだよ。
上のこの画像は2000年7月19日、地球を周回するトレース衛星によって撮影された 太陽のフィラメントだよ。ものすごい迫力だね。このフィラメントは熱いガスが爆発する ることによって起こるんだけれど、その高さは10万kmにもなり、このフィラメントの腕 の中に地球全体がすっぽりと入ってしまうほどの巨大さなんだ。太陽のエネルギーの すさまじさに圧倒されてしまうね。
|
太陽観測衛星TRACEがとらえたコロナ・ループ
コロナとは、太陽の表面である光球の外部に大きく広がる電離した高温ガスの層の ことだよ。このコロナの温度は200万Kにも達するほどの凄まじいものだけど、この超 高温に熱するエネルギー源については謎のままなんだ。 地球から可視光で見えるの は光球と呼ばれる部分で温度は(約6000K)だけど、コロナはその約300倍もあること を考えると如何に超高温なのかがよくわかると思うし、その謎がまだ解けないことも とても不思議なことだね。 太陽光球の外側は彩層とコロナが取り巻いており、それ らの存在が良く理解できる現象が皆既日食と呼ばれるもので、皆も肉眼や写真で見 たことがあるかも知れない。実は今回のTRACEによる高解像度観測により、コロナ が加熱されているのは太陽光球から約1万6000キロメートル以内の低層部から生じ ているコロナ・ループ(上の画像)で行われていることが明らかとなったんだ。太陽表 面は数百万個のコロナ・ループで包まれており、これは磁力線に沿って形成される 巨大なアーチ状のガスの流れのことだけれど、高さは最大で約48万キロメートル以 上にも達するんだ。このコロナ・ループの大きさは、右側の画像に地球が描かれてい るけれど如何に想像を絶するものかがわかると思うんだ。今まではコロナの加熱は コロナ・ループの上部で行われていると考えられていたけれど、今回のTRACEによ る観測ではそれが間違っていたものであったことがわかったんだね。そしてコロナ・ ループの低層部で加熱されたガスは上昇し、やがて冷えて毎秒およそ9.6キロメート ル以上の速さで太陽表面に激突してゆくことが観測されたんだ。
|
太陽 「ビヨンド 惑星探査機が見た太陽系」より引用 太陽には影がない。完璧な沈黙の炎のなかでは、むきだしの力が生む耳を聾さんばかりの 轟が絶え間なく荒れ狂っている。そこには何かが焼け焦げるパチパチという音も、大きな炎 をあげさせる酸素の流れもない。ただ、熱とエネルギーの凄まじい爆風が、時を超越した無 の空間へと噴きだしていくばかりだ。だが、私たちが昼間、地球から見ることのできる46億 歳のエネルギーの魂は、放射能ガスをまき散らす棺ではなく、ひとつの星である。だからこ そ、私たちも煙や氷と化すことなく、歩き回ったり、汗ばんだ頭を掻いたりしていられる。そ れもつづけざまに起きる核融合が外へと向ける爆発的攻撃を、太陽自身の大きな重力が 抑えつけてくれているからなのだ。抗しがたり大きな力が、その力をもってしても動かせない ものと、太陽という場で遭遇したのであある。そしてそれは大きさにかかわらず、渦巻く銀河 の長い腕の内外、そして闇を漂う光の点すべてに共通することなのだ。 影はひとつもないが、気象現象はある。太陽に吹き荒れる風は、太陽系のほかのどこで観察 されるものより激しい。幼稚園でくりひろげられるぬいぐるみの奪い合いとヒロシマを比べるよ うなもので、比較するのが馬鹿馬鹿しくなるほどだ。太陽系最大の惑星である木星の嵐の前 では、地球最大の台風もティーポットのなかの渦ほどでしかないが、地球ふたつ分の大きさを もつハリケーンである木星の大赤斑でさえ、太陽から噴出する炎の一番小さなものと比べれ ば、本の小さな注のようなものにすぎない。(一方、大赤斑が少なくともあと300年は荒れ狂い つづけると思われるのに対し、太陽ではこれほど息の長い現象は、今のところ発見されてい ない。) 宇宙基準で考えれば中くらいの、非常にありふれた星ではあるが、こうした力(および重力場) を考えれば、太陽がエジプトやアステカ、ロサンジェルスなど各地で崇拝されていたのもうなず けよう。長老のような時空創造者が登場するおとぎ話の場合と違って、太陽を信仰する人々 は、生命を支え、風を起こし、地球上のすみずみまで照らしてくれるエネルギーの源がどこに あるのかを見極めるのになんの苦労もなかった。また、そのパワーに貢ぎ物を捧げるのは当 然だと思ったのである。 太陽の表面温度は6000℃である。中心核は1600万℃と、あまりに桁が大きく、めまいを起こ させるような数字で、理解不可能なほどだ。私たちが暮している無数の21世紀都市の明かり はすべて、間接的にこの太陽をエネルギー源としている。化石燃料には、遠い昔の森林に蓄 えられたエネルギーが含まれているからだ。中東の砂漠や北海の海流の下に眠る化石化し た黒い液体は、まるで巨大なバッテリーのように何千年もの間、太陽エネルギーを蓄えてき た。極冠や夜のインド洋の波頭にきらめく月光も、間接的な太陽光だ。また季節の移り変わ りも、地球の自転にともなって、太陽に面する半球が変化することによって起こる。 私たちと太陽との関係を、エジプト人やアステカ人にも勝るほど深く理解していたと思われ るひとりの天才がいた。カール・セーガンによれば、惑星配列図の中心にあるのが地球で はなく太陽だと最初に主張したのは、アリスタルコスというギリシャの忘れられた学者であ る。紀元前300年頃、地動説の人として一般に知られるコペルニクスが登場する実に2000 年近く前のことだ。セーガンによると、月食のとき月に映った地球の影の大きさから、アリ スタルコス太陽が地球よりはるかに大きく、またはるか遠くにあると推測した。「そこで彼 は、太陽のように大きな天体が、地球のように小さな天体のまわりを回っているというの は不合理だと考えたのかもしれない」と、セーガンは著書「COSMOS」で述べている。「彼 は太陽を中心におき、地球は日に一度自転しながら、太陽のまわりを1年かけてめぐって いると考えた」。コペルニクスはアリスタルコスのことを書物で知り、同じアイディアを得た のかもしれない、とセーガンはいう。 近年発見された古典文献は、コペルニクスが留学していた当時、イタリアの大学で大きな 興奮を呼び起こしていたものだった。コペルニクスは、著書の手書き原稿ではアリスタル コスの方が先を越していたことにふれているが、印刷される前にその部分を削っている。 彼は教皇パウロ3世に宛てた手紙で次のように述べている。「キケロによれば、ニケータ スは地球が動いていると考えていたそうです・・・・。(アリスタルコスの説を論じた)プルタ ルコスによれば・・・・ほかにも数名、同じ意見をもっていたといいます。このことから私は、 それが可能であるかを考えるようになりました。そして私自身も、地球は動くものではない かということについて深く考えはじめました」。 コペルニクスもアリスタルコスも気づかなかったが、太陽ももちろん動いている。銀河系の 中心を2億2600万年かけてまわっているのだ。ラスコーの壁画からローマの水道橋を経て、 前世紀の月到達までを含む、人類の歴史すべてに相当する時間も、その周期から見れば ほんの一瞬の出来事だ。言い換えれば、太陽が銀河系を1周する時間を1銀河年とすると、 私たち人間はほんの数日、ここ最近の数日を生きているにすぎないのだ。 太陽は、それを見る私たち人間がいなくなっても、もちろん燃えつづけるだろう。ちょうど、 いま私たちの車やトラックを間接的に動かしている先史時代の木々が、人類はその場に いなかったにもかかわらず音を立てて倒れたのと同じように。だが、太陽エネルギーのほ んのわずかな一端が現に私たちの思考・・・・太陽を理解しようとする思考も含めて・・・・ をまるで燃料を供給するように刺激しているということが、そもそも太陽という驚異的な存 在に匹敵する奇跡なのだ。もし人類に太陽の荘厳で圧倒的な美をなにがしかでもわかる 能力がそなわっているとしたら、銀河系の一角にあるこのささやかな星は、その重要な 孵卵器であり煽動役であったことになる。地球という惑星の住人のなかには、太陽から 豊かに流れてくる絶え間ないエネルギー液を今でも崇拝している者がいる。そして私た ち人間がそうであるように、私たちが作った道具もまた同じことをしている。日々瞬きも せず太陽を見つめている探査機は、すべて太陽から動力を得ているのだから。 |
2012年1月28日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 |
2012年6月4日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 (大きな画像) 2004年の金星の太陽面通過、太陽の右側に金星が写っています。(写真はNASAより引用) 今日の部分月食は厚い雲に覆われ見ることが出来ませんでした。 でもお陰で近くに天体観望できる開けたところを新たに開拓することが出来たので感謝です。 ところで、明後日の金星の太陽面通過ですが、上の写真は2004年6月8日の時のものです。 じゃあ明後日見逃しても数年後に見れるんだ、と思われたら大きな間違いで、次は105年先に なってしまいます。 105年先というと、現在の赤ちゃんでも見るのは殆ど出来ず、その赤ちゃんの赤ちゃんが長生 きしてようやく見ることができるのだと思います。 私たちが明後日見る金星の太陽面通過、そして次に目にするであろう世代を想像するとき、 インディアンの言葉を思い出します。 ☆☆☆☆ 「私たちの生き方では、政治の決め事は、いつも七世代先の人々のことを念頭におきなが ら行われる。 これからやってくる人々、まだ生まれていない世代の人々が、私たちよりも悪い世界で暮ら したりすることのないように、できればもっと良い世界に生まれてこられるように心を配るの が、私たちの仕事なのだ。 私たちが母なる大地の上を歩くときに、いつも慎重に一歩一歩進むのは、これから生まれ てくる世代の人々が、地面の下から私たちのことを見上げているからだ。 私たちはそのことを、片時たりとも忘れない」 オレン・ライオンズ(オノンダーガ族) 「ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと」築地書館より ☆☆☆☆ (K.K) |
2012年2月12日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 |
2012年2月18日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 |
「太陽の歌」
神よ、造られたすべてのものによって、わたしはあなたを賛美します。 わたしたちの兄弟、太陽によってあなたを賛美します。 太陽は光りをもってわたしたちを照らし、その輝きはあなたの姿を現します。 わたしたちの姉妹、月と星によってあなたを賛美します。 月と星はあなたのけだかさを受けています。 わたしたちの兄弟、風によってあなたを賛美します。 風はいのちのあるものを支えます。 わたしたちの姉妹、水によってあなたを賛美します。 水はわたしたちを清め、力づけます。 わたしたちの兄弟、火によってあなたを賛美します。 火はわたしたちを暖め、よろこばせます。
わたしたちの姉妹、母なる大地によって賛美します。 大地は草や木を育て、みのらせます。 神よ、あなたの愛のためにゆるし合い、 病と苦しみを耐え忍ぶ者によって、わたしはあなたを賛美します。 終わりまで安らかに耐え抜いく者は、あなたから永遠の冠を受けます。
わたしたちの姉妹、体の死によって、あなたを賛美します。 この世に生を受けたものは、この姉妹から逃れることはできません。 大罪のうちに死ぬ人は不幸な者です。 神よ、あなたの尊いみ旨を果たして死ぬ人は幸いな者です。 第二の死は、かれを損なうことはありません。 神よ、造られたすべてのものによって、わたしは深くへりくだってあなたを賛美し、 感謝します。
|
「宇宙家族の祈り」 モホーク・インディアンの祈りから
有難き 母なる地球 昼も夜も漕ぎゆく 母なる地球 優しく 尊く 豊かな おお 大地よ さあれ 我らが心も
有難き 草よ 樹よ 雨にも風にも負けず 立ち 根っこは 見事な毛をひろげ 葉っぱは 陽の光 命に変え 踊るは 流れうずまく 種子の中 おお 草よ 樹よ さあれ 我らが心も
有難き 大気よ その胸のいだくは 天がけるアマツバメ また 夜明けに静まるフクロウ 我らの歌は息吹く さわやかな心の微風 おお 大気よ さあれ 我らが心も
有難き 野のけだものよ 秘密と自由と道教え 我らと乳わかち合う兄弟 満ち足りて 雄々しく 心冴えわたる おお 獣よ さあれ 我らが心も
有難き 水よ とどまり また流れ 雲 湖 川 氷河と変わりゆく水よ 我らの生身を流れるは 塩の海 おお 水よ さあれ 我らが心も
有難き 太陽よ もやを 樹の幹をつらぬく まぶしい光の鼓動 熊眠り 蛇眠る穴をあたため 我らを眼ざます おお 太陽よ さあれ 我らが心も
有難き 天よ 数十億の星をいだき さらに彼方へ すべての力と 思いをこえて しかも 我らの内にひろがる 祖父なる天 心は その妻 おお 偉大な天よ
さ あれかし
この「宇宙家族の祈り」は「対訳 亀の島(Turtle Island)」の著者で詩人のゲーリー・ スナイダーが「モホーク・インディアンの祈り」を少し書き加えたものかも知れません。
|
(映し出されるまで時間がかかる場合があります)